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【連続投稿】2カ月で15万文字の小説を1本書く過程③【コンセプトを膨らませる】

どうも、3夜目のきりんです。

Twitterの方で募集したり、ココナラのサービスで小説の批評・感想なんかを書いたりしている手前、色々な方の小説を読ませていただいております。

面白い小説もあれば、「うーん?」と首をひねるような作品もある。

その明確な境界線はどこか、といいますと……

コンセプトをコンセプトのまま書き出しているか、きちんと「作品」に昇華させてから書いているかの違いです。

私はこれを世界一うまくやった作品が「ハリー・ポッター」のシリーズだと思っています。

シリーズ第1作目「ハリーポッターと賢者の石」について、以下のように1行に収めることができます。

「それまで人間の世界で暮らしていた少年が、魔法学校へ入学して、魔法の力を開花させて活躍するお話」

コンセプトを膨らませる、とは具体的にどういうことかといいますと、この1行内にある魅力的なキーワードを拾い上げて、話をより面白くする、という作業を行うことです。

1番は「魔法」というキーワードでしょう。ハリーポッターの世界では、さまざまな魔法が出てきます。単純に火を起こしたりするだけじゃなく、動物を使い魔にしたり、変身したり、姿を見えなくするといったさまざまな魔法が、作中で描かれている。

その魔法を学ぶための「魔法学校」も同様。魔法学校への行き方からして、人間の世界と一線を画すのは理解できますし、親友やかわいい女の子、別の学舎のライバルや学校に一人はいる嫌な奴、彼らと魔法を競いながら互いに高め合っていく、というこれも魅力的なアイディアに昇華されています。

実は「人間の世界での暮らし」というのも重要で、主人公のハリー少年はシンデレラのごとく、意地悪な家族にいじめられています。だからこそ、魔法学校に憧れ、魔法という才能を周囲に認められる彼の喜びはひとしおなのです。


と、こんな風に、コンセプトをさらに細かく分解していって、「どうしたら面白くなるのか」と考えて話を膨らませていく、という作業が必要になります。

これをやらないと、作品がどこかで見たことがあるようなテンプレ化してしまったり、単語ばかりが目新しいけど話はありきたりになってしまったりという有り体に言えばつまらない作品が生まれがちです。


「異世界」という要素があるとします。

剣と魔法のファンタジー世界というよくある設定だとしても、「剣」「魔法」「人々の暮らし」「生活水準」「言語」などを突き詰めればきちんと他の作品との差別化は可能です。


例えば、私は「異世界報道官 佐伯伊月の事件簿」という自作では、「世界に1000種族以上いて、まず主人公が言語が通じない」という設定にしています。

記者である主人公にとって、「言語が通じない」というのは、アイデンティティを否定しかねないほどの大きな障害になっているのです。


と、こんな感じでコンセプトを思いついたら、「いかにそれを面白くできるか」といったように、膨らませていく必要があります。

それをすることで、他作品との差別化や、自作をより面白くすることにつながるからです。

さてさて、コンセプトを作り上げていったら、実際にキャラクターを作っていきましょう。明日はキャラクターの作り方について、テクニックなどを紹介したいと思います。



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