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ライターにとって文章の『量』と『質』はどちらが大事なのか

おはきりんです。

しばしばネットで話題にあがる「ライターにとって文章の質と量はどちらが重要なのか」というお話しを今日はしたいと思います。

どっちも大事と言ってしまったら身も蓋もありません。また「新人は質にこだわった方がいいよ」なんてありきたりな一般論を吐くつもりもございません。

自分の経験を踏まえつつ、「仕事をする上で」どちらが重要なのか、自分の考えを話したいと思います。


仕事としてやりたいなら量の方が重要です

はい。

なぜこう思うに至ったのかというとですね、自分がゲーム会社時代の体験に起因しています。

自慢するつもりはないのですが、私は人より筆が相当速い方です。調子の良い日は、1日に4万字とか仕事で書きます。

そんな私がゲーム会社で初仕事を任せられた際、そのゲーム会社はライターのスケジュール遅れで致命的なスケジュルールのリスケを迫られていたんです。

下手したら、会社が倒産しかねないレベルの遅れ。ベンチャー的なゲーム会社だと、ソフト1本の失敗で会社倒産とかざらにあります。

そんな中で、私は「1週間でやれ」と言われていた作業を2日程度で終わらせたんですよね。すると、「こっちもお願い」「あっちもお願い」となり、シナリオの遅れはなんとか1カ月程度の遅れで済ませることができた。

質ですか?当時新人だった私の質なんてまったく高くありません。

メインライターさんや会社にいた他のライターさんの方が圧倒的に高い。

だけど、「速く書ける」というのが理由で、私はその会社で徐々に仕事が増えていき、最終的には自分でゲームをディレクションするに至りました。

ゲーム会社にとって「筆が速い」はめちゃくちゃありがたい

SEO記事制作とゲーム制作の1番の違いは、ゲーム制作は、シナリオが最終作業ではないということです。記事制作なら、執筆後はチェックして終わりですが、ゲームシナリオはそこから立ち絵や背景を入れて、音声を入れて……とそこからが本番なんです。

シナリオが早めにあがると、そういったスケジュールを前倒しにして制作できる。制作期間も短くなり、予算的にもかなり削減できるわけです。

「質の高いライターさん」は結構います。でも「筆が速いライターさん」ってそんないないんです。むしろ2割ぐらいのライターさんはスケジュールより遅れるか、リテイク作業のせいで遅延します。

ギリギリに質の低い原稿があがってきても「これどこまでリテイクしよう……」と悩みますしね。リテイクの面でも筆の速い人は重宝されるというわけです。

SEO記事制作ではどうなのか

これは、自分がoverflowの編集部に入ったことにも関係します。

overflowで仕事をはじめた当初、私は校正・校閲の仕事をしていました。数カ月経ったある日、事件が起こったんです。

なんとあるチームで、ライター4人中3人が、病気や身内の不幸などのアクシデントが重なって書けなくなってしまった。

当時の編集部は相当頭を抱えていたと思います。そこで自分の方から次のような提案をしました。


「3人の残りを、自分が巻き取ってもいいですか?」


1人1人の作業量はそこまで多くはなかったので、残りの量なら自分が巻き取れると思って提案しました。最初は半信半疑な感じの編集部でしたが、結局終わらせたことで、私はoverflowのライターとして信頼を得られたんだと思います。

人より多く書くと、経験値が変わってくる

本題に戻りますが、私はなぜ「量が大切か」というと、これが理由だと思うんですよね。

量を多く任せられるということは、仕事の経験値が大きく変わってきます。

単純に、月に5万文字書く人と10万文字書く人、どちらが半年後には成長しているでしょうか? ということです。

一概には言えませんが、同じ程度のライティング能力を持つ2人だったら、圧倒的に10万字書いている人の方が伸びると思います。

私は去年、overflowさんで200万字ほどトータルで執筆したと思います。とくに何か特殊な勉強をしたわけでも講義に出たわけでもありませんが、それでも去年の同じ時期の自分と比べると、今の方が圧倒的に文章がうまくなったと思います。

「質にこだわる」ってそもそも何でしょうか

といっても、日本語的におかしい文章や誤脱ばかりの文章を提出しろと言っているわけではありません。最低限の質にこだわることはやはり必要です。

「新人のうちは質にこだわった方がいい」とちまたではよく言う人がいます。

けど、「質にこだわる」ってなんですか?

文章を丁寧に見直すことでしょうか。

資料を丁寧に読み込むことでしょうか。

そんなのは当たり前にやらなきゃいけない作業です。ベテランのライターさんならみんなやってると思います。

質にこだわるってよくわかんなくないですか?

そんなよくわからないものにこだわるぐらいなら「今月は先月の1.2倍の仕事量を先月と同じ質でやるぞ」とかの方が目標としてわかりやすくないですか?

よくわからないものにこだわりすぎて筆が遅くなり、〆切を破ってしまう人や、最初は丁寧だったんだけど〆切が近づくにつれて質が落ちていき、「最初より劣化している」と評価される人もいます。

そうなるぐらいなら、お仕事としては同じ程度のクオリティのものを、量を仕上げられた方がいいと思うわけです。

速く書ける人はメリットが多い

速く書けると次のようなメリットがあります。

・報酬が増える
・〆切に対する信頼感が増す
・他のライターがケガや病気などで書けなくなった時に仕事が来るようになる
・他のことをする時間がとれる

はい。

当たり前ですが5万字より10万字の方が報酬が多いです。〆切より速く常にあげていれば信頼感が増します。

他のライターさんに何かあったときに真っ先に仕事が来るようになり、仕事の幅が自然に広がっていきます。

時間があまるので他のことをする余裕ができます。

「量をこなせる」って、こんなにメリットがあると私は思うのですがいかがでしょうか。

「質にこだわる」大事。ただし「アマチュアなら」って言葉が頭につくと私は思います。

プロなら「量」「筆の速さ」も身につけた方がいいんじゃないかと思うんですがどうなんでしょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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