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「元禄港歌-千年の恋の森-」

ずっと観てみたかった蜷川幸雄さんの舞台。 

猿之助さんとやるなんて観るしかない。という事で観てきました。


元禄時代の播州の港町で起きた、親と子、男と女の運命が絡み合い情念渦巻く哀しい物語。 劇中歌は美空ひばりさん。 情感たっぷりで作品をより良いものに高めていました。

椿の花が断続的に降ってくる幻想的なセットと、 辻村寿三郎の人形など、日本人でよかったなあと思う美しい空間。

初めて観た蜷川さんの舞台。こういうのを造る人なのか、と。


市川猿之助さんも宮沢りえさんも段田安則さんも演技がお上手なので、静かな舞台でもずっと集中して観続けられました。

女形の猿之助さんは本当に淑やかで素敵。


また 、隣で鑑賞してらした老夫婦がしきりに「段田がええなぁ、段田が。」と話しておられて、とっても同感。

段田さんの演技素敵でした。 息子として、男として、色々と悩みもがく姿がなんとも。

もちろん宮沢さんも鈴木杏さんも高橋一生さんも抜群によかった。

高橋さんのクソ息子っぷりとか、鈴木さんの幸薄女っぷりとかもう、なんなの? ってくらいはまっていて、、。

役者さんって本当にすごいなと。

お話の哀しさや情念を増幅させるキャストの素晴らしい演技、素晴らしい舞台芸術、蜷川さんの演出。 観に行けて良かったなぁ。


2016年2月7日 シアターBRABA!にて(2020年加筆修正)