怒られよう

怒られよう
ちゃんと怒られよう
ちゃんと怒ってもらおう
そうすればちゃんと謝ることができる

怒ってくれないと謝れない
怒ってくれないと何が悪かったのかわからない
何が悪かったのかわからないと謝れない

わからないものはわからない
教えてくれないとわからない

だから教えてほしい
何がいけなかったのか教えてほしい
何で怒ったのか教えてほしい

でも怒る自由があるし
言わない自由もあるし
口を聞かない自由もある

そして訊く自由もある
謝らない自由だってある

それでもわたしは謝りたい

そうは言っても
本当は怒られるのは怖い
死ぬほど怖い
出来れば怒られたくない
いや絶対怒られたくない

この前接客中に“ちゃんと”怒られた
その時心身ともに凍りついた
必死にちゃんと謝った
そしてわたしは3ヶ月後に円形脱毛症になった
怒られるのはやっぱり嫌だ

でもそれでは進まない始まらない
怒られなくてはだめなのだ

あれ？
もしかしてわたしが怒ることにNGを出しているのかな？
怒られることがNGなのかな？
なんでこんなに怒られるのが怖いんだろう？
謝ればいいだけなのに

謝るのも本当はいやだ
謝っても許してもらえないって思ってるし

幼少期、母がそうだった
いつもは優しい母が、わたしが間違ったことをすると怒った
無言で
完全無視
何も言わないしやってくれない
ある朝は、お弁当を詰めてくれなかった
今思えば自分で詰めればよかったのに
わたしは怖くて怖くて母の後ろに立ちすくみながら「ごめんなさい」がなかなか言えなかった
やっとの思いで蚊の鳴くような声小さな声で謝罪した
するとお弁当を仕上げてくれた
怖かった

怒っている人が怖いのは
あの頃の母をその人に投影しているからか