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断食を試してみたら

 周りに腰痛持ちの人がけっこういて、つい先日も椎間板ヘルニアで入院していたという人と、しばし腰痛談義に。
 筆者も20年くらい前に腰痛を煩い、ありとあらゆる治療法を試しました。しかし、あまり芳しくなく、2年を過ぎたころ「もう、このままでもいいや。治すのやーめた」と開き直ったら、急速に腰の調子がよくなり、その後、2週間くらいで95パーセントくらいまで回復した経験があります。

 それで、人が腰痛治療にどのように取り組み、どうなったかに関心があります。

 ミステリー作家の夏樹静子さんが書いた「私の腰痛放浪記 椅子がこわい」(文春文庫)に、次のような主旨の記述がありました。--- 「治そう、治そうというその努力が、かえって治癒を妨げている」---

 要するに、病気や治療のことは忘れて、他のことに夢中になっていたら、いつのまにか治っていた、ということです。これは、腰痛だけではなく、他の慢性病にも、けっこうあてはまるみたい。

 よく似たことが、「腰痛探検家」(高野秀行著、集英社文庫)にも書かれていました。
 辺境探検家の高野氏は、40歳のころに腰痛になり、西洋医学(整形外科4病院)はもとより、カリスマ治療士、整体、整骨、針灸、体操教室、獣医、中国医学、心療内科…と治療のために転々と。この模様が面白おかしく赤裸々に綴られています。

 結局、高野氏も夏樹さんのように、あちこち放浪したあげく、心療内科にたどりつく。そこの医師は、話を聞いてくれるどころか、抗うつ剤をはじめとして大量に薬を飲ませようとする。しかし、いっこうに回復の気配がない。
 やけになった高野氏は、「やってられるか!」とばかり、薬をゴミ箱に投げ捨て、もう治療院巡りは止めて、腰に悪いと言われるバタフライの練習を再開、がむしゃらに泳いだ。すると、腰の調子がめっきり回復に向かったということです。

 いま腰痛に悩まされている方は、上記2冊と「腰痛は怒りである」(長谷川淳史著、春秋社)を一読されてみてはいかがでしょうか。「腰痛は、もしかして心因性かも」という視点がわかりやすく述べられています。

 それともう一つ。一度、断食することをお勧めします。筆者の場合、「もう治そうとするのをやーめた」と開き直ってから腰の調子がめっきりよくなった、と先に書きましたが、その同時期に、腰痛の改善には断食が効果的なんてことを知らずに、ひょんなことから3日間断食をしたのです。
 後から思えば、開き直りよりも、断食のほうが効果があったかも知れません。作家の夏樹さんの場合は、腰痛治療の目的で断食し、そこから改善したという記述があります。
 そのほかに「人は食べなくても生きられる」(山田鷹夫著、三五館)にも腰痛には断食が効くという記述がありますし、千島学説研究会が編集している機関誌「螺旋(らせん)」にも「1週間の断食で、痔疾、椎間板ヘルニア、座骨神経痛の苦しみから解放された」という記事がありました。
 
 「断食」は、家でできますし、お金もかかりませんので、一度試してみる価値はあると思います。

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