化粧水のほんとのところ

せっかくスキンケアのお話を書いたので、流れで化粧水のことを。

日本はとても水資源に恵まれた国であるせいか、日本人は世界No. 1の化粧水が大好きな人たちなのでは?と思っています。
ヨーロッパでは水が硬水なので洗顔に適していないという理由で、その代わりとしてのふきとり化粧水が一般的。いわゆる「保湿化粧水」はあんまり売っていません。欧米人はアジア人よりも角層が厚くてわりと丈夫なので、ふきとってもあまりダメージがないというのもあるようです。実際、南米に旅行したときにDFS等でいわゆる保湿化粧水がほとんど置いていなくてびっくりしたことがあります。(クレンジングもなかった。メイクあんまりしないのかな・・・)

ある美容家さんに取材をしたら、「日本人の肌がもちもちしてきめ細かいのは、化粧水をよく使い、お米(たしかにパンよりも水分が多そう)をよく食べるからではないか」とのこと。なんとなく「そうかも・・・?」と思ってしまいました。実際、ある統計では美容液や乳液などよりも、圧倒的に化粧水を使っている人の割合が一番多いのを見たことがあります。それくらい、みんな化粧水が大好きです。

そのせいというわけではないのですが、逆に「化粧水信仰が強すぎる」という現象が起きています。皮膚科医の先生によっては「化粧水はあってもなくてもいい」という見解。実際、化粧水そのものの保湿力はそこまで強くないと思います。ほとんど水ですし、蒸発してしまうので。いろんな人に話を聞きましたが、自分のなかでは「肌に水分を浸透させてふやかして、あとから使うものの浸透をアップさせ、結果的に効きがよくなる。また、水による”鎮静効果”で赤みや炎症をおさえ、落ち着かせる」というところでしょうか。

じゃあ化粧水が意味がないかというと、それは別の話です。特に、最近は高価な化粧水がたくさん出ていますが、それは美容の進化によって、美容液のような機能をもつ化粧水が出てきた、ということかなと解釈しています。実際、私はSK-Ⅱのフェイシャルトリートメントエッセンスはとても高級ではありますが、独特の使い心地や肌が安定する感じが大好きです。通称「ピテラ」はコカコーラの秘伝のレシピのようなもので、唯一のレシピで発酵させた美容成分を使っていて、それを管理するのがとても大変なので高価と聞きました。ただ、ピテラの場合はたまたま「化粧水の剤型に近かったから化粧水にした」(・・・かどうかはわかりませんが、私の想像)のではないかと思っています。製品はほとんどピテラでできているので、これは水状であるだけで、ふつうの「化粧水」とはちょっと違うと思っています。

各社が大変な努力で開発をしていて、素晴らしい成分や技術が搭載されているため、高価な化粧水には意味はあります。が、結局は乳液やクリームで「ふた」をしないと保湿効果は不十分なので、保湿という観点でいえば、絶対に省いてはいけないステップではないです。私は疲れ果てている日は、全部スキップして”いいクリーム”だけ塗って寝ています。ただ、前述の「もちもちした柔らかそうな白く透明感のある肌」に大いに寄与するので、より美しい肌印象を目指すなら使って損はないという感じです。

ちなみに、化粧水のよさを一番実感できるのはコットンパック。毎日朝晩3分。コットンを2、3枚水道水で濡らして軽く絞り、化粧水をひたひたにして割いて全顔にパックします。きれいな人はコットンパックをしている率が高いです。このひと手間で圧倒的に見た目が変わります。ただ、パックは大変なのでできる人は頑張ってという感じですが、とにかくケチると意味がないというのはお伝えしたいところ。たっぷり使えるものを選ぶと、とても美肌になれると思います。そして何度も塗ることについて諸説ありますが、多分「ムラなく、十分に塗れる」というのがメリットだと思っています。私は大体2度塗りくらい。ただ、赤みや炎症が起きやすい人は肌を触る回数をなるべく減らした方がいいので、何度もハンドプレスするのは避けた方がいいです。

最近コットンパックに一番いいなと思ったのは、KANEBOのコットンでした。あとは資生堂が定番です。

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