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ユーロ2024(サッカー欧州選手権)戦評準々決勝 スペインvsドイツ

スペイン 2-1(延長) ドイツ (2024.7.5.シュトゥットガルト)
 今大会で最も好調な2チームの直接対決。全勝で勝ち上がってきたスペインは、決勝T1回戦とまったく同じ先発イレブンを起用。
 対する地元ドイツはラウンド16に続いてザネとラウムに2試合目の先発を任せる一方、出場停止の明けたターが最終ラインに復帰。さらにアンドリッヒではなくエムレ・ジャンが、今大会初めてスタートからピッチに立つ。

 立ち上がりからドイツは半ばイエロー覚悟(?)の肉弾戦を敢行。おかげでキックオフ直後にオープニングシュートを打ったペドリが、早くも8分に壊され、ダニ・オルモとの交代を余儀なくされる。スペインのデ・ラ・フエンテ監督にとってはもちろん想定外のことだっただろうが、そのダニ・オルモに決定的な仕事をされることになろうとは、ドイツのナーゲルスマン監督も予想していなかったに違いない。
 前半は双方数本のシュートを打ち合うも、枠内のそれは両GKがきっちりセーブし、スコアレス。ボランチの相棒が替わったクロースは、これまでのように最終ラインまでは下がらずにプレーした。

 ナーゲルスマンは後半の開始時からザネとエムレ・ジャンに代えてビルツとアンドリッヒを送り出し、今大会の基本布陣に近づける。ラ・ロハもイエローカードを警戒したのか、センターバックのル・ノルマンをナチョと入れ替えた。
 スコアが動いたのは51分。右サイドでラウムと対峙したラミン・ヤマルが、グラウンダーのパスを中央に送る。すると中盤からフリーで駆け上がってきたダニ・オルモがこれに合わせ、右足でネットを揺らせた。
 追いつかなければならないドイツは攻勢を強め、80分には最終ラインのターを削って、アタッカーのミュラーを投入する賭けに出る。開催国の願いは通じ、終了間際の89分、左からのクロスをキミッヒが頭で落とすと、ビルツが土壇場の同点弾を決めた。

 今大会3度目となる延長戦に突入したゲームで、次なるドラマがやって来たのは、またも土壇場。PK戦も意識されだした延長後半の119分、ダニ・オルモの左サイドからのクロスを、途中出場したミケル・メリーノがヘディングで沈め、ラ・ロハが勝ち越し点を奪う。日頃ドイツのクラブでプレーしているダニ・オルモは、ペドリに替わってスクランブル投入されると、1ゴール1アシストの結果を残した。
 マンシャフトにとっては106分のククレーリャのハンドが、アンソニー・テイラー主審にPK判定されなかったのが痛恨。VARからの助言もなく、開催国のノルマとも言うべきベスト4進出を果たせずに散った。

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