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「ドコモ口座」騒動が割と重めのネタである件で

 ITmediaでも取り上げられていますが、NTTドコモが自社サービスのドコモ口座のドメインをうっかり世に流してしまい、騒動になっています。

 ただでさえ、フィッシング詐欺や著名人なりすまし広告が横行しているこの状況で、そのまんまのが放流されたら大変なことになるんですが、大丈夫なのでしょうか。

 で、そもそもこういうものが.jpドメインオークションで普通に売られていていいのかという問題は付きまといます。かねて「その辺のフィッシング詐欺で使われそうなドメインは、デジタル上の無形物とはいえ実質的に排他的に使える線引きをどこかで引かないといけないのではないか」という議論はありました。オリジネータープロファイル(OP)なんかもその延長線上で出てくる議論のはずが、今回はそのド足元の「かつて使っていたサービスのドメインがサービス終了後にうっかり放流されてしまう」ネタになるのですから、真面目に界隈で検討している人たちから見ると顔に泥を塗られたような展開になってしまいます。

 ドコモもさすがに問題だと気づいたのか、非公式ながらそこそこの範囲に「あれは責任もって対処しますから」というようなエクスキューズを入れてきているものの、とっくに知れ渡っておりますので本当に大丈夫なのか良く分かりません。むしろかなりいい感じの古い傷口オープンネタなのではないでしょうか。

 ネット行政界隈で言えば、村井純的な自由で開かれたインターネットの弊害がまたひとつ増える話になる一方、インターネットガバナンスという観点からもデータ駆動社会とビジネスコアとかサービスインフラとかそういう分野まで影響のあるところで、たかが問題を起こしたのでやめたサービスのドメインが野良に流れたというレベルの話じゃないよなと。もちろん、建前上は「やらかしました」で済ませるにしても、携帯電話が40秒通じなくて怒られるレベルの通信行政と、その通信行政の端っこでコアもコアなドメイン管理が雑に行われてしまっていた話とを比較しますと、弛んでるって話では済まないものなんじゃないですかという。

 この話を何故口を酸っぱくして書くかというと、個人情報保護法を含めた情報法の界隈では、通信村では相応に厳格な運用がされているもののはずが、サービスレベルにまで落ちた途端にかなりイージーに、お見合いポテンヒットみたいなやらかしが平気で発生し、さらに外部指摘があると関係先に「問題ありませんから」ともみ消しに来てるってのが最高にマズいし、その程度のマインドだから土管から一ミリでも地上に出ると事業が上手くいかないのだという典型例になるんじゃないかと感じるからなんですよ。

 そもそもドコモ口座の事件だって、と言い始めると話が尽きないのでこの辺にしたいとも思いますが、たぶん、社内でも「ああ、やっちまった」ぐらいにしか受け止められていないのだろうなあと。担当者なら、本来手が震えるぐらいに重大な事案なんじゃないかなと思いますが。

 画像はAIが考えた『大きな子どもが危険と知らずに放射性物質であるパンケーキを顔に塗りたくるように、雑な管理で危険なものを扱う事件の一部始終』です。


神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント