静 霧一 『ネオン街の多重露光』
渋谷の街に、ネオンの色が光り輝いている。
その光景は、幼き日に見た夢の国のエレクトリカルパレードのようであった。
現実と空想の狭間に、私は漂う。
ふと、目線を上げると、そこには鳥居ほどの大きさはあるであろう、白い光を放つ白熱電球に照らされたアーチ状の入り口があった。
そこには「Main street」と大きな文字がちかちかと点滅を繰り返しながら、眩く光っている。
そして、入口から真っ赤な色をしたレッドカーペットが、どこまでも続くネオンの街の果てまで、まっすぐに伸