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狂気山脈を踏破する

まだら牛さんの夢に相乗りさせてもらっている。
アニメーション映画をつくること自体、巨大な山脈踏破に挑むに等しい。
新規参入の道筋が狭く、資材がなければそもそも挑めさえしない。それでも登る準備をして、一歩ずつ轍跡を刻んで、登頂への希望を見せてくれるすごい人。
まだら牛さんって、すごい人。

H.P.ラヴクラフト著『狂気の山脈にて』を下敷きにするTRPG『狂気山脈〜邪神の山嶺〜』
初めて出会ったのは、まだら牛さん投稿の動画だった。
2016年は肉声セッション動画が流行っていた気がする。その前はゆっくりTRPGばかり見ていたから気づくのに遅れた。
ちょうどパート1が投稿された直後だった。
キャラが濃い。
ガチの山やってる人間から繰り出される言葉に、いちいち丁寧な註釈がつく。これがまたいい。
註釈自体が推しを推してる奴の熱気を孕んでいる。
幕間の登山映像は目が醒めるほど澄んでいて、「こんな景色があるのか」と思った。

更新をじりじりと待っていた。
当時全くTRPGプレイヤーとして活動しようとも考えていなかったせいで「いいコンテンツに出会えた」くらいの感覚だった。

『狂気山脈』映画化の夢に相乗りしようと思うに至ったのは、こちらの動画の影響が強い。

歩荷の人ことAkimoさん。
この人に惹かれて夢に乗っかった。
これは間違いない。
ゲームさんぽ本の話が出た時、Akimoさんのパートがあると知って、「絶対本にする」と思った。
実際のところ「してほしい」以外の参加方法もなかったのだけれど、「する」と思った。
原稿代にさえならないと思ったけれど、割とデカく支援者の名前が載る枠にまだ空きがあったから、そこを申し込んだくらいには、この人の何かをいいと思った。

ゲームさんぽ自体にハマった影響もまた「ゲームさんぽ」だ。
2011年か2012年頃、ニコニコ動画で活動していたブンブンさんという実況者が「マリカのコースを眺めて歩こう」という企画をやっていた。
本当にただゆるゆると見て歩き「ここにこんなこと書いてある」「あの出っ張り、どこまで行けますかね」と気ままに散歩する。そんな動画だった。
あの人も語り口が丁寧な人で、自分の芯にものすごい熱量を持っている人だった。
でなけりゃ、動画1000日投稿なんてできない。

振り返れば、登り続けられる人に憧れているな。
きっと、映画が出来上がったとして、それを観る時間はあっという間に過ぎ去って、登頂の喜びも一瞬かもしれないけれど。
自分の力で登ったわけじゃないけれど。
登れない人間だって夢を見ていい時代だからさ。

これらの動画のおかげもあって、
TRPGで2年前から遊ばせてもらっている。
たった1人の友だちとだけれど、ありがたい。
去年、辛抱たまらなくなって自作シナリオを作った。
『PISTE』というスキー場へ探索者たちが遊びにいく話。育成とチェイスのゲームが好きなところがよく反映されたシナリオになったと思う。

実は、まだ『狂気山脈〜邪神の山嶺』で遊んだことがない。
プレイヤーとして遊んでくれる人を見つけたい。
第n次登山隊として、あの山をやりたい。

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