相続財産の調査方法とエンディングノートの活用法
東京都江戸川区船堀、相続・企業法務専門の司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
はじめに
相続手続きを進める上で、まず行うべきは「相続財産の調査」です。
財産がどこに、どれだけあるかを把握しないことには、遺産分割の話し合いや相続税の計算が進みません。
今回は、相続財産の調査方法と、生前に「エンディングノート」を書いておくことの重要性について解説します。
今回も最後までお付き合いいただき、参考にしていただけると嬉しいです。
相続財産の調査方法
相続財産には、不動産、預貯金、株式、保険、借金など、さまざまな種類があります。
これらを漏れなく把握するためには、次のような調査が必要です。
不動産の調査
まずは、被相続人名義の不動産を確認します。
登記簿謄本を取得することで、土地や建物の所有権を確認できます。
また、固定資産税の納税通知書や評価証明書も参考にします。
名寄帳を取得してどの不動産が納税の対象となっているのかも確認する方法の手段のひとつです。
預貯金の調査
銀行や信用金庫など、金融機関に預貯金があるかを確認します。
通帳やキャッシュカード、インターネットバンキングの情報から、残高や口座の状況を確認しましょう。
インターネットバンキングの場合、暗証番号も必要になるので、後述する「エンディングノート」が役にたちます。
株式や投資信託の調査
証券会社の取引明細や証券口座の残高証明書を確認します。
また、株主総会の案内や配当金の通知なども手がかりになります。
保険の調査
生命保険や年金保険など、保険契約があるかを確認します。
保険証券や保険会社からの通知をチェックし、受取人や契約内容を確認しましょう。
借金やローンの調査
被相続人が借金やローンを抱えていた場合、その返済義務も相続されます。
借用書やローン契約書、クレジットカードの明細などを確認しましょう。
財産調査のポイント
相続財産の調査は、相続手続きの第一歩であり、重要なプロセスです。
財産の漏れがあると、後々の手続きに支障をきたすことがあります。
また、相続税の申告期限が相続開始から10か月以内であるため、早めの対応が求められます。
エンディングノートの重要性
相続財産の調査は、被相続人が亡くなってから始めることがほとんどです。
しかし、生前に「エンディングノート」を書いておくことで、相続手続きが格段にスムーズになります。
エンディングノートには、自分の財産や負債、保険、銀行口座などの情報を整理して記載します。
これにより、相続人が財産の所在をすぐに把握でき、調査の手間を大幅に省くことができます。
合わせて、デジタル遺産の暗証番号を書いておくと、相続手続きがスムーズに行くので、ぜひ書いておきましょう。
エンディングノートを活用するメリット
財産の漏れを防ぐ
エンディングノートに財産のリストを作成しておくことで、相続人が見落としなく財産を把握できます。
これにより、相続税の申告漏れや手続きの遅れを防げます。
遺産分割のトラブルを防ぐ
財産の内容や分け方を事前に記載しておくことで、相続人間のトラブルを防ぐ効果があります。
「遺言書」と組み合わせて使用することで、さらに効果的です。
相続手続きがスムーズに進む
エンディングノートがあることで、相続人は財産の所在をすぐに確認でき、手続きがスムーズに進みます。
残された家族の負担を軽減することにもつながります。
まとめ
相続財産の調査は、相続手続きの第一歩であり、漏れなく進めることが重要です。
生前にエンディングノートを作成しておくことで、相続人が安心して手続きを進められる環境を整えることができます。
家族のためにも、ぜひエンディングノートの作成を検討してみてください。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
詳細やお問い合わせは、当事務所のウェブサイトまでどうぞ。
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