キリード城防衛戦~お国には見捨てられましたが誇りのために戦います~ 7話(短編)敵の本気
敵の攻勢が止まると
我々は微々たる休息をとった
私も皆も疲労は回復してきているが
まだ完全ではない
私はいつまでたっても手の震えは止まらないし
味方も私と同じようなものがほとんどのように思える
こんな情けないところ若い貴族共に見られたら
堂々と馬鹿にされるであろう
それに休息をとっている最中敵だってただ待っていたわけではない
気が立つことに定期的に石をこちら側へ投げてくるのだ
外してくれるなら問題ないのだが
たまにピンポイントで当ててくる、
我らも弓でやり返せないかと、兵士一同武器庫を探し回ったのだが
思った通り矢の一本も残っておらず、イラ立ちが爆発したなんてことも数分前にあった
冷静に考え、今思ってみると何故あんなくだらないことでイラだっていたのかわからない
そんな数分前のことを振り返っていると
相手の陣地に破城槌が現れ刻一刻と城の城門に迫っている
どうやら相手は本気を出してきたようだ今までとは違い弓兵も見える
なるほど、予想通りだなやはり相手に侮られていたか、
まあ、20倍の戦力差があれば侮るのも当然か
どうにかして味方だけでも逃がせないものか
私が味方をどうにかして逃がせないかと考えていると
味方の兵が唾を飲んで言う
「閣下……敵が……」
もう気づいたか、まあ、あんなデカい攻城兵器が気づくのは無理も
ない逆に気づかない方がおかしいと言うものだ
「わかっておる!各梯子に10ずつ兵を置け!残りは私と共にしたの城門へ!」
「はっ!」
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