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プロレスの絵本【レスラー談話集】

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架空のレスラーや関係者たちへのインタビュー集。 あなたの推しレスラーはだれ? (制作2006)
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#プロレスラー

【プロレスの絵本】第11話“流血マシン”ブラッディー・ブー談

試合のたびに吹き出す私の血を見て、 やれ野蛮だの、どこぞのご老人が失神しただの 色々いう人はいますが、 実のところ、あれはあまり痛くもないし、 たいした深手でもないですよ。 同じところ何度も切ってるとだんだん体の方が慣れてきて、 すぐ血が出せるようになるですよ。 もともと血の気も多かったですよ。 こう毎回血ぃ出してると、 試合がない日はなんだか調子が悪くて、 ついにこないだひとりで献血にいったですよ。 そしたら腕は太すぎて針が通らないとかで、 頭から血ぃとられたですよ。

【プロレスの絵本】第10話 会場によって善玉と悪玉を使い分ける パンプス兄弟談

兄「旅から旅の毎日さ。花束くれる街もありゃあ、   石投げられるとこもある。   ある日、試合中に自分が今日善玉だったか悪玉か   分かんなくなっちまってな。   かかってきたんで思わず相手に目つぶし食らわしたら、   どうも客の様子がおかしい。   それで気付いたんだ。   『ああ。今日の俺たちは善玉だった!』」 弟「あのときはあせったな。ブラザー」 兄「おう。慌てて相手いたわったりしてな。ハッハッハ…   ん? 兄弟仲良くするコツだって?   外に敵がいてみろ。   

【プロレスの絵本】第4話 トレーニングの鬼、腕立て中

レスラーの一番の仕事といやぁ体鍛えることよ。 たとえばこの腕立て。 腕を支えに体を上下さすなんてなあ回数が足りねえ。 やってるうちに床の方がだんだんてめえに迫ってくる。 それを無理矢理向こうへ押し返す。 何度寄ってこようがとにかく押し返す。 そのうちどうにも体が言うこと聞かなくなってくる。 けどそこで負けちゃあ、しめえよ。 そこから先はただ「てめえは床に反発する磁石だ」とでも思って、 こんな風に押し返す、押し返す、押し返す…… こうやって鍛えた体だけ持って、みんな裸でリング