見出し画像

本当の鬼はどこにいる?

「…実は…」
彼女はニヤニヤとした表情を浮かべておもむろに語り始めた。
「私の一年で1番の楽しみと言うか。もう、ストレス発散?っていうか」
彼女のニヤニヤは止まらない。

彼女の話はこうだ。

彼女は年に一度の節分がすごく楽しみで、1月に入ると節分が待ち遠しくてウキウキしてしまうらしい。何度も何度もプランを練って、新しく本格的な鬼の面を買う。イメトレして入念に準備を重ねる。当日は旦那さんに子ども達を任せて、物陰から思いっきり驚かせて追い回す。
「徹底的にやるんです」「すっごい泣くけど止めないんです」

ごめん。意味が解らない。

なんて言わなかったけど。

「もうすごい楽しみで。私の一年に一度のストレス発散。楽しい!それに…」
彼女はこう続けた
「1ヶ月はそれでもつから」
そう言ってまたニヤリと笑った。
何か言うことを聞かない時に「あ、いる」「また来るよ」などと匂わせるとピタッとワガママが止まるんだそうだ。

かわいそう…

これも言わなかったけど…。

いや、だって、なんじゃそりゃ?じゃない?
私はそもそも、この節分という文化の中で子どもを怖がらせる意味がイマイチ納得できない。
節分の成り立ちは解る。この最も寒い時期に、寒さや病気の象徴としての「鬼」をやっつける儀式なんよね?春を無事に迎えられますようにって祈りがこもってる。それはいい。
だがしかし、この儀式の中で嬉々としてはしゃいで子どもを怖がらせる必要性が解らないのだ。さっぱり。

「世の中には自分の知らない世界もあって、なんだか解らない怖いものもあるって事を解っててもらった方がいいんじゃないか」いつだったか、テレビで女優さんが言ってた。だれだったかな?
前の職場で一緒だった子育てと家事をメインで担っているパパさんも言ってた。
うーん…解らんでもない…けど。やっぱりそれを教えるために怯えさせる必要あるの?本当に怯えて泣くまでやらないといけないの?

冒頭の彼女の話は極端になんかダメそうな感じの話だけど。(彼女はストレス発散と、言うこと聞かせるためにやってるからね。それを公然と言える神経が更に私には解らないけど…)
でも、こんなストレス発散のためにやってる人って世の中に結構いるの?だとしたら本当に恐ろしいのだけど…ほんまの鬼ちゃいますかね👹

「この世の中には、解らないけれど、怖いものもある」というのは、もしかしたら知っておいた方がいい大事な事なのかもしれない。
解っていることばかりではない。
今回の世界中に起こった新興ウイルスだってそうだ。解らないけど、怖いものだ。そういうものがあると知っておくことは重要だ。
でもなぁ…私はここがどうしても納得できない。それって、人間が作った鬼なんかで伝わるの?無駄に恐怖心だけ煽って、何の役に立つの?

あともう一つ解らない。子どもを執拗に脅して泣かせて、泣いた姿を見て満遍の笑みを浮かべる大人。私がみたのは保育士なんだけど。
あれ、どういう気持ちでやってるの?
ストレス発散じゃなかったらどんな目的、意味があるの?
「可愛いから」
って言って誤魔化すのやめて欲しい。
これが通ったらさ、犯罪者が見知らぬ人に対してナイフ持って脅かして「可愛かったから」って言ってるのもオッケーになっちゃいそうじゃない?
違うの?
この違いが解る人、解るように説明してー。
だって子どもだってそれくらいの恐怖心を持ってるよ。

と、どんなに言ったって、分かり合えないのかもしれないけど。

節分が嫌いなわけじゃない。
泣いてしまう子どもをみて思わず「可愛い」と思って笑ってしまうのも解る。
けれど、わざわざ怖い思いをさせて、執拗に追い立てて、泣かせるという行為に全く正当性を感じないのでした。

大人だって人間で、いつも煩わされている鬱憤が溜まっている。それに無理やり理由をつけてさも良い事であるかのように言いながら、ストレス発散したくなってしまうのだ、と言うならもうそれはそれで正直でいいのだけど。人間が完璧じゃなくて弱いのは解る。
そうじゃないと言うのなら、別の納得できる理由を知りたい。いや、知っても納得できないのかもしれないけれどさ。

子ども服やポケモン・プリキュアの食玩を買います。あと、ねるねるねるね。