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【北海道編】旅の記録 4日目

長く、真っすぐ、どこまでもかのような道。
見えない終わりを見るために、65cmの望遠鏡を覗く。
日の暈が外れないことを願って。

2024年8月 元ニート、俺

目次があったほうが見やすい気がするので、今日も目次を置きます。
文字数も昨日と同じくらいなので、暇なときに読んでみてください。


1.朝と言ったらラーメン

車中泊の経験は数多くあれど、街中にある道の駅に車中泊したことは初めてだったかもしれません。
2023年6月22日は忘れもしない、周りのトラックによるバカでかいクラクションで起きました。確か5時くらいだったと思います。
この時はトラックのナンバーを覚えるほどの恨みでしたが、今ではすっかり忘れています。
この程度の恨みを1年以上持っておくほど、僕は狭量ではないということですね。

そんなわけで、この日の朝食はラーメンです。
というか、らぅめんです。

ラーメンオタクに教えてもらったと思うのですが、旭川のラーメンと言えば、旭川らぅめん青葉だそうです。
9:30から開店しているのは、旅している身分としては非常に助かります。

お店の近くに駐車場がないらしいので、歩いて向かいます。
昨日も歩いたこの道ですが、ゆっくり歩くとちょっとした発見がありました。

歩道が広いのと、歩道から車道までに謎のスペースがある。
北海道はこういうところも含めて、めちゃくちゃ広いなぁ。
言われなくても見ればわかるくらいの中央分離帯。
なんでこんなこと書いてんだろ。

いずれも、雪がないから用途がわかりませんでした。
歩道から車道までの空白は、除雪した雪を置く場所であり、
雪のせいで路面が見えないから中央分離帯をわかるように表示するんだろうな、という想像をしました。
たぶん当たっていると思います。

お腹空いたので、セコマの牛乳。
とっても美味しいです。
到着!

歩くこと約20分くらい。
開店時間の10分ほど前に到着したのに、結構な人数が並んでいました。

開店時間まで待っていると、店主らしき人が出てきて、注文を取り始めました。
いや、厳密には注文の前に、出身地と来店回数を聞かれました。
根性と精神がネジくれた僕は、思わず生まれた土地を答えそうになりましたが、常識的に考えて今住んでいる場所のこと。
仙台です!と言いたい気持ちを抑え、「大阪からです、初めてで。」と言ってしまいました。痛恨のミス。
注文しようとしたら「初めてなら醤油らぅめんだな!」と、決めつけてきましたが、腹減りな僕は「あ、醤油チャーシュー麺の普通盛りとライスで」と訂正しました。
「ちゃんと醤油やんけ!」みたいなことを言われましたが、チューシュー麺でお願いしますね…??

僕の後ろにはカップルが並んでいたのですが、女性だから塩にしなさい!みたいなこと言ってました。
なんというか、非常にクセの強い感じの方でしたね……

入店し、着丼までの間にもいろいろと話をされました。
僕としても話をすることは好きなので構いませんが、一人で黙々と食べたい人にはしんどいんじゃないか…??

などと考えてたら、5分と待たずに着丼。

ビジュアル良好!!!

縮れ細麺に醤油感しっかりのスープ、大変美味でした。
なんていうか、味がしっかり美味しかったはずなのに、クセ強店員だらけで、そっちの記憶しか残っていませんでした。

車への帰り道、なんかちょっとクスッときた看板。

レッツゴーカレー!
ウマイ!ハヤイ!カラーーイ!!

テンポとテンションが最高でちょっとワロタwww

2.旧添牛内小學校

朝ごはんをしっかり食べたところで、今日の目的地の一つ目に向かいます。
オロロンラインをずーっと北上し、日本最北の天文台「初山別天文台」へ行くというのが、この日の最終ゴールの予定です。
そこへ行くまでに、なんだかおもしろいところを発見したので立ち寄る計画です。

オロロンライン、パノラマ撮影で。
本当に真っすぐすぎるほど真っすぐな道なのに、めったに車とすれ違わない。
北海道走ってると、どこでも真っすぐな道がある。すげえな北海道。
何やら1978年に-41.2度を記録したらしい。すげえな北海道。
気象庁の公式記録の対象から外れてたらしいけど、すげえな北海道。

見るもの全部に「すげえな北海道」となっていたら、目的地に到着していました。

……これ、小学校?マジ??

これが学び舎かと思いきや、しっかり公民館って書いてありました。
設定していた場所が間違えていたのか、本物はもう少し先です。

ほとんど読めないけど、添牛内小学校って書いてある。
こっちは、まぁ読める。
草生していて、手入れする人はいても頻度が低いのだろうな、ということが伺える。
全国どこの小学校にもいる、勤勉たる象徴・二宮金次郎像。
ただ、残念なことに勤勉たる左手が破損していた。

この奥に校舎があったのだろうが、今では取り壊されている。
少し調べてみると、大正3年(1914年)4月に開校し、平成12年(2000年)までの86年間、地域の学び舎として機能していた。
大正3年て。1914年は第一次世界大戦の年じゃないですか。
100年以上も前に開校した校舎の一部が残っているだけでも、やっぱりすげえな北海道。

奥に進むと、謎の施設が。
割と綺麗だし、ここは現役か?
はい。廃墟でした。
うっすらと、コミュニティセンターって読める。

内部をじろじろと覗きましたが、人がいる気配がなく、ドアも施錠されていました。
一部の窓が解放されていたのですが、不法侵入になってしまうので、覗き見てすぐに撤退です。
なんというか、もうちょい校舎とかが残っていたらよかったのに、とも思ってしまいました。

3.恐怖の朱鞠内湖!!

朱鞠内湖は、日本最大の人造湖だそうです。
できたきっかけが人造だろうが天然だろうが、綺麗なものを見たいという欲求だけで僕は動き回ります。

道中、また変なものを見つけてしまいました。

これだけ妙に新しい建物。
駅舎らしいけど、わからん。
なんでケーブルドラム落ちてるの!?電気工事屋さんじゃなきゃ使わないでしょwww
裏口。
やっぱりわからん。

調べたところによると、この添牛内駅はJR北海道の深名線という、1995年に廃線になった線路の駅舎のようです。
昭和6年、1931年に開業した駅舎ですが、廃線になってからもずっと保存されていたそうです。
しかし経年劣化により現状のままでの保存が難しくなったため、クラウドファンディングを立ち上げ、2022年に再建したということのようです。
というか、廃線になってから30年近くも保存できてたのって、すげえな北海道。

Wikiで調べることが多いのですが、面白いことも記載されていますね。
1992年、廃線の3年前には1日の乗降客数が平均2人という記録が残っているそうです。
この辺りには民家がなかったため、なんとなく納得せざるを得ない結果かなぁ、と思いました。

ふと空を見上げると、ハロができていました。
太陽の周りに虹のような光の輪が現れる現象で、暈(かさ)や日暈(ひがさ)とも呼ばれます。
なんかいいことありそうですね。

ここから車を走らせること少し。
着きました、朱鞠内湖です!

展望台らしきところから撮影。
写真じゃわからないけど、めっちゃ綺麗だった。
おぉ、いいですねぇ。
植生が天然の湖とはちょっと違う気がしますね。気のせいかもしれませんが。

そんな風にのんきに散歩してたら、こんなヤベー張り紙発見。

熊出没「中」!?中ってなに!?

注意じゃなくて「出没中」!?
この日は6月22日なので、約2週間前くらいに出没したらしいです。

これは完全に僕の調査不足だったのですが、2023年5月、ここ朱鞠内湖でヒグマによる人身事故があったそうです。
話の詳細はガチめにえぐいので伏せますが、6月6日に目撃された熊は、おそらく5月の熊と一緒だろうということでした。
この時点ではまだ駆除できていないそうで、朱鞠内湖に隣接しているキャンプ場の管理人からは「早めに帰ったほうがいいよー」と言われました。

言われんでもすぐ帰るわ!!!!!!

4.目的地までに見つけたアレコレ

熊の被害は車に乗ってれば大丈夫だろうということで、一目散に車に乗り込み、目的地を設定しないままに走り出しました(本当)。
来た道を戻るだけなので、方向音痴の僕でも余裕です。というか一本道なので、間違えようがありませんでした。

人界というか人里に降りてきたので、初山別天文台を目的地に設定し、再び車を走らせます。
その間に見つけたものを、軽く紹介していきます。

4-1.霧立峠

普通の道だと思ってたら、北海道的には峠道でした。
頂上で387m、まぁまぁ低め。

4-2.羽幌廃坑

炭鉱というか廃坑って、めちゃくちゃロマン感じませんか?
日本の高度経済成長の象徴でもあり、当時から使用されている技術の姿かたちは変わっても、同じ原理で使用されているという、時間を超越したロマンを感じます。
(僕自身がプロセス・機械制御系の技術職だったことも関連するかもしれません)
これはきっと僕だけじゃないはずです。そうじゃなきゃ軍艦島とかがあんなに流行るわけないですもんね。
九州旅している際、万田坑と池島という、炭鉱で栄えた町にも行ったことがある程度には、ちゃんとした炭鉱好きです。
興味のある方や暇な人は、こちらもどうぞ。

コンクリート打ち放しっていうのが、なんかこう、そそられるよね。
中も草生しています。
やっぱ廃坑はこうでなきゃ。

下には石炭を運ぶための台車が用意され、上に設置されているホッパーから石炭を排出していたんだなぁと、充填工程が想像できるような造りですね。
閉山する際、竪坑はつぶしたのでしょうか。見当たりませんでした。
もっとも、あったとしても入る気は起きません。
換気してない閉所なんて、酸欠で倒れてしまいますからね。

引きで。
さっきの写真ではわからなかったけど、めっちゃ斜面に建造されていたようです。

4-3.羽幌町立光洋小学校

国道232号、通称オロロンラインを走っているときに見つけた謎の廃校。
廃坑から廃校を紹介するなんて、シャレが効いてますね。そうでもないですか?そうですか。

生い茂る草の向こうに見える、ピンクの校舎。
たぶん、こっちが校門だと思う。
目を凝らすと下駄箱のようなものが見える。
その近くにあった納屋というか倉庫というか。

北海道にはいろんなところに人がいた痕跡(≒廃墟)があるんですが、そのどれもが比較的綺麗な状態を保っているんですよね。
過去に見てきた廃墟は人がアクセスしやすいこともあってか、荒れに荒れているところが多いイメージでした。
道産子は廃墟に落書きしているような悪い子はいないんでしょう。知らんけど。

4-4.オロロン鳥

オロロンラインを走っていると、こんなヤツを発見しました。
オロロンラインの名前の由来となった海鳥、オロロン鳥のようです。

くちばし以外はペンギンみたい。
サンセット王国って、日本海側の海沿いは大体そうやろ。

小ネタはこんな感じでした。
北海道は走っていると、至るところに小ネタが落ちているので、とても飽きませんでしたね。
1年以上ぶりにこうやってnoteを書いていると、懐かしくなってもう一回走りたい気持ちになってきました。

5.初山別天文台

この日の一番の目的というか、北海道最大の楽しみと言っても過言ではない施設、それがここ「初山別天文台」です。
日本で最北に位置する天文台ということで、僕の中で有名です。
普段住んでいる大阪とは違う星空が見えるため、非常に楽しみですね。
いざ、天文台!!

到着しました、初山別天文台。
正式には「しょさんべつ天文台」って、ひらがななんですね。
しょさまるかわいい!!俺の推しメン!!!!!!
なんだかちょっと、変な天気……
星、見れるんかなぁ。
海の上に浮かぶのは、利尻島の利尻山です。
利尻富士とも呼ばれ、なだらかな裾野が特徴的な山。
なにこの時計!超カッコいい、ほしい。

この時計について調べても全然出てこないので、知ってる方いたら情報待ってます。本当に欲しい。
たぶんだけど、星座盤みたいになっているのかな。とは言えこのサイズを持って外へ行くのは現実的じゃないので、インテリアでしょうね。
最高のインテリアじゃん。

館内を登っていくと、ようやく会えました。
天体望遠鏡!!!

65cmはレンズのサイズです。バカでっけぇ。
でかーい!すごーい!

でかいレンズに小さいレンズが付いていますが、これが単眼鏡と呼ばれるものです。
概ね5~7倍くらいのズームって聞いたと思います。
天体望遠鏡はめちゃくちゃ遠くを見れる分、肉眼で見れる範囲のすっごい狭い範囲しか見れません。
そのため、目的の星を見ようと思ったらめちゃくちゃ大変になります。
それを補助するための役割を果たすのが、付属の単眼鏡です。
単眼鏡を使用して、見たい星をざっくり真ん中に見えるように合わせてから、天体望遠鏡を微調整して目的の星を探す、という手順を踏むわけです。
星座を見るだけなら、倍率の低い単眼鏡のほうが優れています。
こうやって一つ一つ、星空に対する知識が増えていくのは、なんかこう、ワクワクしますよね!?

ちなみにこの日は曇りで風が強いため、天体観測は中止になりました。
冗談抜きで一番楽しみだっただけに、本当に残念でした。

次に行くときは、星が見れるまでキャンプします。
そういえば、キャンプ場併設してる天文台ってほかにもあったような気がします。
星空キャンプ、いつかやりたいですね。

天文台のすぐ近くにあるキャンプ場。
北海道の6月はトップシーズンな気がするけど、ご覧の通りかなり余裕のある感じ。
曇りの隙間から見える光、エンジェルラダー。
今日は天気に恵まれなくても、こういう現象には恵まれた一日だったな。

6.一日の終わり

しょさんべつ天文台からさらに北上し、この日は道の駅 えんべつに車中泊です。
晩ご飯をどうしたのか記録にも記憶にもありません。
時間も地味に遅かったので、たぶんセイコーマートの弁当だったような気がします。そんな気がしてきました。
その証拠に、この日は社内で少しだけ飲んでいます。

北海道限定の宝焼酎・大自然。

この手の焼酎はクセがないため、お茶割に向いていると思っています。
たぶんお茶割で飲んでたと思う。きっと。

車内でお酒を飲むという背徳感と共に就寝しました。
翌日も「最北の地」へ行くので、楽しみです。

だいたいの移動経路
どこに何があるか、ってのを振り返りやすくした。
上の画像と距離が違ってるのは謎。

4日目移動距離:267.6km
総走行距離:642.1km

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