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レース模様の図書室、再訪

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霧とリボン企画展《レース模様の図書室、再訪》|2021.4.22〜30|少女たちは或る日、レース舞う図書室への扉をふたたび開ける——オンライン・ギャラリー「MAUVE CABIN… もっと読む
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レース模様の図書室、再訪|維月 楓&霧とリボン|架空のアブサン酒《F203》

TextKIRI to RIBBON  菫色の図書室への再訪も今日が最後——もうすぐ閉じられる扉を想いながら、新緑の中を歩いてゆきます。  どこからともなく、花々の香りが漂ってきました。香りは風に乗って消えてはまた現れ、図書室への道を一緒に楽しんでいるかのよう。  厳かな気持ちで扉を開け、入室します。花々の香りはいったん古い書物の匂いの中に消えてゆきましたが、ある書架の前で、ふたたびその香気を濃く深くするのでした。 * * *   アメリカの詩人の詩集が並んだ書

レース模様の図書室、再訪|金田アツ子《2》|Rosa damascena

TextKIRI to RIBBON  図書室の終幕が近づいてきました。  名残惜しい気持ちで書架の間に佇んでいると、少女たちがひとりまたひとりと、閲覧室の方に集まってゆくのが見えました。図書室の少女たちに、贈り物が届いたようです。    また会う日までのはなむけとして、植物を愛するこころやさしき温室の主が届けてくれたもの——  薔薇色の薄紙をそっと開封してみましょう。 * * *  レースを編むように、少女たちとの美しい思い出を花びら一枚一枚に編み込んだ金田アツ