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レース模様の図書室、再訪

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霧とリボン企画展《レース模様の図書室、再訪》|2021.4.22〜30|少女たちは或る日、レース舞う図書室への扉をふたたび開ける——オンライン・ギャラリー「MAUVE CABIN…
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#人形

レース模様の図書室、再訪|影山多栄子《1》|図書室の精霊

Text|KIRI to RIBBON  クレマチス・アーマンディの白い香気が過ぎ、花水木の開花と共に草花が煌めきを増す頃——鬱蒼の緑の奥にひとときひらかれる図書室があります。そこは一風変わった図書室。書物と一緒に、書物と暮らしてきた少女たちの営みが、レース模様に編まれて並んでいます。精霊たちも住んでいるようです。  1年の時を経て、ふたたび扉の前に立ちました。あの日と同じように、小鳥の囀りが聞こえてきます。  季節は巡り、様々な物事が移ろい、変化を余儀なくされる中、少女

レース模様の図書室、再訪|影山多栄子《2》|誰かのお人形、誰かの忘れ物

TextKIRI to RIBBON  雨の一日になりました。  図書室の菫色はいっそうグレイッシュに落ち着き、時間もゆったり流れています。いつも聞こえる少女たちの囁き声もなく、図書室には雨音だけが響いています。  少女たちのいない図書室を訪ねてみましょう。 * * *  英国文学の書架に置かれたままのお人形がありました。  いつ、誰が置いたのか、誰の持ち物なのか——ある時ひとりの司書が持ち主を探すべく、古い関係者にもあたって調査したことがありました。しかし、お