なかざときり

観る将ライターなかざときりが将棋コラムを書いていきます。

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今女流棋界を見ていないことを、後悔する日が来る。(1)二強の時代

女流将棋界は大きな盛り上がりと共に、転換期を迎えようとしている。その象徴とも言えるのが、ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦の創設だ。先日山崎隆之八段のA級昇格争いに絡めて順位戦について書いたが、やはり男性棋士にとって月一回骨身を削って星を奪い合い、道の果てに名人の座を見る順位戦は棋士生活の背骨とも言える重要な対局だ。 そんな全棋士参加のリーグ戦を年間をかけて戦い、頂点を目指すタイトル戦の女性版=白玲戦が今年ついにスタートした。初年度を勝ち抜いた1位と2位のふたりが、初代白玲の

    • 山崎君はA級八段になれる男です──村山聖

       将棋棋士、山崎隆之。通称“山ちゃん”にどんな印象を持っているだろうか。さわやかな好青年然としたイケメンではあるが、トークは軽妙。若い頃は「西の王子」と呼ばれていた。聴く者がハラハラするようなジョークを飛ばすことも多いが、その毒がもっとも発揮されるのは自虐の時である。放送対局の解説で山崎八段がひたすら自虐で笑いを取り、聞き手の女流棋士を困らせていることもある。  そんな山ちゃんの調子が最近、いい。第79期名人戦・順位戦B級1組において、目下9勝1敗。2月4日久保利明九段戦、

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