見出し画像

夢理の杜 ep.1

2021年8月〜東京都青梅市で「夢理の杜」という名で活動を始めた。

始めたきっかけは、三鷹で鍼灸の治療院をしている先生(この人の勉強会に大学3年から通ってる)に
「青梅市に40年放置された農地がある。もしよかったらそこの管理人になって畑をしたらどうかな。」という提案からだった。当時の私は、やっとバイトが決まりかけていた時期で、ほぼ何もしていない人だった。楽しそうってだけで2つ返事で受けることにした。

それまでの私は、紆余曲折を経て、ほぼ引きこもりの生活をしていた。そんな生活の中でも、誰かのために何かをしたいという思いはあり、だけど何処から手をつけて良いのか、何をすれば良いのか、まず自分の出来ることは何なのか、ということで頭がいっぱいだった。(まずは日本の現状を知り、不足している部分と自分の得意なことが重なるようなものがあれば、と思い色々調べていたら、日本に闇がありすぎることに気づき未来に絶望していた時期でもある。)

その状態でのオファーだったため、断る理由もなかった。
私も何か出来るかもしれないと思った。

そして、そのオファーの約3ヶ月後には今暮らしている青梅市に引越すことになる。

2021年7月31日、入居前日。
不動産に部屋の鍵や仲介手数料の支払いで青梅市に訪れた。

不動産で鍵を受け取り、引越しの荷物を置くくらいなら部屋に入っても大丈夫と言われたので、予め用意した荷物を引き、アパートまで向かった。

真夏のカンカン照りの日だった。
アパートについて、すぐにクーラーをつけた。
窓にはまだカーテンもなくて、でも外からの光で部屋が明るかった。

部屋で少し休憩をしてから、畑の場所は知ってるけど、アパートから畑までの道のりを知らなかったので、歩いて行ってみることにした。

2021年7月31日の空。暑かった。

携帯の地図だと徒歩10分ほど。
余裕で歩いて来れる距離だなと、実際歩いてみて思った。

畑は40年放置されていたところのため、草が好き勝手生えて、一部は私の背丈の倍くらいの大きさだった。記念に写真を撮る。

草すぎ

畑なのかもわからないな、と思いながら来た道とは違う道で帰ろうと歩き始めた。

そしたら、数十メートル先に、畑作業の休憩中のおじちゃんが見えた。目線を感じる。すごく目が合う。話しかけたほうが良いのかな?と思って歩いてたら「こんにちは」とおじちゃんの方から声が聞こえた。

顔を見たとき、良い人そうだと一瞬で感じた。

「写真なんか撮ってどうしたの」と言われたので、あの場所で畑をするため越してきたと話したら、「畑は大変だけど、楽しいから頑張りなー」と言ってくれた。

「楽しいから頑張って」って素直に言える大人は珍しいなと思った。多くの人は、「えー!大変だよ?大丈夫?続けられる?」って言うだろうなと思いながら、これからお世話になりますということと、お名前を聞いてアパートに戻った。

そして、翌日が入居日だったため、この日は実家に帰り、翌日の2021年8月1日から青梅での生活が始まった。

結局このおじちゃんは、とても良い人で、この日以降、今でも仲良くしている。野菜を分けてもらったり、私はお菓子をあげたり、筍掘りに一緒に出かけたり、青梅で1番仲の良いおじちゃんになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?