30年ぶりに母と同居し、そして同居を解消した話

私の両親は離婚している
母と一緒に住んだのは5才まで。
私たち兄弟は父に育てられた

大人になり、私は結婚し、子どもを産んだ。
その後父が亡くなり、
色々なタイミングが重なり、
30年ぶりに母と同居する事になった。

私自身、5才までの記憶はほぼない。
甘える事も、
反抗期でぶつかる事もしてこなかった娘と、
30年間ひとり暮らしをしてきた母との関係性はどこかぎこちなく、
なんともいえない距離感だった。

仕事をしながらマイペースに暮らしたい母と、仕事はせずに家の事をしてほしい私。

順序立てて予定通り進めたい母と、
突発的な事が起きた際の対応を求める私。

そして、その埋められない溝は、
私だけでなく、夫のストレスの原因になり、
そして限界を迎えた。

うまく立ち回れなかった後悔と、
母に対する罪悪感でいっぱいだった。

良くも悪くも、常識にとらわれない母は、
新しい地で仕事を見つけ、
そして住まいも見つけた。

我が母ながら、
その行動力には驚くばかりだったが、
と同時に、どうせもう年だし、無理だろうと
決めつけていたのは他の誰でもなく私だった。

引越しの準備をしに来た母は
とても晴れ晴れしていて、
幾つになっても好きなことができると言った。

30年ぶりの同居は、結果5年間だった。
一緒にいると不満ばかりだったが、
5年の間で、たくさん甘えさせてもらったし、
かなり遅れた反抗期もさせてもらった。

母の新しい生活が充実した日々であるように、
見守りつつ、母に感謝して、
私自身も充実した日々を過ごせるように。

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