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少し前に読んだ本

上田秀人

往診―表御番医師診療禄〈6〉
大奥で密かに進められていた陰謀を未然に防いだ御広敷番医師の矢切良衛は、その褒美として将軍綱吉より、長崎への医術遊学を許された。同時に寄合医師に昇格した良衛は、自らの医科を休業し、医術を究めるため江戸を発つ。一方、幕府内と大奥では、良衛の出世と遊学を利用せんとする策謀が―。道中の良衛をつけ、接触する女の伊賀者。さらに箱根の峠に入った良衛たちに、謎の刺客たちが襲いかかる。

研鑽―表御番医師診療禄〈7〉
最新の医術を求め、江戸を発った幕府寄合医師の矢切良衛は、ついに目的地の長崎へ到着した。薬種問屋の心遣いで、初めての卓袱料理を堪能した良衛は、翌日、長崎奉行の川口宗恒に出島への出入りを願い出るのだった。一方、大奥では、綱吉の世継ぎ問題から、良衛の医術遊学の成果を待ち望む者たちが、暗闘を繰り広げていた―。出島で医術を学ぶ良衛をつけ狙う怪しい影。果たして良衛は使命を果たせるのか。

乱用―表御番医師診療禄〈8〉
長崎で最新医術を学ぶ幕府寄合医師の矢切良衛の許に、遊女屋の女将が駆け込んできた。浪人たちが良衛の命を狙っているというのだ。小者の三造とともに、浪人たちを迎え撃った良衛は、一人を生け捕りにし、長崎奉行に引き渡すのだった。一方、大奥では、将軍綱吉の側室であるお伝の方が、自らの不妊に関する疑念を綱吉に訴えるが―。江戸と長崎で良衛の医術の成果を狙い、張り巡らされる策謀。剣豪医師にかつてない危機が迫る。

秘薬―表御番医師診療禄〈9〉
長崎での医術遊学から戻った寄合医師の矢切良衛は、江戸での診療を再開した。だが、和蘭陀の産科の秘術を期待される良衛は、将軍綱吉から直々に、大奥の担当医を命じられることに。一方、奥医師の清往は、良衛が持ち帰ったとされる秘術を奪おうと、権力を笠に着て、あらゆる手立てを仕掛ける。さらに良衛を狙う者は、一人だけではなかった―。将軍の寵姫を懐妊へと導くため、奔走する良衛に様々な障害が立ちはだかる。


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