28年前
あのニュースを私は九州の自宅で知った。
その3週間前の年末、同居の義祖母が倒れそのまま帰らぬ人となった。
元気だったので、あまりに突然のことにみんなアタフタした。
翌日にお通夜、翌々日に葬儀、その翌日にお寺にお参りを済ませ、近所に住む親戚が帰ると数時間後には新年になろうとしていた。
その後、私と義母は風邪をひき交代で熱を出したが初七日には回復して無事終えた。
お通夜の前に来てくれて裏方を手伝ってくれた母は葬儀が終わると大阪に帰った。
入院している祖父の容体も良くなかった。
数日後、「おじいさん、ちょっと良くなったよ」と連絡があったものの、2日後に旅立ってしまった。
今度は祖父の葬儀の為、夫と2人で大阪に向かった。
お通夜には間に合ったものの、私はそこでまた熱を出してしまい早々にホテルに移動した。
夫はその後九州に戻り、私は数日実家で過ごしてから九州に戻った。
阪神淡路大震災が起きたのはその2日後だった。
テレビを見て足がすくんだ。
関西は地震は無いと言われていた。
信じられないことが起きていた。
母に電話をした。
すぐには繋がらなかった。
やっと連絡がつき、みんな大丈夫だと聞きホッとした。
「あんたがそっちに帰ってて良かったわ」と母が言った。
尼崎にいる叔父が被災したが、ケガなどはなかったようだった。
毎年、このニュースを見る度にあの年末年始のダブル葬儀のこと、九州に帰る日に目覚めた時の実家の様子を思い出す。
あれからいつの間にか28年も経っていた。
「通電火災」は阪神淡路大震災を教訓にされていると聞いたことがある。
過去から学び、明日に生かしたいものだが、出来れば災害など起こらないことを祈るばかりだ。
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以前、祖父の旅立ち前の現象のことを書いたものです。
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