見出し画像

パチンコ業界の課題と解決策を考えてみよう

こんにちは。

本日は、「パチンコ業界の課題と解決策」についての投稿をしたいと思います。


1.苦境に陥るパチンコ業界

まず、こちらの記事をご覧ください。

パチンコ業界に今、異色の「増資ラッシュ」が到来している、という記事です。

直近では、2023年11月、東証スタンダード上場のゲームカード・ジョイコホールディングス(HD)が、行使価額修正条項付き新株予約権(通称「MSワラント」)の発行を決定し、調達する資金によって、新製品の開発やM&A(合併・買収)などに充当するようです。

しかし、MSワラントによる資金調達の方法は、1株当たりの価値は希薄化するため、投資家からは「悪魔の増資」と嫌われいます。

背景としては、パチンコ業界の企業が、そのような資本調達に頼らざるをえない状況にまで追い込まれているからです。

実際、2023年では、複数のパチンコ関連メーカー(藤商事が23億円、マースグループHDが72億円、マミヤ・オーピーが23億円)がMSワラントの発行を決めており、業界のトレンドになっているようです。

また、パチンコ業界の苦境を象徴するような出来事として、パチンコホール大手のガイア、および、ガイアのグループ会社6社は2023年10月30日に、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。

帝国データバンクによると、ガイアのグループ7社合計の負債は1,133億円(ガイアの負債は850億円)に上り、パチンコホール運営業者として過去最大規模の倒産となったそうです。

実際、パチンコ業界全体としても市場規模が縮小しており、例えば、パチンコホールの売上高は、年々、右肩下がりとなっています。

アフターコロナで、若干、回復していますが、長期的な視野で見ると、今後も、市場規模の縮小は免れないでしょう。

苦境に陥っているパチンコ業界に一体、何が起きているのでしょうか?

そこで、本記事では、パチンコ業界が抱えている課題、および、その課題を解決するための施策について、話したいと思います。


2.パチンコ業界における課題

現在、パチンコ業界は、どのような課題を抱えているのでしょうか?

私は、次の3つが主な課題だと考えているので、順番に見ていきましょう。


(1) 参加人口の減少
1つ目は、参加人口の減少です。

パチンコ参加人口(1年に1回、パチンコに参加する人の数)は、年々、減少傾向にあります。

パチンコは一般消費者向けの遊技サービスですから、消費者にパチンコに参加してもらわないと、売上が立ちません。

このグラフを見る限り、パチンコ業界が苦境に陥っていることが、容易に想像できます。

では、なぜ、パチンコ参加人口が減っているのでしょうか?

理由は複数ありますが、1つは「消費者にとって、パチンコ以外にも余暇時間を過ごす手段があるから」ということが挙げられます。

近年は、パチンコ以外にも、他のギャンブル、ゲーム、飲食、スポーツ、趣味・創作、観光・娯楽等、様々な余暇産業があります。

また、下記のグラフには乗っていないですが、You TubeやNetflixといった動画配信サービスもありますね。

ただでさえ、忙しくなっている現代人において、余暇時間を過ごす手段が分散されてしまい、パチンコに費やす時間が無くなっていることが考えられます。

また、若年層、特に女性離れも、パチンコ参加人口の減少に影響しています。

下記は、2020年と2022年のパチンコ参加人口を比較したグラフですが、60歳以上は45万人の減少である一方で、18歳~29歳/30代の若年層は82万人も減っています。

また、過去1年間に1回以上「パチンコ」を遊んだ人の割合を表す行動者率について、全体として行動者率が減少傾向にあるだけでなく、男性に比べて、女性は2021年に2.5%に至り、女性のパチンコ離れが顕著になっています。

更に、パチンコに参加したことがある消費者にアンケートを取ったところ、今後も、パチンコを利用し続ける意向について、やはり、女性は男性よりも消極的であるようです。

このように、若年層、および、女性のパチンコ離れもパチンコ参加人口の減少に大きな影響を与えていると考えられます。


(2) 利益が少ないビジネスモデル
高い利益をあげることができないビジネスモデルであることも、パチンコ業界が抱えている課題の1つとなっています。

こちらのグラフは、ダイコク電機株式会社が出したDK-SIS白書による、パチンコ産業の売上高、および、粗利益の推移です。

ご覧の通り、粗利益は低水準、かつ、年々、緩やかに減少傾向となっていることが見受けられます。

ここから先は

3,132字 / 8画像
この記事のみ ¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?