おかみ修行その9

喜楽屋おかみ修行 その9 お弁当にしましょ。

春になると書店に、図書館にお弁当つくりの本が所狭しと並べられます。
我家にもこれから幼稚園へ通うであろう娘がおりますので、まず手にとってペラペラとながめるのは「園児のおべんとう」です。
すごいです、絵本のようです。
アンパンマン、キティちゃん、お花や動物。
食べるのが惜しいくらいです。

ここまでくると、もう芸術ですね。
自分のこどもの頃のお弁当を思い出してみますと、8割かたご飯だったと思います。
そこにしょうゆと砂糖で味付けをした卵焼き、ウィンナーやソーセージ。
他にもあったのでしょうが、記憶にありません。

小学校は給食で中学校になるとまたお弁当が始まりました。
入学も間近のころ「わたしは自分でお弁当を作ろうかな」となにげなくそんなことを言ったらしいのです。

しばらくすると近所のおばさま方に
「由美ちゃんはえらいねぇ。感心だねぇ、自分でお弁当作るって?」えっ!?
母が同級生のお母さんやご近所にふれて回り、結局後にはひけず、その後高校を卒業するまでの6年間朝の日課になってしまったのです。
母の作戦勝ちです。ですから「母のお弁当」という思い出があまりありません。

4歳ちがいの兄が「弁当のふたを開けたらさ、“もち”が入ってんだよ。磯辺だよ。さすがにびっくりしたよ。でも冷たくて硬くなったもちも以外に美味いんだ」と母の弁当の思い出を語っていました。
笑いながら少しうらやましい気もしました。

そして、我家でも先月から昼は“お弁当”になりました。
以前は昼時になると台所へ行き食事の支度をし、交代で食事をして後片付けとなんとなく気ぜわしく、落ち着きませんでした。
ためしにお弁当にしてみたのです。
全員そろってお弁当箱のふたを開けていただくと、たいしたおかずでなくとも美味しく感じられるものです。
家族にも好評です。
(改めて感想は聞いていませんが、私はとても楽チンなので今後も強行します。)

父はかつお節の弁当に「なつかしい味だねぇ」と。
主人は海苔弁当が大好きです。
だんぜん海苔弁、毎日海苔弁、2段になった豪華な海苔弁です。
娘はアンパンマンの焼印のある高野とうふが大のお気に入りです。
「今日はアンパンマンのおとーふ、あるかなぁ」とふたを開けて中を確認します。毎日この“高野とうふ”でも問題がないようです。
一つに執着するところは父娘かな・・・と思ったりして。

そもそもこの「弁当」は織田信長の時代、人数分の食料を用意する「人数に当てて食を弁する」からきているとか。
先日TVで弁当を科学的に分析してました。
作ってから5時間すぎた頃に食べて美味しいのは薄味のものとか、お寿司のような酢飯は時間がたってもおいしいとか。
この春「弁当」を改めて見直しております。


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平成16年(2004)4月22日 やすらぎ通信第九号より
娘が幼稚園に上がる頃の記事です。
今でも娘はお弁当を持って元気に学校に行っています。

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