おかみ修行 その3 お仏壇は小さなお寺
7月某日、故石原裕次郎さんの十七回忌ということでTVの特別番組をなにげなく見ていました。(年月が経つのは早いですね。)
裕次郎さんの思い出を語るまき子夫人、その後ろにドドドーンと鎮座するお仏壇、部屋の壁一面という感じです。
「うわぁ!みてみてこの仏壇!」やや興奮気味に隣の主人をつつくと、
「あぁ、これ、○○でつくったお仏壇だよ。屋久杉なんだ。ウン千万円はするらしいよ。当時は業界でよく話題になったよ。」
ひょえー!!ウン千万円!!すっかりムンクの叫び状態になってしまった私です。すごいわねぇ、の連発でした。
という事で?
今回はお仏壇のはなしを少しだけします。
(詳しいことは"仏具の世界"におまかせするとして。)
この店に嫁いできて間もない頃ですが、店に並んでいる仏壇を前にして主人が「仏壇ってね、お寺を小さくしたものなんだよ」と教えてくれました。
「えっ!?お寺?」そんなこと初めて聞きました。
考えた事もありませんでした。
生まれ育った実家にも古くから仏壇はありましたから、物心ついたころから見ていましたし、私自身20歳の時に母親を亡くしているので、仏壇そのものは毎日の生活の中でとても身近にあったわけです。
けれど、そういった仏壇の本当の意味を分かっていなかったので、時々お茶やお線香などを供えるときに
「この黒い仏像(この仏像は2年ほど前に修復してもらい見違えるほどキレイになりました。この話はまた改めて)よりお母さんのお位牌が真ん中の方が良くない?」とか
「この中にお母さんの写真いれてもいいのかなぁ」など考えていたりしたのです。仏壇は亡くなった身近な人を中心に供養するものだと思っていたのです。
ところがです。「お仏壇は小さなお寺」というじゃありませんか。
なんだぁ、そうなんだぁ、ご本尊様を中心にして供養するものなんですね。私の母もご先祖様たちも皆ご本尊様に導かれて仏になったわけですから。
そう考えると仏像や位牌や仏具が置かれる意味も合点がいって、小さな疑問もなくなってすっきりさっぱりしました。
それからというもの、仏壇に向かって手を合わせるときの気の持ち方も以前と少しかわってきたような気がします・・・。
ついつい我がことが先に先にと考えがちですが、もっと広い視野で考えないといけないかな?なんてほんのちょっとだけ思ったりして・・・。
勉強になりました。
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平成15年(2003)9月1日 やすらぎ通信第三号より
作品中に出てくる「仏具の世界は」店主の私、小山雄大がやすらぎ通信に掲載していた仏壇仏具に関するあれこれを書いた作品です。
こちらは当店のホームページより一部ご覧頂けます。
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