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#KuToo は闘い方を間違えてるのではないだろうか。(6/19追記/訂正あり)

キラ子です。恥の多い人生を送って来ました。

さて皆さん、#KuTooってご存知でしょうか。この10日ほどで、テレビやマスコミの報道で初めて知った、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは簡単にいうと「職場で女性にヒールのあるパンプスを『ルールとして』強制させないで!性差別だ!」というムーブメントです。

きっかけとなったのは元々グラビアアイドル出身で、その後女優活動をしている石川優実さん。彼女が2018年の冬に葬儀場でアルバイトをしようとしたとき、5cm以上のパンプスを履くことという規則に従って履いてみるとまあ痛くて大変! 基本、立ち仕事ですからね。そのことをTwitterに愚痴ったところ共感する女性がとても多く、そうして#KuTooのハッシュタグは生まれました。

靴、苦痛、そしてMeTooをかけて「KuToo」とはうまくいったものです。オンライン署名サイトChange.orgで1万9千人(当時)近い署名を集め、2019年6月4日に厚生労働省へ提出されました。テレビなどの報道機関でも大きく報じられましたね。ちなみにこの署名での要望は下記のような内容です。

雇われる立場から上に要望を出すのはとても難しいことです。意見することによって、仕事での人間関係や扱いが不利になる可能性があるからです。なので会社に通達をしてもらい、会社側から「今後は女性のみヒールやパンプスを強制することをやめます」と言ってもらえるような職場環境づくりを目指します。

翌6月5日には国会で立憲民主党の尾辻かな子議員が根本匠厚生労働大臣にこの件で質問。大臣から「女性に職場でヒールやパンプスを強制することは社会通念上に照らして違法とはいえない」との答弁を引き出しました。

この報道を一部報道機関が例によっていい感じに端折って流したことにより、一部国民の怒りにさらに火が点きました。署名運動は続けられており、今やその数も3万人に届く勢いです。世界中でも報道されたらしく、翻訳を見る限りではこれまただいぶ偏った報道をしているところもたくさんあるようですね。「日本はこんなに遅れた考えの大臣がいる! ダメだ!」みたいなものから「男もヒールを履いて働け!」と怒るものまで様々です。ベルギー大使館の公式Twitterからも「ベルギー大使館ではパンプスの強制はしません」と賛同のエールが送られたりしています。

ネットでも喧喧愕愕の議論がかわされており、そもそも職場でパンプスを履いてこいなんて強制してくることはあるのか? というものから、男性のスーツだって強制されてるのにそれは助けてくれないのかという男性からの声、また当の石川さんの活動や過去の発言、行動に対する疑問にいたるまで、一部で大いに盛り上がっています。
キラ子はこの#KuTooの活動、というか主張内容については後述しますがおおむね賛成です。どんくさいキラ子は5cm以上のヒール靴とか履いたらすぐに転んでしまうからです。幸いにしてキラ子はパンプスを強制してくるような職場に遭遇したことはないのですが、一部の接客業というかサービス業では恐らくルールとされているんだろうな、と思うことは少なくありません。痛そうだな、大変そうだなと思います。ほんとPerfumeってすげえなと思うんですよ。これはダンス用で動きやすい(確かに脱げにくそうだ)らしいんですけど、それにしてもこのヒールの高さでこれだけ踊るのはすごい。

さて、就活中の女子学生に対してもリクルートスーツにパンプスは必須アイテムと長らくいわれており、NHKの就活応援サイトでも早い時期からこの件について取り上げていました。

キラ子はこの#KuTooについての活動を興味深く眺めてきました。性差別だ、という話となるとキラ子も関心を持たずにはいられないからです。夫婦世帯でも女性が働くのは当たり前のような時代にですね、パンプスで、しかもヒールの高さをわざわざ「高めで」と就業規則を使ってまで指定してくるのは誰の為なのでしょうか。そんな疑問をもっていたのですが、あんまりそこは話題になっていない……。
そして提唱者である石川さんは感情に任せて言いたい放題のタイプで不用意な発言も多く、もはやまともな議論が成立しているとは言いがたい状況になってきました。そもそもTwitterは論戦に向かない場所なんです、投稿できる文字数が決まっていますしね。そこで「売れなくなったグラドルが売名してるんじゃないか」なんて議論する気があるとはとても思えない見当違いのツイートに対しても

石川優実@#KuToo署名中 @ishikawa_yumi
ずっと疑問なんですが売名ってどういう意味なんですかね?当たり前ですが私は女優やライターでもあるしアクティビストでもあるので名前を売りたいに決まってるんですよね笑貶める意味で使われても「え?当たり前じゃない?」としか笑あと私が売りたいのは名前じゃなくて想いだけど。#KuToo
6:32 - 2019年6月8日https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1137502574146232320

などと挑発する行為を繰り返し、燃料を自らざぶざぶと頭からかぶっていくスタイルになりました(前からですが)。そしてハフポストのこの記事。

ああ、なんでしょうこのデジャブ。理不尽なバッシングと書かれていますが、石川さんの活動を見ていると疑問を呈してしまいたくなることもたくさんあるのです。まともな批判だってあるし、それに対して石川さんは無視か逆ギレするばかりなんですよ。これってまるっきり#MeTooのときのはあちゅうさんと同じです、ハフポストだし。同時進行していた酷い話には全く触れないスタイル。

そういうとこだからな、ハフポスト。
繰り返しになりますが、キラ子は#KuTooの活動自体は賛成してるんです。けれど石川さんの言動、行動、活動にはあまり共感できるところが少なくて、堂々と賛同! と言っていいのか、これ言ったら石川さんが今やたら駆使してる「#フェミニストが脱いじゃだめですか」にまで賛同してることになってしまうのではないか、とか大いなるジレンマを抱えてしまうのです。脱ぐかどうかなんてそんなもん勝手にしろとしか言えないわけですよ。

石川さんの過去の活動についても、キラ子は特につっこむつもりはありません。そもそも今の活動内容、発言だけでツッコミどころ多数なのですから

またこれは石川さんの責任ではないものの、#KuTooの活動には就活中またはこれから就活を控えている女子学生も興味を持ち、共感していたりするのです。そこへ女性にまったく人気がないどころかむしろ蛇蝎のごとく嫌われている自称フェミニスト・勝部元気先生を連れてくるなどという愚行を見るに、#KuTooのこれからの活動が不安でたまらないので、こうして記事にする次第です。長くなってしまいますが、どうぞお付き合い下さい。

と思ってたんですけどね。

石川優実@#KuToo署名中 @ishikawa_yumi
私は私に理解を得てもらい署名を集めたんじゃありません。同じ思いをしたことがある人の署名を集めたんです。#KuToo
20:12 - 2019年6月13日https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1139369979986337794

ハイヒールを強制されててこなかったキラ子や、石川さんの話を聞いて共感した男性は署名する必要もなかったようです。えぇ……!?

足に負担のかかる靴を女性だけに強制するな、という運動について(世界の流れ)

さて、#KuTooというハッシュタグは日本発祥ですが、実は職場でTPOを盾にハイヒールを強要してくることについての反対運動は以前からありました。2015年にイギリスで女性がフラットシューズを履いて派遣先へ出勤したところ、5〜10cmのヒールのある靴を要求され、断ると追い返されて給料も発生しなかったというのです。世界的にこのニュースが広がっていったのは、2016年になってからです。

この件に関しては流れ弾が日本の「ハイヒール協会」にまで飛んできたりもしましたが、この頃の日本ではあまり話題になっていませんでした。

またこの年、カンヌ映画祭ではジュリア・ロバーツがレッドカーペットに裸足で登場。これはイギリスからの流れもあるのでしょうが、前年のカンヌでハイヒールを履いてこなかったゲストが追い返された事件も影響している、といわれています。ジュリア・ロバーツは他の授賞式などにもはだしで壇上に上がる生粋の裸足ストとして名を馳せることになりました。

そしてイギリスでは下院で審議されるまでに。改善すべきではないか、という報告書まで提出されました。

その後、法改正したといった続報が出てこないのは、2016年から続いているイギリスのEU離脱に絡むスッタモンダが収拾つかず、それどころじゃなくなってるからでしょうか。

しかし2017年には、カナダのブリティッシュコロンビア州ではハイヒールの着用を義務づけることを禁じる法案が可決。

またフィリピンでは国をあげて禁止するにいたっています。

この流れがあってからの#KuTooです。
昔からフェミニズムには興味があったという石川さん。この問題がイギリスで起きた時点で何故声をあげなかっ……いいえ、なんでもないです。やはりこういうことは当事者にならないとわからないですからね、ええ。

ところで、ハイヒールとパンプスの違いについて。

そもそも高いヒールの靴を履く仕事を選んでこなかった私でさえこの辺りの区別が曖昧だったのですが、ハイヒール=パンプスではないのです。故に#KuTooは、ハイヒール・パンプスの強要をやめて、といっています。

によると、

「パンプス」は靴の種類の一種で、「ハイヒール」は靴のかかとの高さを表した言葉です。「パンプス」とは、靴の甲の部分が大きく開いていて、つま先とかかとが覆われており、靴紐や留め金がないシンプルな作りのものを指します。一般的には靴下ではなくストッキングと合わせて履きます。一方、「ハイヒール」は靴のかかとの高さを表す言葉。「ヒール(heel)」は「かかと」という意味なので、「ハイヒール(High Heel)」は「高いかかと」と訳すことができます。
本来であれば、どのような種類の靴でも、かかとの高さが6~7cm以上だと「ハイヒール」と呼べます。

この辺を混同している人が多く見受けられますし、ここを理解している人と理解していない人でも意見が分かれているように感じます。ハイヒールを強要されてる職場なんて夜にお酒を提供するお店くらいではないの? といった意見や、パンプスの定義がよくわからずに意見している人がとても多く、議論の混迷に拍車をかけています。
「パンプス」は「サンダル」「ブーツ」などという大項目であり、「ハイヒール」はそういった種類とは別軸で分類される項目にあたります。さらにいえばヒールの種類もたくさんあり、「ピンヒール」「ウェッジソール」といった項目に分類されるのです。要するに「パンプス」だけだと、ヒールがないフラットなパンプスも該当しますし、「ハイヒール」と聞いた人の多くが想像する「ピンヒール」は、パンプスの中の一つのカテゴリに過ぎません。つまり太めのしっかりしたヒールのあるヒールの高いパンプスもハイヒールに該当しますし、「ハイヒールのサンダル」「ハイヒールのブーツ」も存在するわけです。

つまり、こちらのcrocsの商品でも「パンプス」に該当するのです。ヒールのあるなしは関係ないのですよ、パンプスは。

ゆえに#KuTooではヒールのあるパンプス、という言い方をしています。しているはずです。

#KuTooに関して発言している皆さんも 、その違いがわからなさ過ぎて大混乱です。検索すれば靴を扱うお店がこれらの種類について懇切丁寧に説明するページなどいくらでも出てくるし、それぞれの解説についてもほぼ上記の統一基準によって書かれています。統一されてなきゃお店も問屋も困りますわな。そんなことをろくに調べもしない人たちが、揃いも揃って自説を唱えて「誰もそんなとこ(女性の足元)見てないよ」と勝手なことを言っています。あなたが見てなかったらどうだというのか。というか、調べましょうよ、調べた結果を信じましょうよ。こんなネタで靴屋がまとめて嘘つく理由もないわけですよ。なぜそこを面倒臭がったり理解を拒んでまで自説を展開するのか、不思議でなりません。

と思ってたんですけど

石川優実@#KuToo @ishikawa_yumi
あの、そもそも私ハイヒールと言ってません。5から7センチのプレーンのパンプス、です。
20:25 - 2019年6月13日https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1139373229888294916

7cmあれば十分にハイヒールの条件満たしとるわ! なんと、当の石川さんもよく理解していなかった……。えぇ……!?
※最近やっと理解できたらしいです。最近(署名提出後)て。

おしゃれとしてのパンプスと、義務としてのパンプス

さて、そんなパンプスですが言うても女性は皆履いとるやんけ。とお思いの方には、何故パンプスを女性が選ぶのかについてご説明さしあげます。パンプスは可愛いからです。

……え、わからない? 仕方ない、もうちょっと詳しく書くと、上にも書いたように足の甲の部分が覆われていないので、パンプスを履くと肌の面積が広く見えて足がスラッとして見えるんですよ。たった数cmとはいえ、身長や足の長さという絶対に変えられない制約の中で、多少なりともスラッとして見せたい願望を叶えてくれる、魔法のアイテムなのです(夏になるとサンダルに置き換わります)。プロレスラーでいうと、ショートタイツにニーパッドをあわせると足が長く見えるような効果があるのと同じですね。
最近ではレースのついたショートソックスをパンプスに合わせる流行もありましたが、キラ子の世代としては小学校の発表会ぽくてどうも馴染みません。アラサー、アラフォーになってくるとますますやっぱりパンプスには肌色のストッキングか、パンプスに隠れるフットカバーを合わせたいところですよ。フットカバーもハミ出てるとみっともないんですけどね。
ファッション誌ではモデルの方が素足でパンプスを履きこなしていますが、実はあれもあまり現実的でないんですよ。パンプスでなくとも裸足で通気性の悪い靴を履くと足も靴も臭くなりますわ! 実際は消臭効果もあるストッキングを着用する場合が多いです。

特に今年の春先は、小花柄のワンピースが大流行しました。レースを多用したスカートや、ティアードスカートも流行りましたね。こういった可愛いワンピースやスカートでの場合、華奢なパンプスを履いたほうが可愛いんです。若い女の子ならスニーカーやローファーを履いてもアクティブでいいんですが、アラフォーのキラ子がこれをすると大変に野暮ったく見えてしまいます。実際石川さんのTwitterの写真、赤系のスカートに重い紺色のニューバランスの姿ですが、ファッションとしては正直とても微妙です。色柄のセンスについてもうちょっと誰かアドバイスしてあげられないんでしょうか、一応芸能人を名乗っているのに。
さてこのパンプスは着脱も容易ですし、スニーカーのように靴ひもが解ける心配もありません(反面脱げやすいともいえますが)。
ヒールのあるものを選べば身長を少しでも高く見せられますし、そのぶん踵をあげるのでふくらはぎも引き締まるんですよ。たかが数cmと笑うなかれ。男性だって、数cmの差にこだわる身体的特徴についてはよくご存知のはずです。生え際や身長、足の長さ、あるいは●●●の太さや長さなど、ミリ単位で気になることはいくらでもありますよね。とにかく、ヒールの高さに個人差はあってもパンプスを愛用する女性は多いですし、反面、好みではないという理由で滅多に履かない女性もいます。

このパンプスは可愛いくせにやっかいなやつでして、デザインやその人の体型、歩き方によって、合わない足にはとことん合いません。無理して履き続け、外反母趾になってしまう人も少なくないのです。

「シンデレラ」でガラスの靴がジャストフィットしたのがシンデレラだけだったように、パンプスは人の足を選ぶんですよ。人の足の形は千差万別ですから、むしろ一つの木型から量産された靴が誰にでもぴったり合うほうがおかしいのです。外反母趾だけではありません。特にエナメル系だと履き口がカタくて、アキレス腱の下あたりがこすれて皮がむけてしまったり、長時間歩いているうちに小指が死ぬ(痛過ぎて感覚がなくなる)のも、割とよくあることです。
また、ほとんどのパンプスはスニーカーと違って靴底が薄くインソールも薄く、自重と歩行の衝撃が全部足裏にキます。ヒールが高ければ、その分爪先に負荷がかかります。だから長時間歩くような場合だとものすごく疲れるんですよ。最近は各メーカーもあれこれ開発してだいぶましになってきているものの、#KuTooに賛同の声をあげている人の発言を聞く限りでは、まだ万人の満足するレベルには達していないようです。
しかし、問題なく履いてきたという人もいるんですよね。地球に重力がある以上、たくさん歩いたり長時間の立ち仕事のあとに足が疲れるのは何の靴を履いてても同じですけども。疲れた足のためのフットケア用品はドラッグストアや家電量販店にもあふれています。また靴を履いているときに痛くないようにインソールを調整する中敷きも売られたりしています。
キラ子はそんなに高いヒールのパンプスは選びませんが、欲しくなって買う時は何軒も靴屋さんを巡り、朝と夜に試着して選びます(夜になると浮腫みますからね!)。また、安い合皮ではなく値がはっても皮革製にします。皮革だと履くうちにこなれてきて、最初はちょっときついかな?と思っても、馴染んでくるときつさはなくなってくるんですよ。

#KuTooに賛同する人の中には 「パンプスを履くと踵がパカパカする」といった意見も出ていました。なぜ試着してジャストサイズを選んだり、中敷きで調整したりしないのでしょうか……。わざとオーバーサイズを選ばない限り、ぶかぶかの服をそのまま着る人はあんまりいません。あまりに長いとパンツの裾だって詰めたりするわけですよ。なぜ靴となるとその辺のケアがずぼらになるんでしょうか、靴が返品できるネット通販だってあるというのに。石川さんはともかく、賛同する人の中にはこういった誰から見ても微妙な理由をもつ人も少なくなく、もはやパンプス憎しとばかりに#KuTooに賛同する発言を繰り返している人も多く見られます。

6/19追記……と上記のように書いたところ、足の形状として踵だけが小さい人はどのように調整してもストラップなしではカパカパしてしまうことがある、そういう人もいるのにそれを怠慢と決めつけるのはよくないというご指摘を受けましたので、こちらは撤回させていただきます。取り消し線をつけられないnoteの仕様故の措置となりますが今後の戒めとして残すことにします。ご不快に思われた皆様には大変申し訳ございませんでした。

実はキラ子も4E甲高で且つ左右の足の大きさが違い、子供の頃から前ゴム運動靴さえ選ぶのに(親が)苦労してきました。大人になっても可愛いパンプス、コンバースオールスター、しゅっとしたローファー、華奢なサンダル、サイドにファスナーのついたオシャレなブーツ。どれもまったく足にフィットしないのです。意外と先が細いんですよ、オールスター。
故に、試着して履ければ即購入。迷ってる間に売切れたらもう次にどこで出会えるかわかりませんからね。ゆえにお値段も選択の余地などありません。そしてパンプス等の場合、革製ゆえに大抵安くないんだな。足どころかお財布にすらダメージを与えてゆきます。ぐぬぬ。

女性にとってパンプスは、「可愛いけど痛い」「痛いから履かない」「痛いと思ったことはない」「履き慣れると気にならない」「3cmなら履けるが5cm以上は無理」「8cm、10cmでも平気だよ」と意見が割れるものなのです。石川さんははじめての立ち仕事でいきなり高いヒールを履いたこともありとても痛かったタイプだったようですが、これも普段から高いヒールを好きで履いている人からするとまったく平気だったり、働くうちに慣れたという意見が出てくるのもおかしい話ではなく、何も間違っているわけではありません。10cm以上の高さになるともはや直滑降ですよ。個人の感覚によるところが大きいというだけなのです。

それを踏まえて#KuTooが問題にしているのは、このオシャレかつ人によっては拷問アイテムでもあるパンプスを、ヒールの高さまで指定して強制してくる業界や職場があり、それが性差別だといっているわけです。

ただこれも意見が割れているように、もちろんすべての職場で適用されてるわけではありません。銀座線ユーザーのキラ子が眺めてみるに、新橋〜虎ノ門あたりで働いてそうな女性の多くは歩きやすさを重視したローヒールやウェッジソールのパンプスやローファー、あるいはスニーカーを履いて颯爽と歩いています。銀座線は古い路線なのでやたら階段が多くオフィスなど内勤の方が多いのも理由の一つでしょう。
現在キラ子の働くWEB業界では服装について、デニム禁止だとかお客様訪問時にはジャケット着用してね、くらいは言われたことはありますが、靴についてうるさく言われたことがありません。しかし、冠婚葬祭業界や百貨店、航空関係、サービス業や宿泊施設、通信業など、TPOやマナーを重んじる業界ではやはりうるさく言われるようです。
しかし#KuTooの提唱者である石川さんも直接交渉して低いヒールの靴での業務を認められていることから、強制されていないのでは? 強制されていても交渉すれば低いヒールでも認められるのでは? という疑問を持つ人も出てくるわけです。おそらく強制されている職場であっても、妊娠していたら免除されていると思われます。しかし、この話題が出てから行われたアンケート調査では実に6割の職場でパンプスを履いてくることを強制されているという回答結果が出ているのですよ。

これはまだ働いていない、就活する大学生にとっても他人事ではありません。大学や企業が用意した就職活動のための資料では3〜5cmの黒いパンプスを履くことが推奨されているらしく、それを真に受けた学生が慣れない黒パンプスを買ってきてぶっつけ本番で履いて歩き回ったらすごく痛かった、という例もあるようです。

これまで多くの女性は、知恵とアイテムを駆使してパンプスを履きこなしてきました。石川さんが#KuTooについて、パンプスを強制されることは性差別だというのですが、日々の知恵と努力で乗り切ってきた諸先輩方もひっくるめて性差別の被害者とするのであれば、そこには疑問が残るところです。

色々な著名人の反応

さてこの#KuTooですが、厚労省への署名提出にいたるまであまり報道されてきませんでした。この報道と、翌日の国会質問があってやっと色々な立場の人が発言したり触れるようになってきました。それでよく1万9000人近くの署名が集まったものだと思いますが、これは関係者のたゆまぬ努力があってのことだと思います。

以下、著名な方々の反応を拾ってきました。

小池百合子知事。

辛酸なめ子さん。

ニュース番組の中で、元SKEで現フリーアナウンサーの柴田亜弥さんがコメント。

社会学の千田先生や

勝部元気先生や(こちらは19年3月に発表されたものです)

永江一石さん(といっても#KuTooには同感といいつつ男性のネクタイ強制について訴え出す)。

コラムニスト小田嶋隆氏

諌山裕氏

……さて、キラ子が何が言いたいかおわかりになるでしょうか。

この#KuToo運動、全然、フェミニスト方面から賛同が得られていないんです!! 何故だ!!

なんかこう、もっと、いるじゃないですか! フェミニストのガチの人が! 東大の入学式でいきなり煽った先生とか! そういう人たちがこの件については一切スルー、ガン無視です。黙殺です。もちろんフェミニスト、フェミニズムにも様々な考えがあって一枚岩ではないんですけど、それにしてもスルーされ過ぎています。
SNSという即時配信される媒体をもたれていない方もいらっしゃるので今後反応されていくかもしれないんですが、それにしても冷淡なまでの無反応、なんなら関わりたくないように見えてきます。
上記の発言、リンク先をよく読んでほしいのですけども、フェミニストの石川さんが一所懸命頑張ってるのに、全面まるっと賛同しているのは千田先生と勝部先生くらいしかいないんですよ。後は国会での答弁にかこつけて自分の主張を押し通したい人ばかりなんですよ。やっと昨日くらいにキズナアイ騒動で暴れていた弁護士の先生がおっとり刀で駆けつけてきましたが、遅きに失する感が大いにあります……。

さて、千田先生というのもあのキズナアイ騒動のときに乳袋とか言い出して、社会学の先生とは思えぬ驚きの言動の数々で世間をエッといわせたものの、論争になるとグダグダになって味方とするにはむしろ全力で足を引っ張ってくるタイプの人ですね。今回、Yahooに寄稿してる記事はそんなにトンチンカンではないものの、議論を引っぱらせるといつ地雷を爆発させるかわからないのが千田先生の魅力、いや怖いところです。

そしてあのときも、千田先生に助け舟を出したにも関わらず皆に「その人に関わってはダメ、逃げて!」と言われてた勝部元気先生も署名提出前から軽やかに賛同。この人はフェミニストを自称していますが、こちらは多くのフェミニストから本気で嫌われてるタイプの人で、名指しでガンガン批判されています。千田先生に信用がないのも、勝部先生の助け舟を嬉々として受け入れたからです。この勝部先生という人は、本当にやばい。例えば最近でも、こんな事を言ってたりします。

勝部元気 Genki Katsube @KTB_genki
女性のほうが子供を持ちたいと強く思う人が男性よりも多いのは、子宮を持っているからでもホルモンの影響でもなく、友達が遊びの場に子を連れ来る等で子供との接点が男性よりも多く、メディアでも情報が多いという社会的な要因。「母性だから!」というのは生物学でも何でもなく非科学的な神話です。
7:14 - 2019年6月9日https://twitter.com/KTB_genki/status/1137724734966157312
勝部元気 Genki Katsube@KTB_genki
#KuToo に便乗して、職場や学校でスカート着用を強制させられることに反対する「#SkirToo」のムーブメントも出てきて欲しい。履きたい"男女"が個人で履くのは自由だが、盗撮や性的なまなざし被害のリスクが高い服装を女性にだけ強制して着用しない自由を奪うのはパワハラだし、紛れもない性差別だ。
19:28 - 2019年6月11日https://twitter.com/KTB_genki/status/1138634133586862081
勝部元気 Genki Katsube@KTB_genki
女性を美人とブスに分断してブスを叩く女性が、男性をイケメンとブサイクに分断してブサイクを叩くことはあまり無い。えぇ、自分をチヤホヤする男性にイケメンではない権力者も多々いるはずですもんね。仮に彼女等の見た目が美しくとも、上には逆らわず下を叩く奴隷的忠犬の生き様は最高に美しくない。
21:24 - 2019年6月11日https://twitter.com/KTB_genki/status/1138663442754048000

誰か……誰か私に殺しのライセンスをくれ
昨年有料のオンラインサロンを立ち上げるも、なかなか誰も賛同してくれる人がいなくて色んな意味で可哀想な目で見られていたこととか、皆さんはまだ覚えているでしょうか。東京オリンピックのPR映像で制服姿の女子高生が起用された頃にも、余計な一言を入れつつ言いがかりをつけて発狂していました。書き出したらきりがないんですけど、女性の味方と言いながら、大して非のなさそうな一部女性について露骨なヘイトを隠さなかったり、自分が性的に見てるからという理由であれもこれも性差別と言い切っちゃうような味方なんてお呼びじゃないんですよ。

なんでしょう、この、主人公が揺らいでるときに突如現れて共感してくれる謎の華奢な少年がcv.石田彰だったときのような不安感は。もはや世界(#KuToo)の終わりが見えてきたに等しい。このままだとサードインパクトが起きるのを無為に待つだけです。全部溶けて消えてなくなって、真っ白な地上に勝部先生と石川さんだけが残って#KuTooと叫んでいそうな風景が頭をよぎります。

なお、永江さんにいたっては賛同しているものの、消極的賛成というか敢えてそこには深く踏み込まず、ネクタイ強制話にすっ飛ばしています。永江さんと言えば嫌煙家で大変有名な方ですよね。石川さん、自身のメインブログのヘッダーで煙草をもった写真を使っているんですよ。本当はそれが気に入らないのかもしれません。けれどそれに反対するとややこしくなるから、男性のネクタイ強制に話をもっていってる印象を受けました。
とはいえその話も「ネクタイの売上が下がってる! ネクタイ強制するのは時代遅れだ!」とネクタイの売上が下がってるデータを明示しているんですが、そもそも、強制されなくなったからネクタイの売上が下がっていってるのではないですか? で済む話なんですよ。団塊の世代がまとめて定年ゴールしたり早期退職したり、またクールビズ、ウォームビズの浸透など、男性のネクタイ離れの原因なんていくらでも思いつきますよね。スーツの売上も年々下がっているというデータだってあるんです。
だいたいネクタイ、就業時間中に社内でもずっとしめてる人なんていますか? 10数年オフィスで働いてきて、キラ子はどの職場でもそこまできっちりしてる男性なんて見たことないんですけど。外へ行くときと来客があるときだけしめている人ばかりではありませんか? 就業時間中履き続けなければならないパンプスとは前提条件からして違います。「格闘技やってたから首が太くて辛い」とか、それ言いたいだけにしか見えないんですよ。わー格闘技経験者かー。すごーい。永江さんは格闘技ができるフレンズなんだねー! どうでもいい〜! もはや#KuToo関係ないしー!
永江さん、WEBコンサルタントとしては大変優秀な方だとキラ子は思っているんですけども、オピニオン関連になると途端に自撮りと逆張り大好きな常見陽平氏くらいの信用度しかないのが残念なところです。まぁ喫煙者をまとめてヤニカスなどと罵ってる時点で、マスコミをマスゴミと罵る人と同じレベルでキラ子は信用していないんですけども。

とにかくですね。世界的にも#KuTooは報道されて、あちこちから賛同の声も上がりそうないい雰囲気だというのに、全然これ以上の強いムーブメントに変わる気配がないんですよ。実際、国会質問した尾辻かな子議員も、正直#KuTooよりも同性婚の法案整備に忙しそうですし、立憲民主党・党首の蓮舫さんも#KuTooについては触れていますが、選挙を見据えてのポジショントークにすぎない……ようにしか見えないのは穿ち過ぎですかね? #KuTooにエールを送ったベルギー大使館も 、「そう言いながらあなたの国はブルカ(イスラム教徒のための服)禁止してるじゃないか!」とツッコミを入れられてプチ炎上する始末。駆けつける味方がどれもこれも頼りなさすぎてキラ子は泣きそうです。もうちょっとしっかりした人、いねえのかよ! と叫びたくなります。こういうのに強い人、カモーン!

どうして#KuTooは大衆の圧倒的支持を得られないのか。

答えは簡単なのです。繰り返しになりますがキラ子は#KuTooの運動について反対はしていないんです。むしろ賛成したいんです。でも石川さんの言動があまりにひどすぎて、しかもパンプスを強制して履かされた経験がない人はそもそもお断りされてることもあり、諸手をあげて応援できないんですよ。
これは今にはじまったことではなくて、ずっとそうなんです。署名を提出したから叩かれたわけではなくて、#KuTooを言い出した時から全うな批判があり、たとえばどれだけの職場でそんな風に強制されてるのかちゃんとしたデータはないのか、ないなら調べてもいいのではないかといった意見もあったのですが、石川さんは無視を決め込んできましたし、「ルールとしてなくとも無言の圧力としてある!」という微妙な反論で押さえ込もうとしていました。
法律とかデータとかもっと駆使して理論武装すればいいのに、あまりそういうのは得意ではないのでしょうか。自分の経験とネットで集めてきた真偽の判定がしづらい話だけをソースに「わからないやつは口を出すな」「アドバイスはいらない」と暴れているんですよ。

石川優実@#KuToo署名中 @ishikawa_yumi
自分の意見が取り入れられなかったからって「人の話を聞かないやつだ!」とするのはやめてくださいね。全部の意見取り入れられるわけないんだから。グラビア時代とかもよくあったな。知らない人から「こうやって売ったらどうですか?」と言われやらないと「自分と違う意見を聞かない」って。23:39 - 2019年6月8日https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1137610076015828992

それでやることがグッズ制作にプロ奢ラレヤー氏とのトークイベント(土壇場で中止)、勝部先生とのオンラインサロンて、行き当たりばったりにもほどがありますよ。しかもこのトークイベントの中止の経緯がひどい。

そしてもう、勝部先生がいる時点でダメです。はっきり言います、ダメです。石川さんに賛同はできても勝部先生が隣にいるというだけで無理です。特定の女性について必要以上に蔑む発言を繰り返してばかりの自称フェミニストがこの活動に必要ですか? いりませんよ。なんだったら、勝部先生の存在自体がこの地球上に、ゲフンゲフン。
こんな人と組む時点で、石川さんのいうフェミニズムが何なのかって疑いすら出てくるわけですよ! 勉強中だとはいうものの、Twitterでアンチの意見に論破を試みることがいったいどういう学びになってるんでしょうか。プロ奢ラレヤー氏とのイベントが中止になった件にしても、えらいてんちょうさんにいつものように噛みついたら反撃されて、謝罪に追い込まれるとか迂闊にもほどがあります。
そもそも、プロ奢氏なんてまだ22歳。社会経験もおぼつかない、奢られ上手な若者なんですよ。そんな人をノーガード状態にして血祭りに上げる気満々だったようですが、これを見せられたところで石川さんはすごい! さすが! って思うような人、いるわけないじゃないですか。30過ぎの女性が、よってたかって20代の若者の首根っこ引っ掴んで公開お説教してる図こそイジメですよ。石川さんの溜飲は下がるかもしれませんが、金払って公開処刑ショーを見せられる身になってくださいよ。中止になって良かった。
えらてんさんもまた勝てる相手としか喧嘩をしないタイプです。敵味方の見極めをもっとつけましょうよ。彼も#KuTooの意見には賛同しているんですよ。そのうえで石川さんの言動の危うさを突いているんですから、そこは一度省みてもいいところです。

こんなことだから都知事にも「私は好きにした。君らも好きにしろ」(from「シン・ゴジラ」)みたいなニュアンスで流されてしまうんです。あのかぶる傘はどうかと思いますが、日刊スポーツの記事にくらべて全文書き起こしを読むとだいぶ印象が違っています。用意してきたかのような答えです。というか用意してきたんでしょうね、絶対くる質問ですから。

「まず、都として、どういう靴を履くかという決まりもありませんし、それはもう個人の自由ですし、職場によって、それはハイヒールの日もあるでしょうし、そうでない日もあるということで、それが話題になっていることが私はむしろ信じられないというか、そんな感じです。職場によっては、そういう状況にあるときに服装の規定があるのかもしれませんけれども、しかしながら、基本的には働きやすい、動きやすい、もしくはそこでエレガンスを求めたい人はそちら、ハイヒールでということなのではないでしょうか。 非常に、テーマとすればおもしろいけれども、あまり本質的な話ではないなと私は思っております。皆様も、仕事をするときとそうじゃないときとで、色々な靴を履きかえられるのではないでしょうか。はい。それが普通で、それ以上のことは何もありません」

今でこそ都知事の席にいる小池さんですが、国会議員として長らく活動してきた方です。国会では今も女性議員がやれ結婚しろだの子供産めだのと野次られて問題になるようなところですけど、これも今だから話題になるのであって昔はもっと酷かったんじゃないかと想像がつきます。フェミニズムとか性差別については、嫌でも直面せざるを得なかった人に「テーマとしては面白いが、本質的な話ではない」とバッサリされる#KuToo。詰めが甘いのです。脇が甘いのです。石川さんの過去の話じゃありません、現在のボロボロでスカスカの話をしています。

もちろんキラ子も、石川さんの過去の話や石川さんの表現について中傷してくるような人の相手なんてしなくてもいいと思っていますし、その件と#KuTooは無関係だと考えています。そのくらい、#KuTooの主張に異論はないのです。
元AV女優で、性に関する啓蒙活動を行っている方だってたくさんいますが、その人たちが石川さんのように言われることはありません。もしもあっても相手にする必要はないんです。なのになんですか、「#フェミニストが脱いじゃだめですか」って。何故また話をややこしくしようとするのですか。まさかとは思うのですが、厚労省に言いつけたからそれで終わりと思っていませんよね!?

まずですね、キラ子は厚労省に署名を提出する時点で、他にも色々と訴えるべき資料とか持っていったんだと思っていたんですよ。(6/15追記。どの論文か不明だが、出したと本人は主張
例えば石川さんが働いている葬祭業界において、どれくらいの割合で高いヒールのパンプスの強制がされているのか。働く際に渡されたルールブックに書いてあったくらいですから(のちにその表記は消されたらしい。活動の結果である)、調べることは可能だったのではないでしょうか。百貨店や格式の高いホテルなどの宿泊業界なども多そうなイメージですが、わかりません。誰も調べてないから。石川さん自身が「多い」と言っていて賛同する人がいるという以外、厚労省も経団連も誰もはっきりとした数字をもっていないのです。
6月11日、「パンプス押し付けにさよなら!緊急院内集会」が永田町の衆議院議員会館で行われました。詳しいレポートがこちらにあります。

厚労省の役人にいきなり裸足でパンプスを履かせて「ホラ、痛いでしょう!」とやることにどんな意味があるのですか。誰だって、履いたことがない靴をいきなり履いたら痛いに決まってるじゃないですか。ブラジャーだってつけ慣れてない男性がいきなりつけたら胸回りを突然締め付けられて、痛いと感じるに決まっています。工事現場で使われる安全靴をいきなり石川さんが履いたって、きっと痛いとか歩きにくいとか重いと言うはずですよ。そんなパフォーマンスだけやるも、ほかの具体的な数字はさっぱり出てこず「女性にパンプスはハラスメントだ」と述べる独立行政法人の方が出てきただけです。
で、ここで出した要望書がペラい。なぜか画像で出されているのでキラ子、書き起こすことにしますね。引用の仕様上、右寄せ・左寄せ・センタリングができないのはご容赦ください。

2019年6月3日

厚生労働大臣 根本匠 殿
(厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課)
(厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課)

労働政策審議会雇用環境・均等分科会委員 殿職場における女性に対するヒール・パンプスの着用支持に関する要望書

#KuToo運動キャンペーン
署名発信者 石川優実
(メールアドレス省略@gmail.com)

日頃より働く場におけるジェンダー平等の実現のため、ご尽力いただき、まことにありがとうございます。
 長い間、女性のフォーマルな靴は「ヒールありのパンプス」が常識とされてきました。それは職場でも同様です。特に、接客業や顧客と接する仕事の女性または就職活動の女性は、着用が明文化されていたり、江東で指定されたり、「マナー、常識だから」などと慣習とされたりして、ヒールのあるパンプスを履かされていることが多いです。
 しかし、ヒールやパンプスは、外反母趾になる、切れて足から血が出る、靴擦れを起こして皮がむける、腰に負担が生じるなど、さまざまな健康被害を招きます(ヒールによる健康被害はすでに科学的に実証されています。別添資料参照)。現在だけでなく年齢を重ねた後に症状が出る場合もあります。体勢が不安定になるため、転んで怪我をする女性もいます。残念ながら、「ヒールやパンプスを履いて長時間働くことが出来ないので、仕事を諦めました」という声も聞きます。多くの女性が足や腰を痛めて仕事をしているのが現状です。
 加えて、仕事をする上で働きづらい・走れない・疲れやすいなど、さまざまな就業上の制約があります。しかし、女性たちはそれを強いられているのです。
 同じ職場・職種で男性はヒールがない靴でもよいのに対し、女性にはヒールやパンプスの着用が求められます。TPOは考慮されるべきですが、女性がより苦痛を感じる靴を着用しなければならないことは性差別に当たります。しかし、日本の企業社会の中では、それが性差別であり、許されない労働条件で有るということが未だに共有されておらず、女性労働者自身が、パンプスを履いて仕事をできない自分を責めています。
 このたび、「職場でのヒール・パンプスの強制をなくしたい!」として署名活動を始めたところ、多くの反響があり、たくさんの女性が身体的・精神的な苦痛雨を感じたり、怪我をしているのに職場で言えずに苦しんでいることがわかりました。
 国際的には、ヒールのある靴の強制は性差別もしくは安全でないとして法律等で禁止されつつあります(別添資料参照)。
 女性が女性だからという理由で苦痛を感じることがないように、また、女性が怪我をせずに十分に能力を発揮して働けるように、女性の働く環境を整えていただきたく、下記のとおり要望いたします。



1.事業主がハイヒールやパンプスの着用を女性のみに命じることは、性差別もしくは性別に関するハラスメント(ジェンダーハラスメント)に当たり禁止するとの法規定等を作ってください。
2.もしくは、男女雇用機会均等法11条の「セクシュアル・ハラスメント」(職場における性的な言動)の対象に、「性別により役割を分担すべきとする意識」(ジェンダー)に関する言動を含めることにより、事業主がハイヒールやパンプスの着用を女性に免じることもセクシュアル・ハラスメントとし、違反する事業主を指導してください。

※なお、国家公務員が対象となるセクハラの規則である、人事院規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)においては、「性別により役割を分担すべきとする意識」に基づく言動もセクハラに含まれるとされています。人事院のウェブサイトでは、「女性職員には、職場での化粧や服装に十分気を使ってほしいと思う」「女性職員を採用する時は、美しくスタイルがよい女性に限る」「女性職員に対しては、髪型や服装などについていつも褒めるようにしている」といった言動のいずれについても、「セクシュアル・ハラスメントの観点から問題がある」と明記し、行わないよう注意を促しています。
https://www.jinji.go.jp/sekuhara/5sekuharamonndai.html
3.もしくは、今般改正された労働施策総合推進法30条の2の「パワーハラスメント」(職場における優越的な関係を背景とした言動。特に「個の侵害」類型)に該当し得るとし、違反する事業主を指導してください。
4.もしくは、使用者は労働者を危険から保護するよう配慮スべき安全配慮義務を負っていると規定する労働契約法5条及び労働安全衛生法の諸規定に基づき、安全でないヒールやパンプスの着用を労働者に命じることは違法であり禁止するとの通達を出してください。

以上

ちゅ、中学生が書いたような……いや、なんでもないです。それ以前になんだ、この大きい割に具体的数字の一切ない主語は。ここで証拠となるのは、謎の論文とメールアドレスさえ登録すれば本人確認の必要が一切ない署名だけなんです(ネット署名ってそういうものなんですけどね)。いやー説得力なさすぎるでしょう。「皆痛いって言ってるんです! 厚労省からちょっと言ってくださいよ!」以外の何物でもなかった。法改正をなんだと思っているんだ……。これが通ったら世の中のもっと不便を強いられてる、時代遅れな法を変えたいと頑張っている人が泣きますよ。

長時間ハイヒールで働くことでおこる外反母趾や転倒の危険などの健康被害についての論文は、軽く検索しただけでもいくらでも出てきます。その中のどれかを添えて出したようですが、これだけでどんな意味があるんですかね? 尾辻かな子議員によると、労災の調査論文などから、若い女性が業務中にハイヒールによると思われる事故の件数は把握できるようです。これらと医師の証言や、実際に働けなくなった人の声や診断書もあわせて出したほうが、より効果的だったのではないでしょうか。実感の沸かない事柄に対して関心がもちにくいのは、人として自然なことです。だったら動かぬ証拠を出すしかありません。
靴を履かせるのは実感を持たせるためだったのかもしれませんが、そもそも彼らにちゃんと合うサイズをもって行ったのでしょうか。ストッキングまでちゃんとつけたうえで履かせてあげたのでしょうか。
この運動、「ご家庭でも夫や息子に普段自分が履いてるパンプスを履かせたら痛いと悲鳴を上げていた」って女性が時折現れるのですが、夫や息子と彼女の靴のサイズは皆同じなのでしょうかね? 繰り返しになりますが、サイズの合ってない靴なんて、パンプスでなくても痛いに決まっています。説得力以前にツッコミどころしかありません。だいたい、ジャストフィットして平気だった! と言う男性が現れたらその時点で負けが確定じゃないですか。
そのためにも、強い関心と説得力を持たせるためにも、もっと強い証拠となるデータが必要なのです。そしてそれは言い出した人間がぐうの音もでないレベルで用意すべきものではないでしょうか?

実際国会の答弁でも大臣は「そもそも職場でそういった義務づけをしているるところがどの程度あるのか、私も承知していない」と言っていました。これをもって賛同者の一部は「知らんのかい!」と怒っていましたが、前日に出された署名から即日調べて具体的な数字が出てきてたら逆に怖いしむしろ捏造を疑われますよ。たぶん石川さんも「多い」以外の具体的な数字は知らないままですよね。知ってたら言ってますもん。それも署名を出したからあとは厚労省に調べろ、それで厚労相からそういうことしてる企業に通達してね! とぶん投げるのは、あまりにも傲慢だし適当すぎます。役所の調査があてにならないのは、毎月勤労統計調査がグダグダだったことからもわかりそうなものではないですか。こちらから資料を押し付けて尻を叩くくらいでないとお役所は動きませんよ。

また、先にご紹介したビジネスインサイダーが調べた「6割の職場がパンプスを強制されている」という結果が出たアンケート。これは#KuTooの報道があって初めて行われたアンケートで、石川さんも回答を呼びかけていました。つまり、#KuTooに関心がある人にしか届いていない調査が元になっていれば、「強制されている」という答えが多いのは当たり前ではありませんか。とてもフェアな調査とは言い難いです。うさんくさいエステや化粧品の広告で「90%以上のユーザーが効果を実感」と言ってるくらい、信用が置けません。こういった恣意的なデータと報道の積み重ねが#KuTooの信用を落としていくんですよ。ほんとそういうところだからな、このデータを引用までしてきたハフポスト。

実は、noteで早い段階からこういったご指摘と貴重な資料を提供してくださる方もいらっしゃいました。

フェミニズムの金稼ぎも大事ですが、資料を読む・法を勉強する努力くらいはしてもいいと思います。実際厚労省サイドからは、法的に#KuTooの主張内容が性差別であるというソースは見当たらないという回答も出てしまっているんです。性差別でないものを、性差別だからとお上からのお達しとして出ることはありません。カチ込み先からして間違えたんじゃないかな、と思うんですよ。

今日(14日)になって朝日新聞が独自取材をして、制服を採用している法人に靴のルールについて調査を行い、やっとわかりやすい数字が出てきました。キラ子が欲しかったのはこういう具体的なルールとデータです。

スマホだとこちらから読めますがキラ子LINEやってねえから読めないんだよな!! しかしなかなか興味深い記事のようです。学校のようなルールに縛られている職場がまだまだあるんですね〜。

#KuTooを初期の頃から取り上げていたハフポストやバズフィードは 、石川さんの主張を鵜呑みにして太鼓持ちをするばかりでした。こういう企業へのアンケートを何故やらなかったんでしょうか。いや、むしろ本来は石川さんが率先して人々の知恵を借りてでもやるべきだったのではないでしょうか。そういうところをつっこむ人もいましたが、例によって石川さんはガン無視でした。この件と勝部先生を引き込んだ件はさまざまな人から多くのご意見が寄せられているにも関わらず、一向に触れてくれません。なんならブロックされてるらしいです。えぇ……?
どう考えても勝部先生は女性の、いえ、人類の敵になってもおかしくないような存在です。ベクトルは違えども、はあちゅうさんといい勝負ですよ。勝部先生が自身のサイトで公開しているAmazonの欲しいものリストを見るだけでもうわぁとなるのはキラ子の個人の感覚なのでいいとしても、こうなってしまった#KuTooに未だ就活生を積極的に絡ませようとしてくるNHK就活応援サイトの編集チームの神経もわかりません。勘弁してよ!

石川さんが社会運動慣れしていないのは当然かもしれませんが、今のままではダメです。もっとこういった運動の経験者のような、闘い方を知っている強い人を頼るべきです。イエスマンだらけの支援者に囲まれた状態で既存概念をひっくり返すのは難しいんじゃないですか? 今は黙殺を決め込んでいるフェミニストの方にも、本当にこれが性差別なのかどうか、アポをとって話を聞きに行ったりすべきではないですか? 聞く耳をもちたくないのはわかりますが、それじゃ成長しませんよ。

実は、これが本当に性差別というまでのことなのか、キラ子も確信が持てないんですよね。キラ子のフェミニズム、ジェンダーの学問なんて大学の社会学で半年かじったくらいですから。
石川さんや他の賛同者の皆さんが履き慣れないパンプスで痛かった、そのことを否定するつもりはまったくないんです。しかしこれまでヒールのあるパンプスを問題なく業務をこなしてきた諸先輩方は皆、性差別の被害者であり、それを下の世代に無言の圧力で押しつける加害者なのかっていうと、違う気がするんですよ。そりゃ痛かっただろうし加齢とともにその時のきしみが体に出ている人もいるでしょう。が、全員が全員痛がって歩けなくなっていたらさすがに業務効率が落ちて、そんなルールはさっさと廃止されていたんじゃないですかね? 要領よくいい感じに乗り切ってきた諸先輩方がいるからそのルールが残ってしまってるんでしょうけど、彼女たちにも悪気があったり、後続となる後輩たちを傷つける意図があったとも思えません。
また石川さん自身も、何もバイト先の葬儀場でサンダルやスニーカーを履いて仕事をしたいわけじゃない、革靴で十分だとおそらくご自身の社会通念から仰っているんですが、それじゃあんまり厚生大臣の言ってることと変わらないような……。その革靴だって、さんざん男性から「痛い」って声があがってるわけで、そういう限定解除を許したら、この先、女性陣から革靴も痛かったじゃないか! という声が出ますよ。そうなったらどうするおつもりなんでしょうか。

#KuTooがはじまってからも何度も生活費でポルカをしてるように 、石川さんはお金に困っているようです。ギャンブル依存症だった過去もあるそうで、貯金もホントになさそうです。なので、これはお金が貯まってからでもいいんですが、フェミニストを名乗り続けるのであれば石川さんも社会を変える運動に力を入れたり、フェミニズムや法律について学べる場に参加することを考えてみませんか? フェミニストの学会に参加、話聞くだけなら誰でもできるんですよ。軽く調べただけでも、自治体が主催する女性学のシンポジウムはいくらでも出てきます。
10月には日本女性会議が佐野市で開かれます。フェミニズムについて勉強しているそうですが、石川さんがこういった類いの会合に参加したという報告はあまり見ません。デモ行進に参加した報告があったくらいです。是非参加して、多くの助言や意見をもらうべきではないかと、キラ子は思います。どうかご検討ください。

厚労省が動かないなら、業界団体を詰めればいいじゃない。

厚労省は「具体的にどこまで必要なのかを個別に厚労省の方で業界ごとに判断するのは難しい」と言っていますし、厚労省はそもそもそういうことを決める省庁でもありません。朝日新聞の記事を見る限り、業界によってルールはまちまちなんですよ。つまり職場・業界で慣習として残っていたローカルルールの変更で十分に対応できる話なのではないでしょうか? お上をいちいち通す必要がありますか? 実際なんというか、やり方としてもうちょっと賢い方法があるのではないかと思うのです。立憲民主党さんの政治パフォーマンスにまんまと利用されてるだけにすぎませんし、石川さんが過激な言動をすればするほど、立憲民主党さんも「こいつはやばい」と離れていきそうです。彼らが心の底から#KuTooに賛同してやってるように見えているなら、それはそれでお目目が節穴すぎます。唐突に須藤元気氏を担ぎ出すような政党ですよ? いやキラ子、WORLD ORDER好きなんでとても複雑なのですけれども。

アテにならない厚労省より、業界団体に直接出向いたほうが早い気がするんです。葬祭場であれば、厚労省の前に全葬連やら東葬協といった業界団体があります。まずはそこにカチコミを食らわす、いや、相談すべきだったのではないでしょうか。似たような業界団体、組合はたくさんあります。百貨店なら日本百貨店協会であったり、宿泊施設であれば日本ホテル協会であったり。こういった業界団体は、それぞれの業界の有力企業が取り仕切っています。そこへ署名を持っていったり実際に働いている人の声を届けるような活動をしたほうが、話としててっとり早かったんじゃないかと思うんですよね。

各自治体の商工会でも、色々な啓発セミナーが行われています。今時女性のいない職場のほうが少ないですから、フェミニズムについて興味のある経営者は多いはずです。中小企業の経営者を相手に、石川さんや#KuTooに賛同している皆さんが思いの丈を語るのも良いのではないかと思いますよ。
そういった地道な活動をどういうわけかすっ飛ばして、なぜ厚労省へ行ったのか。順番が逆なんじゃないかと思うんですよね。商工会や業界団体が動いてくれなくて初めて、お上へ訴えるほうがずっと共感を得られやすい。数百人以上の従業員を抱えるような職場で直属との上司のトラブルをいきなり社長や会長クラスに告げ口したところで、彼らも知らんがなって気持ちになるのは当たり前です。キラ子なら直属の上司のそのまた上司に相談するところからはじめるでしょう。実際やったことあるしな。案外、驚くほど劇的に改善するんですよ。

あとはCamCanが「高いヒールを履いている人ほど年収が高い!」とか言ってるんで、そういう洗脳やめろってクレーム入れるのもいいんじゃないかと思います。なんじゃ、このヨタ記事は。

就活生のパンプス問題と職場のパンプス強要問題は分けて考えたほうがいいのではなかろうか

ということを踏まえて、就活生のパンプス問題についても考えます。

就活生のパンプス強要については、採用側から特に要望があったわけではなく、大学側や就活セミナーを行う企業が推奨しているレベルのものです。つまりは、誰も強要していないのです。とか書くと、強要してるも同然だ!! とか当の学生さんに言われるんですけど……それだけTwitterで唸れるなら強要と感じても無視すればもいい気がするんだけど、ゲフンゲフンゲフン。
まあ、わかんないですよね。「清潔感のある格好を」って、具体性に欠けてますもん。

によると、

ストッキングは少し濃い目の肌色を選ぶと足がきれいに見えます。伝線することもあるので予備を持っていると安心ですね。冬場は黒いストッキングやタイツをはく人もいますが、避けたほうがいいでしょう。
女性は黒のパンプスで、太めのヒールで高さ3~5センチのものが安定感があり、歩きやすいでしょう。サンダルタイプではないものを選びましょう。家に帰ったら必ず磨き、外出先でも人に会う前にはポケットティッシュなどで汚れを落としておきましょう。

などといっていますが、もう今や#KuTooに乗っかるまでもなく、各企業から就活生をターゲットにした脱・定番就活スタイルを掲げたプロモーションも増えてきてるんですよ。
たとえばバンドエイドでお馴染みのジョンソン・エンド・ジョンソンは#スニ活を提案し、パンプスで来なくていいよ! とアピール。パンテーンは全員がセミロングの髪を一つにまとめてくることに疑問を呈しましたコスメ販売の老舗伊勢半では「顔採用」を展開。就活マナーとされるものに有名どころがNOを突きつけたのです。
採用側ももう、あまりにテンプレートすぎる就活スタイルを見せられ続け、個性も何もわからなくなってしまったんじゃないですかね。就職氷河期にキラ子が就活をしていた頃は、ここまであれやこれや指定されていなかった気がするんで、氷河期が繰り返され不況が進むにつれて、定番化していったものと思われます。
ゆえに、就活マナーはここ10年15年でできた程度の若く、コロコロと変わり続けるルールです。社会通念もなにもあったもんじゃありません。採用基準とか採用計画なんてその年の企業の予算や事業計画によっても変わってくるものですし。#KuTooとか言わなくても普通にローヒールのパンプスなりローファーなりストラップシューズなり履いて行ったとして、怒ってくる企業の担当者がどれほどいるのでしょうか。もしもそれを見咎めて怒られたり、それを理由に不採用になったのだとしたら、そのとき初めて声を上げても遅くはないと思います。今の時代の流れ上、怒る企業もそんなにないんじゃないですかね。実際気にしてる企業がないことは、下記ニュースからも見えてきます。

ただ、もしもなぜパンプスを履いてこなかったのか聞かれたときには、ちゃんと納得できる答えを用意していたほうがいいですね。そこで変に#KuTooは持ち出さず、この靴のほうが歩きやすくて気に入っているからです! と堂々と言えば、向こうもそれ以上食い下がることもないと思います。それほど広げられる話でもないですからね。

就活生の皆さんにおかれましては、石川さんや勝部先生の怪電波に当てられることなく、自分とよく向き合い、履きやすく歩きやすい靴を履き、よりよい就職活動を行った後に希望の就職先が決まることをキラ子は祈っております。

おわりに

3.11東日本大震災を新宿の職場で体験したキラ子はあの日、渋谷まで歩く羽目陥りました。ちょうど買ったばかりのスニーカーを履いていたので問題なかったのですが、新宿のABCマートにはスニーカーを買い求める男女の姿が多数ありました。ドン・キホーテからはママチャリが売り切れ、皆、もくもくと家路を目指していました。

あの日から世界は、というか少なくとも日本は変わりました。歩きやすいフラットシューズや痛くならないパンプスが増えたのも、あのときのしんどさを誰もが経験したからではないでしょうか。

実際スニーカーを多く扱うABCマートは今、業界第1位です。そして革靴を多く扱う他の企業は減益が続いています。ちなみにABCマートのオリジナルブランドが扱っているパンプスやサンダルはとても履きやすくてインソールも柔らかく、ワンシーズン履き倒すには持ってこいのお手軽価格なんですよね〜! また、歩きやすいパンプスが幅広い価格帯で増えている件についても、業界では話題になっています。

さて日本はそんな感じですが、世界的にどうなっているのでしょうか。

スニーカーのブームが終わり、またパンプスの時代がくるらしいです。世界的にも歩きやすさを求められているようで、これは日本の流れと同じです。
興味深いのは、大きな足のサイズの男性用ハイヒールも各ブランドから続々と発表されているということです。そういえば米津玄師も「Lemon」のPVでピンヒールのハイヒールを履いていましたね。さすがに座った状態でしたが、先取りし過ぎだろう(多分違う)。「革靴がいやだ」と言っていた男性の皆さん、朗報ですよ!
というのは冗談にしても、人々の足元は各メーカー、ブランドがどんどん自由になるよう、ご提案してくださっているんですよ。布と糸とボタンがあればそれなりのものが作れる服に比べると、靴はなかなか自分では容易に作れませんからね。

石川さんご自身もハイヒールをなくしたいとか、そういうことを言ってるわけではないのです。しかし#KuTooに賛同している人の発言の中には、ハイヒール、もしくはパンプスを絶対悪と見なす人や、これまで声を上げず黙々とハイヒールで仕事をしてきた人生の先輩たちをも悪者にしようと(お前らが受け入れたせいでこちらが被害を被っているんだ!というような)している向きもあり、冷静さが失われているようにも見えます。ついでにいうと石川さんがパンプスにかわるべき革靴を紹介してるのですが、これがまた実に垢抜けない上に、やっぱり足の形によっては靴擦れの心配がおこりそうなデザインばかりです。

(デニムにこの黒い革靴はアリなのか……?)

終わってしまったこと、言ってしまったことは仕方ないのですがここで一旦立ち止まり、ゆっくり考えるべき時がきているのではないでしょうか。勝部先生は本当に味方なのか? とか、そういうところからです。いやホントに、そのくらい勝部先生はありえないから。←キラ子はこれがずっと言いたい

そういえばですね、この運動をしてよく引用される表現があって、それがキラ子は凄く気になってるんですよ。まぁ発端は朝日新聞の天声人語なんですけど。

「ココ・シャネルはコルセットから女性を解放した」。それは紛れもない事実でしょう。#KuTooが生まれる前にイギリスのパンプス騒動について触れた河合薫さんの記事でも使われるくらい、象徴的な出来事です。

ではシャネルの靴はどんなになってるか見てみよう。

……シャネルはハイヒールから女性を解放するつもりはないようです。
(もちろんローヒールもあるよ!)
このたとえ微妙な気がします。そういうところだからな、天声人語!

とにかくキラ子が#KuTooに望むのは、勝部先生から距離を置くことと、各関連業界団体を巻き込みながら冷静かつ自由闊達に行える議論の場の設置です。
キラ子は多くの人が靴の痛みに悩まされることなく、自由に働ける社会になることを望んでいます。#KuTooはその一助となる可能性を秘めているのです。そのためにもいまの#KuTooのあり方には疑問を持たざるを得ないのです。そこだけはどうぞご理解いただき、ご検討していただければなお嬉しく思う次第です。長くなりましたが、そういうことです。では。