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【好きな本の話】#愛読書で自己紹介

山根あきらさんの『愛読書で自己紹介』に参加させていただきます。

特に感動した本を3冊!ということですが…
たくさ~んある中から「あまり知られてなさそう、忘れられてそう」だから、「もしよかったら図書館ででも探して読んでみてほしいな~」という本を選んでみました。

ですので、この3冊が自己紹介になるかどうかは微妙なんですけれども、どれも私の血肉の一部にはなっている作品だと思います。
順位は特についてません。
ちなみに永遠に不動の一位はレイ・ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』なんですが、永久欠番みたいなものなので、あえて外してありますー。

私の蔵書ですー(・∀・)


【チボー家の人々】
フランスのノーベル賞作家ロジェ・マルタン・デュ・ガールの代表作。
白水Uブックスで全13巻の大長編ですが、これまでに三回くらい読み直しております。定期的に思い出して読みたくなるんですよね。またそろそろ時期かなぁ。
湯治にでも行って、読みふけりたい~。

読む時の年齢によって、心を寄せるキャラクターが変わったりもしますが、やっぱりジャックが大好き。純粋すぎるジャックの姿に、毎回胸が痛みます…。特に思春期に読むと共感せずにはいられないのではないでしょうか。
厳格な父との確執、タイプの違う兄との関係、恋と友情…、そして戦争(第一次世界大戦)。
イマドキの若い人が読んでも、自分のことみたいに感じる人はいそうです。でもこれほど長い小説、なかなか読まれないかも…と思うと、とってもざんねん。せめて第一巻だけでも読んでみてほしいです。続きを読みたくなれば…ぜひ!

19年間に渡って書き綴られた大河小説にしか醸せないような濃厚さがあり、本を読むことの楽しさと醍醐味を味わい尽くせる名作です。
そう、これぞ文学☆
…なんて書いてたら、また読みたくなってきましたー! 

参考図書としては、田舎の女子高生が「チボー家の人々」に読み浸る姿を描いた高野文子さんの【黄色い本】という漫画もオススメです。


【パパ・ユーア クレイジー】
大好きな作家、ウィリアム・サローヤンの作品。これも何度も何度も読んでます。
この人の作品はもれなく好きですが、これは翻訳が伊丹十三氏というのが特徴。
原文の人称代名詞をできるだけ省略しない、という縛りを設けて翻訳されているので、ふつうなら「父」とか「パパ」と訳しそうなところを、いちいち「僕の父」と訳しているのです。
伊丹氏によると、省略されない人称代名詞が、西欧人の確立した自我とどこかでつながってるはずだとか…。
その点は、英語の苦手な私には理解しきれていませんが、伊丹氏の翻訳は「この小説は何度読んでもなにかが残る、また読みたくなる…」感を抱かせてくれることに一役買っているように思われます。
サラッと読めば親子のほっこり話にもなりそうですが、そのように見えてそうではない「只者ではない感」が全編に漂っているからです…。
ちなみに「僕の父」はサローヤン自身をモデルにした貧乏作家です。

……「いざという時の18ドル」しかないのに「いまがその時だよ!」と言って父子で旅に出るくだりも好きだし、旅先のパン屋さんで買う焼きたてロールパンの描写は、ホカホカ感と匂いまで感じられて、今でもロールパンを手にする度に、この本を思い出します…。
今あらためて読むと、『魂に沿って生きるにはどうすればいいか』を軽やかに描いている気もしました。意外に東洋的な感じもします。


【モーテル・クロニクルズ】
アメリカの劇作家・俳優でもあるサム・シェパードの、詩と短文エッセイのようなもので構成された不思議で魅力的な本。
サム・シェパードは、私が高校生の時『ライト・スタッフ』という映画を見て、フォーリンラヴしたイケメン…♡
そのおかげでこの本にも出会いましたが、書くものは顔以上によかった!
でも、けっこう男クサイ作品なので、男性読者の方が多いかも。

日常の、なんでもない瞬間を描写しただけの短文がたくさんありますが、彼の視点と表現によって、平凡なものが非凡になっていて唸ります。サム・シェパードの本質は詩人なのです。
ああ、こんなのが書けたらなぁ…と、つい最近も読み直してうっとりしていましたが、道は遠そうです。涙

ちなみにこの本は、ヴィム・ヴェンダース監督の名作『パリ・テキサス』の原イメージともなっています。映画をご存知の方は少しイメージできるでしょうか?

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…以上3冊をご紹介して気づきましたが、どれも80年代半ばから後半に購入して読んでいた本で、ある意味、内省的な本ばかりだと気づきました。
世間はバブル景気で浮かれていた時代、20歳前後のぴちぴちギャルだったはずの私はなにをしていたのでしょう…。
(;・∀・)
職場以外では、本屋・図書館、映画館とカフェしか行ってない気がします。しかもソロ活。 ディスコ? コンパ? なにそれ…?

時空が歪んでいたのかも…。そして、それは今でも変わらない…。



…他にもご紹介したい本や映画はたくさんありますが、また機会がありましたら~、ららら~♡


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