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わがままなお姫様と呪いの老魔女

両者は同一人物である。
あれはイヤ!これもイヤ!ぷんぷん!
わがままもかわいらしく見える若きプリンセスがそのまま歳をとると、目に映るすべてに文句を言い毒林檎を煮るババアになる。

ソースはうちの母親。

父や叔母の話、かつ母の若い頃をみると
母はたいそうな美人で、
街を歩くとナンパの嵐、
アッシーくん候補が複数いて、
わがままで激情型の女だったそうな。
気に入らないことには頑として首を縦に振らない、すぐブチギレる、
だから顔に釣られただけの大抵の男はその面倒臭さを見抜いてさっさと逃げていった。

うちの父は鈍さが幸いし結婚することとなった。

割を食ったのは子供たちである。
なんだかわからないが常にブチギレている母。
まあ色々大変だったのだろうけども。

いま齢七十。
母は目に映る全てに毒つく婆となった。
ハマスに怒りイスラエルに怒りアンミカを罵り新しい炊飯器を臭いといいズボンを履きづらいといい寒くて狭い家だと喚く。

なんだかかわいそうになる。

これを言っているのが18歳の処女なら可愛いかもしれない。

姥捨山の存在理由がわかる。

魔女狩りとは、暇を持て余して世に呪詛の言葉を吐き続けるようになった老婆をちょっと火に炙って黙らすイベントだったのではと空想する。


わたしにできることは、
同じ轍を踏まないようにするのみ。

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