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お買い物 3ヶ月ルール

欲しいものがあるとき、「一旦待ってよく考えてみる」ことは本当に必要だと思う。よく言われることだし、「よく考えた上で欲しいんだってば!」と思って買い物しているつもりでも、本当に欲しいものとの出逢いは、実はそう簡単には訪れていないようである。一目惚れして、「運命の出逢い」と思い込んでいるだけで。

私がこのことに改めて気が付いたのは、幾つかのECサイトで「お気に入りリスト」や「ほしい物リスト」に登録したものを何とはなしに眺めていたときだった。以前のわたしは、このリストに入れたものは数日、遅くても数週間以内に購入を検討していたものだった。「欲しい!」と思ったらひとまず登録していたので、もちろんそこで「買わない」と判断することの方が多い…けれど、短い期間の判断で「買う」とするアイテムもたくさんあった。

だけど。あるとき、私は自分のお金の使い方を反省して、手始めにお気に入りのブランドのオンラインショップやZOZOTOWN、BUYMAなどの簡単に欲しいものを探せてしまうお気に入りのサイトたち…を眺めることをやめてみた。こういうサイトは、正直眺めているだけで楽しい。でもあまりにも簡単に欲しいものが見つかってしまいすぎるし、しかもお気に入りリストに入れたアイテムが値下げしたり在庫が少なくなったりするとご丁寧にメールで教えてくれたりしてしまうので、物欲から離れることが難しくなる。見ていると、本当に楽しいんだけど…

この「見ないこと」の効果は抜群で、見なければ「欲しいもの」はなかなか生まれない。もしかして、見なくても欲しいアイテム(寒くなってきた、首もとさえ温めればきっと改善されるから、温かいマフラーが欲しい!みたいな)こそが本当に必要なものであって、見て初めて欲しくなるアイテムは大抵いらないものなんじゃないかって気がしてくる…。

そうしてそういったサイトを見ることをやめて、数ヶ月が経った。あるとき、BUYMAのサイトからバースデークーポンが届いたので(こういうクーポンも、欲しいものがあるときはもちろん有効だけど、クーポンのために欲しいものを作ってしまいがち。〇〇円以上ご購入で今だけ〇〇円オフ!も、買わなければタダなのだ)、久しぶりにサイトを覗きに行ってみた。

「そういえば私はほしい物リストに何を入れていたんだっけ?」

そう思ってリストを見に行って…ちょっとびっくり。「ほしい物リスト」に入っているものが、今は全然欲しくない。たった数ヶ月の間に、「欲しい」の基準や好みが変わってしまっているのだ。当時は小さめのショルダーが欲しかったのだけど、最近はどうしても持ち歩きたいノートがあるのでそのショルダーでは入らない、といった理由で欲しくないものもあるし、単純に今の好みに合っていないアイテムもある(自分の中でのお気に入りのカラーがグレージュで、なんでもグレージュが欲しい!と思う時期があったけど、今はどちらかというと汚れが目立たず合わせやすい黒が欲しい…みたいな)。もちろん、中には今でも欲しい!と思うものだってある。そういうものは大抵、値段もべらぼうに高かったりするのだけど…。

そしてそもそも、しばらく見ないだけで「何が欲しかったっけ?」のレベルでしか欲しくないアイテムは、買ってもすぐ飽きるだけだと思う。しばらく目にしていなくても、「あれが欲しくてたまらない!」と思えるアイテムこそが、本当に欲しいもの、自分を満足させてくれるものだと思う。そういう意味では、前述のようなECサイトでよくある「お値下げメール」の類は本当に物欲をリマインドする悪魔だ。見なければ忘れるものもメールが来てしまうことで、欲しかったことを思い出す仕組みになっているのだから。

これを踏まえて、買い物をするときは「3ヶ月待つ」ことをルールにしてみようと決めた。3ヶ月後に欲しくなくなるものにお金を払うなんてまっぴらだから。

これから秋が来て、冬が来る。ニットにセーターにコートにマフラー。お買い物がますます楽しくなるシーズンだけど、女心と秋の空は変わりやすいものだと認識してお買い物の作法を見直したい。



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