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天生諷★小説
2014年10月29日 00:00
焼けた石畳から立ち上る陽炎。 立っているだけで、じっとりと汗が滲むような暑い夏の日。 リンドウ王国の王城前広場は騒然としていた。 広場の中央には処刑台が築かれており、その周りを取り囲むように黒山の人だかりができていた。 これから、処刑が執行される。 対象は十歳の少年。 つい先日、彼は御剱(みつるぎ)見聞と呼ばれる国家の将来さえ左右しかねない場所で、一振りの剣を手に、一〇〇