魂のABハイフレイムと共に一年を振り返る

1. はじめに

 こんにちは。kiraです。本記事は以下の内容で構成されています。
  ①私がバロムさんのファンであること
  ②カスタムロボと共にあったこの一年が、いかに充実していたか
  ③魂のカスタムとの向き合い方
  ④バロムさんをメロメロにした話
 ①、②、④はともかく。
 ③、カスタムロボV2プレイヤーの方の中には、「このパーツを愛してやまない」「このカスタムが自分のアイデンティティだ」という方もいらっしゃると思います。私は、各プレイヤーが個性を発揮している状態が理想だと考えており、実際、その状態にあります。各位がさらに個性を磨く上で、私の経験が参考になりましたら、とても嬉しいです。

 昨年7月にカスタムロボV2がSwitchOnlineで配信され、もうすぐ一年が経過します。本記事は、我が魂のカスタム(ABハイフレイム)を主軸に、私のカスタムロボV2対戦を振り返ります。

 6月18日、第9回ポケレッド杯が開かれました。私は準々決勝にて敗退、ベスト8という結果でした。
 この1戦目、私のカスタムはABハイフレイムでした。この試合、HP差798を逆転して私が勝利しました。勝ちを拾った瞬間、続く2,3試合目のことが真にどうでもよくなるほどの充実と高揚を得、また、試合を後から振り返った時、私はABハイフレイムの到達点の内の一つに成ったと確信しました。同時に、本記事を書くことを決意しました。
 ABハイフレイムは、カスタムロボV2が配信されて以来、初期から使い続けてきたカスタムです。6月17日の大会でも使用しました。
 ただ、配信から今日このときまで、常にこのカスタムを使っていたわけでも、信用していたわけでもありません。紆余曲折を経て、まさに6月18日、ABハイフレイムが完成したのです。
 「ABハイフレイムの到達点に立った」「ABハイフレイムが完成した」と言っても、勝てるカスタムになった、という意味ではありません。そのあたりも含めつつ、一年を振り返っていきます。

2. ABハイフレイムの紹介

 一年を振り返る前に、カスタムを簡単に紹介します。

上が私のABハイフレイム。下のように、ロングバーニアレッグを履く運用もある

 AB(エアリアルビューティー)は、空中での小回りを特徴とする多段ジャンプ型のロボです。空中ダッシュを持たないため、相手との距離を詰めたり離したりする動きは苦手ですが、小回りの良さから細かい位置調整は得意で、多段ジャンプにより高度を出すことができます。以上の特徴を生かして、相手を攻め立てたり相手の攻撃を回避したりします。
 ABについては、昨年10月に考察記事を書いています。今の私と当時の私では考え方の違う部分もありますが、良ければ読んでみてください。

 このカスタムはハイジャンプレッグを履いています。通常ジャンプが高く速くなり、瞬発力を得ます。
 ガンはフレイムです。有限射程のガンです。
 ボムはクレセントP。空中型ロボの鉄板ボムです。
 ポッドはウェーブ。非常に火力が高く爆風の大きいポッドで、あらゆる場面で活躍します。ABにとって使いやすいポッドです。
 相手からの接近を拒否しやすいパーツ選択になっています。一方、こちらから攻撃を当てるには接近が必要です。フレイムもウェーブも有限射程で、遠距離では攻撃手段がクレセントPしかありません。

 私の立ち回りは、通常ジャンプを繰り返しながらクレセントPとウェーブを撒いて待ち、相手が攻撃を当てようと接近してきたところを回避・迎撃するスタイルです。ABハイフレイムに限らず、私は自分から攻めることはあまり得意ではありません。

3. 配信初期【ABハイフレイムの誕生】

 最後にカスタムロボV2を遊んだのは本配信の8年前、CPUしか遊ぶ相手はいませんでしたが、旅立ち編スタートから無敗でゴールドタワーまで行けるくらいの状態でした。ところがぎっちょん、さすがに8年も経つとCPU相手に負ける! そんな中、唯一、CPU相手によく勝てていたのがABでした。

 ABハイフレイムはオリジナルカスタムではなく、ある方々の2カスタムを合体させたものです。私はカスタムロボV2対戦会の動画を見ていました。一時期、クレセントPウェーブが流行っていましたね。

上下それぞれ別の方のカスタム。下はフェザーの場合もある

 戦い方も、アレンジ元から輸入しています。
 元カスタムのスターダストからフレイムに変えたことに論理的な理由はありません。元カスタムの使用者へのリスペクトもあり、スターダストで使い続けることが恐れ多かった、という心情的な理由です。私のABがフレアなのはアレンジ元の影響です。

 配信2日目だったかと思います。とある方のYoutube配信にお邪魔して初のオンライン対戦を行いました。ロックマンエグゼ6の対戦で有名な方です。全パーツ開放した後、たまたま覗いた配信を見ていたらオンライン対戦しているではありませんか。勇気を出して参加してみました。初対戦はレイⅡバーティカル。バロムさんのジャベバーティをアレンジしたもので、8年前最後に遊んだ時にも使っていました。見返したらシーカーFの対近まで決めていた。すげぇな自分。

 そしてこの配信で、私が密かにファンとして好きだったバロムさんを含む4名で2on2をします。あの対戦会動画で見かけた名前の人と遊ぶことができて本当に感激でした。ちなみに、ABハイフレイムはバロムさんと共闘した2on2戦が初オンライン対戦です。私のABハイフレイム研究はこの試合から始まったんですね。図らずも、バロムさんと始まった。運命ですね。私、なすさんがバロムさんにファン認知されていたの妬いてたんですよ。こういう話もどんどん出して振り返っていきます。
 以下の2ツイート、上は当時(2022.7.18)のツイート。個人名なんて出していないのに、バロムさんがしっかりいいねを押してくれました。下はレイⅡバーティカル。

配信内で出したカスタム
レイⅡバーティカル
WSニードル(トマホークBジャンピングG)
カリン(初代カスタムロボ グレートロボカップ予選)
MGVレーザー(ガリチョンポ式?)
ABハイフレイム

4. 配信初期【大会ベスト4とポケレッドサーバーへの加入】

 それから一週間後、有名な実況者が大会を開催します。私はこれに気まぐれで出場しました。たぶん、初オンライン対戦がすごく楽しかったから、もう少し遊びたくなったんです。

 トナメ表を見ると、今も見る名前の人が結構いますね。
 配信台以外の試合も含めて、覚えている範囲で書いてみます。

★1回戦
SSフェザーニードル VS ホークマン(ニードル?) in フューチャーコロシアム
ストーリーでABの次に使いやすかったのがSSフェザーニードルだった。
相手がスタンダードボムスタンダードポッドだった。たぶんシークレットモードで間違えたのだろう。自分も慣れてないから気を付けようと思ったのをよく覚えている。⇒5回戦
★2回戦
ABハイフレイム VS ABアーク in フローズンフィールド
序盤にリードを取られるも巻き返して勝利。相手はクレセントCだった。Pなら当たってる場面があって、相手がCだったから勝利できた感じがある。
★3回戦
SVフェザーフェニックス VS SVフレイム in ゴライアスベーシック
事前情報「SVフレイムとSVドリルで、勝ったほうが自分の対戦相手になる」。
ステージはゴライアスベーシックだったためフェニックスを選択した。相手はSVフレイムorドリルの可能性が高く、逃げるためにSVフェザーを合わせた。この頃から対戦相手の情報を活用して出すカスタムを決めていたようだ。
★4回戦(準々決勝)(配信台)[3時間26分30秒頃~]
SSワイドニードル VS リトルニードル in マグマインフェルノ
めぐみんさんとの対戦。ステージに困ってSSを選択。1回戦はSSフェザーにしたが、準々決勝まで来るとSSワイドでないと厳しいと考え、初のSSワイドに挑戦。めぐみんさんのシークレット解除でリトルが見えてしまい、コックローチGからシーカーFに変えるクソムーブをかます。振り返るとどう考えてもコックローチGで良くて全くシーカーFが機能していない。機動力で逃げてるだけで勝った。SSワイドはチート。
★5回戦(準決勝)(配信台)[3時間31分頃~]
ABSFハイフレイム VS MGハイマグナム in バースデーケーキ
黒い何かさんとの対戦。彼がBLACKさんだと気づいたのは、決勝が終わった後。
痛恨のロボ選択ミス。ロボキューブからの変形を見た瞬間に自分で驚く。コメント欄でレイⅡが歓迎されているが、レイⅡにこんなパーツ合わせるわけないやろ!
動きが固すぎて何もできず終了。アイドリングDが上手い。

 その後、ポケレッドさんからDiscordサーバーに誘われます。インターネットで特定コミュニティに所属することへの抵抗から、2週間も悩みました。でも入ることを決意しました。
 ポケレッドさんのほうから誘っていただかなければ、自分からは参加申請しなかったでしょうね。本当にありがとうございます。おかげで充実した一年でした。

5. ~11月中旬【AB研究の華】

5.1 対戦していた場所

 この時期は、サーバーでの対戦募集より、Youtubeでの各配信にお邪魔するのが多かったように思います。
 サーバーを積極的には利用しなかったのは、特定コミュニティに浸かるのが怖かったことが一つ。次に、当方は無線環境であり、気にする人が一定数いると思ったのが一つ。
 あしたのボンさんの配信によくお邪魔しましたね。淡々とひたすら対戦ししていくのが好きだった。この時期は、平日でも夜遅い時間まで遊んでいました。この配信の対戦の中で、私のABハイフレイムの基礎が定まったように思います。
 命綱さんの配信で対MGスナイパーの経験を積み始めたのもこの時期ですね。2007年のカスタムロボV2対戦会動画でお名前があったかと思います。カスタムファイターを作っているのも以前から知っていました。実際に対戦募集配信へ飛び込んでいくのに勇気が要りました。カスタムロボガチ勢との対戦経験を積みたかったから参加しました。
 12月以降、平日の夜に眠りたい気持ちが出てきてから、Youtube配信への参加頻度が落ちていきます。

5.2 AB研究

 グレートロボカップ全国予選やポケレッド杯が行われる傍ら、私はABの考察と研究を行いました。

(1)ABの対スナイパー、対リトル

 まず悩んだのがこれでした。サーバー内にリトル使いが多く、スナイパーも流行り始めます。
  ABハイフレイムはなぜスナイパーに弱いのか?
  そもそも本当にスナイパーに弱いのか?
  ABハイフレイムはなぜリトルに弱いのか?
 私のAB研究が始まりました。
 対スナイパーについては、弱くない、というのが現段階の結論です。対リトルについては、ABハイフレイムなら厳しいです。

(2)対リトル用ABの開発

●フレア/スナイパー/アイドリングD/ウェーブ/ハイジャンプ

 オンライン配信以後、自分でまじめにカスタムを開発したのはこれが初めてでした。

(3)ABの、ボムポッドによる機体制御

 (2)で開発したカスタム、アイドリングDを使用するうち、ABの機体制御について考えるようになりました。
 今でも、ABで培ったボムポッドによる機体制御技術を生かして戦っています。

(4)ABハイフレイムのジレンマ

 私のスタイルは、相手に接近してきてもらったところにフレイムを合わせて拒否、カウンターする動きが基本です。しかし、相手の接近を拒否するためにフレイムを持っているのに、フレイムが有限射程であるゆえに、相手側視点ではABへ接近していく必要がなくなる、というジレンマに気が付きました。

(5)ABの対高空対策・ABは高空系なのか?

 9月頃には高空スナイパーが普及していたようです。正面からの発射に対しては回避のしようもありますが、頭上を取られると厳しい印象です。それは今も変わっていません。
 続いて、同時にABは高空系カスタムとして運用できるのかを考えました。当時は高空系ではないと結論付けました。今なら「ロングバーニアなら高空系」と答えます。

(6)逃げる相手を追う

 ABハイフレイムでは逃げる相手を追えないと結論付けました。相手に追わせる展開が理想だと考えます。

(7)ABというロボの本質

 命綱さんの意見も受けつつ、ABというロボの本質に迫りました。ABは動きの最大出力が低い。代わりに、その低い最大値の範囲で、プレイヤーの意志を素早く反映した出力が可能である。この考えは今も変わっておらず、後述の「9. 【ABハイフレイムの真髄】」に繋がります。

(8)AB考察記事の執筆

 以上の考察をするなか、ABの師匠を欲しました。しかし、少なくともサーバー内には、ABをメインに使用して結果を残している人がいなかった。
 だったら、自分がこれまでの考察内容を整理して、悩めるAB使いを導けばいいのでは?ということで、2節にて貼ったAB考察記事が生まれました。
 色々な方に読んでいただき、実際にこの記事を参考にABを動かしてくださる方もいて嬉しかったです。

5.3 パワーレギュレーション調整の打診

 年末のサーバー内イベントに向けて、弱ロボのアッパーを目的としたパワーレギュレーションが導入されました。
 ABのアッパーについて、11月上旬、ポケレッドさんから内々に相談を持ち掛けられました。ABのアッパーはレギュレーション調整班の間で明確な結論が出なかったようです。AB考察記事を読んでいただいていたそうで、ABの専門家として打診を受けました。AB使いとして認知されていて嬉しかったです。
 内容は、ABの違法レッグです。色々と試した結果、この時点では「ゴウセツレッグは、ハイジャンプ派にとってもロングバーニア派にとっても強化になる」と考えました。
 パワーレギュレーションリリース後は、以下の記事のように、「ハイジャンプとロングバーニアの合いの子。総合力は高くなるが中途半端にもなる」という結論となりました。
 ちなみに、年末イベント以後、さらにパワーレギュレーションの内容が更新されます。

5.4 大会への出場

 AB考察の傍ら、その成果を確かめるべく大会に出場しました。

(1)命綱さんの大会 2022.10.9

★2回戦 VS NOKさん [40分30秒頃~]
1戦目
SVフェザーフレイム VS BBVレーザー
序盤にリードを取った後、ABフレイムの経験値を生かして待ち。立ち回りに問題は無いと思う。
今大会の準決勝がごりさんなのだが、この時期、既にSVの着地キャンセルが実用化されてきている。SVかっこよくて好きだから扱えるようになりたい気持ちはオンライン配信初期からあった。着地キャンセル実用化に合わせて、サブにSVを持つことを検討し始めた時期。
2戦目
BBスナイパー VS ABロングスナイパー
AB使いだからと言ってABにスナを当てられるわけではない。今でも対空でスナイパーを当てるのは苦手。
3戦目
ビットスタビライザースナイパー VS BBスナイパー
ドルフィンGの地上撃ちと既に友達になっている。ちなみに空中撃ちとはまだ友達になれていない。
★準決勝 VS ごりさん [1時間5分頃~]
3戦とも、ABハイフレイム VS SVスプラッシュ
この時期、既にABハイフレイムで対SVは攻めてくるSVも逃げるSVも厳しいという結論に至っている。誤魔化すためにかなりフレイムで暴れた。
余談だが、2023.6.18の大会の決勝でごりさんと対戦する前、弱気な発言をしてしまった。本大会(2022.10.9)でも、同様に弱気な発言をしている。本能がごりさんを恐れているらしい。
★決勝 VS ねこのひたいさん [1時間31分~]
上述のツイートの通り。すべてABフレイム。

(2)第4回ポケレッド杯 2022.11.12

 試合自体の詳細は上記の振り返りnote記事を参照。

 ABハイフレイムがどこまでやれるのかを確認した大会。同時に、自分がAB以外のロボを扱って勝ち進められるのかを模索した大会でもある。ベスト4実績獲得を視野に入れて出た。

 1回戦の対めぐみんさん戦、1戦目でMGスナイパーを出している。note記事の中で「練度が足りない」と言っているが、そう言う割にはよく動けていると思う。今となっては、私の主力カスタマイズである。本カスタムは通称門番と呼ばれているが、命綱さんの配信で対戦していた自分にとっては、命綱式MGスナイパーと呼びたい。いや、命綱さん起源ではなく、その前々からあったカスタムかもしれないが。
 2戦目のFOフェザースナイパー。使ったことないのに出している。「勝てる見込みがあるなら実戦経験が無くても出す」をこの頃から方針として持っていた。
 3戦目のABスナイパーは対リトル考察の中で開発したもの。ここで勝ちをもぎ取れて嬉しかったのを覚えている。

 実績のかかった3回戦、対ポケレッドさん戦。ABハイフレイムでFOマグナムに対応できると思っていた。相手マグナムに対して自分フレイムで相性有利、FOならフレイムでも捉えられるはず、と考えた。実際はポケレッドさんが上手すぎて捉えられず、敗退した。

5.5 AB使いから多ロボ使いへの道

 ABハイフレイムを主軸に使い込み、上記のAB考察と2大会を経て、「”私”のAB」が固まりました。
 取り巻く環境は、スナイパーの台頭、高空スナイパーの普及、SV着地キャンセルの実用化、WS使いの台頭。いずれもABにとって苦しい状況でした。
 「今後、ABでは勝ち続けられない」「AB以外の選択肢開拓に本腰を入れて取り組む」
 
この判断を下しました。間違っていなかったと思います。

 元々、私がABハイフレイムを使い始めた理由は「使いやすかったから」です。もっと言えば、「久しぶりのカスタムロボでCPUに安定して勝てるのがABだったから」です。ここまで研究するつもりはなかった。
 ABは使い込むうちに愛着が湧き、自分なりの拘りを持ち考察を表(オモテ)にしました。しかし、カスタムロボを色んなロボで遊べるようになりたい。いろんなパーツで遊べるようになりたい。私にはその気持ちがずっとありました。
 例えば。
 考察記事を書くうち、極めた先はSVこそ最強のロボだと結論付けました。今もその考えは変わっていません。私はSVに対し、強い憧れ、そしてある種の夢を持っています。

 AB考察は充実していく一方、その手続きはABの可能性を自分の中で一つずつ潰していくことに等しかった。

6. ~3月中旬【ABの挫折・他ロボの探求】

 12月上旬以降、AB以外のロボについて、取り扱えるよう模索を始めました。具体的には、各ロボで100戦ノックを行いました。
 この時期の出来事について、トピック順に書いてみようと思います。

6.1 ABの挫折

 2つの出来事に、心を折られた。
 1つ目は、12月上旬、私のABハイフレイムが、イブキさんのWSマグナムに大敗を喫したこと。
 各ロボで100戦ノックをするにあたり、肩慣らしにABで100戦を行いました。その時、イブキさんのWS(マグナム)にボコボコにされたのです。リザルトは覚えていませんが、50戦やって1戦しか勝てなかったとか、そんなレベルだったと思います。
 先述の第4回ポケレッド杯でFOマグナムに敗れたのもあわせて、対近距離ガン用に特化した(つもりの)ABハイフレイム、研究しメインで使い続けてきたABハイフレイムが、標的の近距離ガン”にすら”勝てない現実を突きつけられました。本当に効いたよ。じゃあ何になら勝てるんだ、って。
 2つ目は、グラスさんのABハイスナイパーです。時期は覚えていませんが、サーバー内のフリー対戦配信で観戦しました。位置取りを含めてめちゃくちゃ上手い。「自分がこれ以上ABを探求する必要はないな。ABで自分より上手い人がたくさんいる」と思い至ってしまった。

6.2 各ロボ100戦ノック

 SFとリトルレイダーを除く全ロボで100戦ノックを行いました。簡単に振り返ってみます。

●FV
 高空系テンプレカスタムを使用した。FVはジャンプ1回1回に目的を持たせることが重要だと感じた。ABは空中で小回りが利くから、とりあえず跳ねてから相手の行動に合わせて空中で動きを変えていけるが、FVはそれができないため。

●MG
 通称門番と呼ばれるMGスナイパーを使用した。我慢値を生かした位置取りを学んだ。当時は特に攻め方を考えるのが楽しかった。今は立ち回りを考えるのが楽しい。このMGスナイパーは、今の主力カスタムになっている。

●TF
 フレイムを持って、ハイジャンプ、ワイドジャンプ、ロングバーニアを履いた。空中ダッシュを持つAB、と考えると強そうなのに、なぜ弱いのかを学んだ。身体が大きすぎる上、被弾後硬直が長い。でも動かしていて楽しい。今も時々TFで遊んでいる。

●SS
 SSハイスナイパー、およびSSフェザーフレイムを使用した。SSハイは着地隙が大きく、ABと同じ感覚で「着地→ジャンプ入力」をするとジャンプが出ない。ABの小さい着地隙のありがたみを実感した。逆に言えば、ABがSSに勝っている点がそこしかないように感じた。

●BB
 BBハイグライダー、BBショートVレーザー、BBショートフレイムを使用した。BBショートの挙動は好きだったのだが、相手を追う性能が著しく低くなることに気づき、自分の中でショートバーニアの評価が下がった。

●FO
 FOフェザースナイパー、FOワイドマグナムを使用した。Vレーザーにバカスカ当たった。相手の頭上を取り続ける動きは強く感じたが、ドルフィンGの当て方が分からなかった。今も分からない。
 挙動がゆっくりしているので、プレイヤーに瞬間的な判断を求めないロボなのかな、と思った。

●リトル(スプリンター)
 スタビライザー70戦、ワイドジャンプ30戦の比率だったと記憶している。色々と使用した。100戦やって最も良かったと思っているロボ。というのも、このリトル100戦以後、自機周りをよく見るようになった。それまで、ABの使用経験から基本的に敵機しか見てこなかったため。

●WS
 ニードル、Vレーザー、スナイパーを使用した。ABから最も遠いロボだと感じた。キビキビ動くから操作していて楽しかった反面、ダッシュ入力が思ったように出ず苦戦した。それまで、機体制御で思い通りにできなかったことはあれど、入力周りで思い通りにできないことは無かった。

●SV
 フレイム、Vレーザー、スナイパー、ショット、グライダーと、色々使用した。ひっそりオフラインで練習していた箱乗りが、高度稼ぎ程度の運用であれば実戦で出来たことに驚いた。同時に、制御自体は苦手なものの、ロボの性質は自分の立ち回りに合っているのではないか、と思った。

6.3 100戦ノックの成果

 各お祭りへ参加する中で、100戦ノックの成果を確認しました。

(1)サーバー内年末イベント(紅黒ロボ合戦)

 パワーレギュレーションによる年末イベント(紅黒ロボ合戦)が開催され、私も参加しました。
 ABナイトメアを練習しましたが、結局一回しか出さず。その代わり、色んなロボで遊びました。
 これまでのサーバーの集大成を感じました。

(3)第2回GGBCarnival 2023.2.19

 グラスさんから招待を受け、参加しました。
 実は、11月の第4回ポケレッド杯以来の大会出場として、第2回GGBCupを考えていました。しかし、精神的なコンディションを理由に見送りました。
 第2回GGBCarnivalは、第2回GGBCupのベスト8メンバーに加え、各人の指名したメンバー8名、さらに運営指名枠の4名による、合計20名でのお祭りイベントだったと思います。私のGGBCup出場見送りの事情をご存じだったためなのか、グラスさんが招待してくださいました。「グラスさん!?なんで!!??」ってなりました。

 特殊ルールでしたが、100戦ノックの経験を生かしていくつかのカスタムを用意して臨みました。
 3試合やって、どれも見ごたえのある試合が出来た。各ロボで100戦ノックをやった成果が出たんだ、と嬉しかった。終わった後、早速、上記のnote記事を書きました。
 あまりに上出来だったため、この後、カスタムロボへのモチベーションが爆上がりしていきます。

 このお祭りの中で、バロムさんが私のことを「推し」認定しています。ついにバロムさんを射止めたわけです。
 もうバロムさんは私にメロメロです。他の誰でもない、私にです。先日6月18日の大会でも、バロムさん、Bブロックの運営をする傍ら、配信台になった私の対戦にコメントしていましたね。大会中は触れませんでしたけど、私しっかりバロムさんがコメントしてくれているの見てたんですからね。私側に入れ込んだコメントをしていましたね。本当なら大会運営として中立でいないといけないのに。でも私のことが好きなんだからしかたないですよね。えへへ。

当人の上記発言だけだと「推し=kira」だと分からないので、前後の文脈を込みでスクリーンショットを残しました。はやさんは私と同チームでした。私が勝利した後にバロムさんのこの発言ですから、「推し=kira」に間違いないでしょう

6.4 モチベーション

 第2回GGBCarnival以降、サーバーに対して自分はどのように貢献できるかを考え始めました。きっかけは、サーバー主のポケレッドさんがリアル多忙となることでした。

 最後のサーバー主企画として、新パワーレギュレーションでの大会が開催されました。大会に出場したいけどできない、という人に向けて、前夜祭まで行われました。ありがたいことに、ポケレッドさんから直接「参加してくださいよ!」とオファーを貰っていましたが、私は「対スプラッシュをやりたくないから出ない」と、これを一蹴。ごめんなさい。

 ポケレッドさん亡き後、バトルタワーという新コンテンツが始まります。自分は今もコンテンツに登録していませんが、極めて面白いコンテンツになっていると思います。

 続いて、第2回GGBCarnival。上述の通り。「自分ってこんな良い試合ができるんだ!」と、モチベーションが爆上がりしました。
 同時に、サーバーへの貢献を考え始めました。サーバー自体は、ポケレッドさん不在でも有志を中心に自走していました。その中で、自分に出来ることはないか?と考えた。選手として盛り上げるより、セコンド的なことをやりたい、と思い至りました。同時に、セコンドをやるために実績を欲するようになりました。
 第6回ポケレッド杯への出場を決めました。

 ところで。
 各ロボ100戦ノックが終わって以後、2月に入ってから私のカスタムロボへの向き合い方は不安定な状態でした。
 一通り遊びたいことを遊んだ後。楽しみたい、というより、勝ちたい、という気持ちのほうが日に日に強くなっていったのです。結果、楽しめなくなった。
 第2回GGBCupへの出場を見送ったのはこれが理由です。

 一方、その後に招待された第2回GGBCarnivalでモチベーションが復活し、第6回ポケレッド杯(2023.3.5)へエントリー。

 直前までモチベーションが高い状態でしたが、その2日前に通信環境不良が発生。私はあまり良くない通信環境(無線)で対戦をしてきました。サーバー加入からしばらくはそのことを強く気にしていて、対戦募集の備考欄に「自分は無線環境です」と明記していたくらい。大会に積極的に出場してこなかった理由も通信環境を心配した部分が大きいです。
 非常に高いモチベーションだったところに、自分がずっと気にしてきた通信環境不良が起き、削がれました・

 結局大会に出たのですが、1回戦のりやさんに敗退。3戦目、カウンターでフローズンフィールドを自分で選びながらMGスナイパーを出す。「何してんだろ。もう寝よ」。

 大会以後、3月中旬頃まで対戦を続けていたのですが、相変わらず、楽しむことより勝つことを重視してしまう。どうしてもモチベーションを維持することが出来なかった。離れることを決めました。

7. GW~今日まで【原点回帰】

 離れている間は、ほとんどサーバーにインしませんでした。対戦を観戦しようという気持ちすら湧かない日々。

 他のゲームを遊んでいたところ。
 荒廃した大地に一つの種が落とされました。またカスタムロボで遊びたい、という気持ちがわずかに芽生えたのです。
 思い返せば、1ヵ月半かけてこれを大事に育てたんだなと。
 本格的に対戦募集を開始するようになったのはGW明けくらいでしょうか。
 第4回GGBCup(2023.6.17)、第9回ポケレッド杯(2023.6.18)の2大会。現行レギュレーション最後の大会であり、すぐにエントリーだけしました。モチベーションを育んで維持して、この大会に出場することを目標にしました。
 そして、大会への練習を兼ねて、各ロボ100戦ノックをやっていた頃まで戻ることにしました。勝敗は気にせず、いろんなパーツを使えるようになるために遊ぶことにしました。

 そして、無事にモチベーションを維持して上記2大会へ出場。
 第4回GGBCupについては、以下の記事で振り返っています。近況を含めて書きました。まだ読んでいない人は読んでみてね。準優勝という快進でした。

 次に、第9回ポケレッド杯です。前日の大会で良い結果を残せて満足してしまった。こちらの大会は結果を気にせず気軽に挑みました。結果はベスト8。「1. はじめに」で述べたABハイフレイムの試合が配信にのりました。⇒次節へ

8. 第9回ポケレッド杯【ABハイフレイムの完成】

 冒頭に述べた試合、第9回ポケレッド杯準々決勝の1戦目を細かく振り返ります。

★4回戦 VS TKCさん(準々決勝)
1戦目 [1時間42分40秒~]
ABハイフレイム VS MGハイマグナム

 MGハイマグナムを見て、勝ちを確信。したのだが……。
 相性分析。こちらは対近特化の構成。相手はハイジャンプを履いている。MGハイは、グランダーと異なり1回のジャンプと空中ダッシュが重い。ゆえに接近のタイミングが読みやすい。こちらのフレイムクレセントPウェーブでの攻めも拒否しにくい機動力。加えて、相手が持っているのはマグナム。スナイパーを持たれていると攻め方に大幅な制約を課されるが、マグナムなのでAB側が好き放題に攻めることができる。
 次に立ち回り方針。クレセントPウェーブで待って接近にフレイムを合わせる。つもりだったのだが、一瞬で崩壊した。

 開幕。即ダッシュマグをクレPウェーブで牽制しつつ中央を取って待ち。残り116秒、相手との位置関係を見て中央箱ではなく細壁乗りを選択。残り110秒、クレPウェーブに当たってくれないのを見て、さらに距離を取って外周側の箱に乗って待ち。相手と円周上に横移動しつつ様子見を継続。
 残り103秒からの展開。相手のジャンプを見て、ダッシュ接近を警戒してフレイムを置く。その後隙、足元に空中撃ちIPがあるため多段して後退。やや無理のある多段の動きに対して接近を合わせられないようにウェーブ→クレP撃ち、その後に着地。
 残り99秒。ウェーブを偏差撃ちしながら中央箱に着地。地上撃ちクレPで最短ルートからの接近も潰しつつ、ウェーブヒット確信でフレイムを撃つが回避される。
 残り95秒、中央箱から再度展開。相手の接近ルートにウェーブを置いたが、TKCさんのダッシュ角度が上手く、ウェーブを回避しつつ詰められる。空中撃ちクレPも掻い潜られる。後退しつつウェーブ→フレイムと拒否。
 残り92秒、4角の攻防。まず、ダッシュマグを警戒してフレイムを置くがダッシュしてこない。フレイムの後隙にIP被弾。相手は箱乗りを選択。IP被弾後、ワンテンポ置いて詰めてくる。「IP被弾を見て詰めてくるか。いや詰めてこないらしい?」と思って油断したところに接近を許す。一気に392削られる。
 いくらMGハイとは言え、逃げに徹されるとリードに間に合わない可能性がある。この判断はABハイフレイムの経験から。ダウン復帰後、接近を試みて跳び上がったところに置きウェーブ被弾からワンコンボもらう。
 HP202 VS HP1000。この時点の気持ちは「まだ勝てるがやや厳しいか」。やれることをやれば勝てるのだが、一度のミスも許されない状況。立ち回りの方針は攻め。とにかくインファイトに持ち込んで削る。HPが少ないからとゆっくりやっていても、どこかでマグナムを合わせられて負ける。
 ゆえに詰めた残り79秒。ウェーブ→フレイム当て→地上撃ちクレP→ウェーブ&箱乗り→…→相手の接近にフレイムを合わせてダウンを取る。ダウン追撃後、箱乗りしようとして足を踏み外すも、相手のダウン復帰、「この位置関係、利用できる」とすぐに気づく。その場マグナムをケアして、後退歩きとジャンプを入れたところに空中ダッシュを見る。すぐに旋回してウェーブ→フレイムとカウンター。追撃を入れつつ中央箱に乗って起き攻め展開を作る。
 相手のダウン復帰後、地上撃ちクレPを置いてジャンプ→多段。これは相手の前ダッシュマグを警戒&攻め展開の維持を兼ねて高度を出した。でも、ダッシュマグは普通に当たっていそう。相手は逃げることを選択。
 残り63秒。まだ攻める。中央箱に乗りつつウェーブ、空中撃ちクレPと展開。相手の箱乗り選択に刺さって、相手は4角へ逃げる。追ってウェーブ→フレイムと撃つも当たらず。相手は浮き、こちらは着地際。ダッシュマグを合わせられてしまうも、細壁に突っかかって間に合わず。正直死んだと思った。跳んで後退してウェーブ→フレイムとカウンターしてダウンを取る。

フレアの胸に突き刺さっているが

 相手のダウンに追撃を入れつつ、高度が出た状態で相手のダウン復帰を迎えようとジャンプ→多段。寄りすぎて、相手のダウン復帰後、マグナムの射程内に入ってしまう危ない残り55秒。インファイトで勝ち切るつもりだったのでこの動きになった。相手は虚を突かれたのか、マグナムは撃たれずに済んだ。
 残り54秒、まだ攻める。続く起き攻め、無敵終わりにウェーブを重ねてフレイム撃ち。ウェーブが当たっておらず(1ヒットはしている?)ダウンを取れない。ダッシュマグを合わせられてしまうが、なんとかウェーブのリロードが間に合って相討ちに成功。残HP41、かろうじて生き延びる。
 ここからはIPも被弾できない。相手のHP残量も少なく、詰めてはこれないだろう、ウェーブを掠らせる立ち回りをしてくると判断。とはいえ、こちらも無茶な攻め方は許されなくなった。体力差は随分と埋まった。まだ50秒もあるので、丁寧にやる方針に切り替える。
 先にダウン復帰して位置取りの優位をもらう。
 残り44秒、相手に中央箱を取られる。残り43秒、意図せず細壁に突っかかってしまう。さらに相手のジャンプを確認。位置関係およびこちらの操作ミスを見て接近してくると読んでフレイムを置く。壁越しにフレイムを掠らせることに成功。フレイム発射直後に相手が撃ったウェーブ、フレイムの後隙に刺さって死ぬと思った。
 生き延びて残り41秒。状況が悪いので地上撃ちクレP細壁当て→ウェーブと撒いて対近しつつ移動。相手はダッシュ→ウェーブの選択。
 残り38秒、中央箱を取って少しでもラインを上げる。ただし無茶は出来ず、ワンダッシュの圏外へ退避しつつフレイムで接近を拒否。フレイムの後隙にウェーブが1ヒットして、残HP5。ここの置きフレイムはリスクが無いと判断して撃ったが、実際には相手のウェーブが掠ってしまった。
 残り35秒。もう何も当たることは出来ない。相手の残りHPも少ないので、時間をフルに使って慎重に削り取ることを考える。
 残り28秒、相手がラインを下げたので外壁側の箱乗りから少しずつ詰める。跳び上がってクレPウェーブでちょっかいをかけるが、残り26秒、危険な位置関係とみて空中撃ちクレPを手前側に撃って接近拒否しつつ距離を取ってウェーブ→着地。冷静。
 残り22秒、再度、外壁側の箱から展開を試みる。複数のテクニックを複合して、一度足を踏み外しつつも中央箱に乗って展開を作ったのが残り17秒。高く跳んで、ウェーブ→クレP→フレイム。フレイムを掠らせることには成功するが足元にウェーブを置かれた。苦し紛れにボムカーソルで滞空して避ける。カーソルの移動先が完璧で、相手の歩きに空中撃ちクレPがヒット。実況のトムトムバーガーさん大絶賛の滞空。
 ここまで死力を尽くして相手のHPを削り、「両者あと一発」という状況を作った。
 残り6秒、クレPとウェーブの爆風で相手を4角に封じ込める。TKCさんも冷静で、焦って爆風に当たってはくれない。残り6カウント→5カウント、空中撃ちクレPから中央箱乗りに失敗。もたついたからと仕切りなおしている時間は当然、ない。多段で誤魔化して、4角に追い詰めたところをウェーブ→フレイム。
 相手がフレイムに対して空中ダッシュ回避を選択、クレPの残滓に被弾してゲームセット。
 相手が何に被弾したのか分からなかった。見返してクレPと知る。

9. 【ABハイフレイムの真髄】

 以上、一年を振り返りました。
 過去、「ABでは勝ち続けられない」と判断したにも関わらず、6月18日、19日の大会で、私はABハイフレイムを出しました。その心境について書きます。

 私は、AB考察の中で、ABというロボの本質を次のように示しました。

(1)出力の最大値が低い
(2)最大値の範囲内で、プレイヤーの意志を素早く反映した出力ができる
(3)操作に自由度があり制御が容易である。そのため、出力が安定する

 過去の私は、(1)を重く見て「ABは伸びしろの無いロボだ」と判断し、切り捨てました。せっかく(2)という長所があるのに、伸びしろの無いもったいないロボだと。
 しかし、真に見るべきは(2)(3)であったのです。

 そのことに気づいたきっかけは、5月に対戦復帰して以降、ABハイフレイムで対戦した時です。「あれ、意外と勝てるぞ」というリザルトでした。相手の人達は決して初級者というわけではありません。
 何故勝てたのか考えて、「対ABが苦手なんだな」と思い至りました。
 ここから得た重要な本質は、”相手を選べば勝てる”という、ある意味当たり前のことでした。

 このゲームにも少なからず相性が存在します。グラビティがジャンプするロボに強いとか、ステルスダッシュ持ちのロボが近距離ガンに強いとか。
 同様に、ABで相性の良い相手とは、どんな相手でしょうか? 考えた末、「初級者」「中級者以上でABに苦手意識のある人」という結論でした。ここに、私がABハイフレイムで得た対MG経験、対グライダー経験から、「対MG」「対グライダー」を加えました。

 発展途上の初級者を相手にするときは、(1)の短所はそこまで問題にならないのです。ここに回避性能が高いという初見殺し要素・ABハイフレイムのカウンター性能を合わせると、初級者キラーとなります。しかも、(2)(3)の長所により、それを安定して実現可能です。
 一方、高空系スナ、SV、WSと、環境カスタムに軒並み弱いことは注意です。フレイムを持ってしまうとリトルにも弱いです。そういうところはひっくり返せず、初級者相手でも油断できません。
 また、上級者には、余程相性の良いカスタムを相手にしない限り通用しません。

 以上が、私のABハイフレイムの真髄であり心髄です。
 あれほどABを探求し、私の使う限りにおけるABに対して本質まで迫った。しかし、そこで私は「伸びしろが無いから使わない」という、非常に勿体ない決断を下した。
 ABハイフレイムの本質まで独自に編んだならば、次に考えるべきは「使うか使わないか」ではなく「どのような場面で使えるか」でした。すなわち、運用に関する検討をすべきだった。

 ABメインの方には申し訳ないのですが、私は今でも、ABはいわゆる環境カスタムに対して結果を出すには厳しいロボだと考えています。
 真髄などと大袈裟に書きましたが、特段、ABの新しい使い方を思いついたわけでも、私のAB技術が向上して最上位の人を相手にも勝てるようになったわけでもありません。ようやく、ABハイフレイムの運用方法に思い至れた、という話であります。

 ABのことをさんざん「伸びない」と繰り返してきました。私は、これを打ち破り新たな可能性を拓く人が出てくることを、今でも期待しています。自分は心を折られ諦めてしまいましたが。
 また、今、「自分のアイデンティティを何らかの理由で切り捨てた人」がこの記事を読んでいるならば。切り捨てた理由はそれぞれでしょうけれど、私のように「勝ち切れないから」であったならば。運用について検討してみてください。あなたのその個性・努力・情熱は、絶対にどこかで何かの形で生きます。
 
それが、あなたの魂の真髄です。

10. 余談

(1)
 本記事、AB"ハイ"フレイムと呼称しました。これまで私はABフレイムと言ってきました。
 ”ハイ”と付けた理由は、”ロング”との運用方法の違いについて、ようやく得心がいったからです。正式に"ハイ"と付けて区別します。
 私は現在、ロングバーニアを高く評価しています。パワーレギュレーションの考察でゴウセツレッグを履いた時に、ロングバーニアも強いなと思いました。自分が使うときはハイジャンプを履きますけどね。
(2)
 ABが苦手な相手は何なのか、というと、スナイパーとかグラビティとか、そういう特定のパーツではない気がします。
 ABというロボは、標準以上の機動力を持つ”ロボ”に弱い。今はそう思っています。
(3)
 解釈次第で次のような誤解を生むと思ったため、追記します。
 ABハイフレイムの仮想敵の内の一つに初級者を挙げました。
  ①初級者に対して弱いカスタムを出して遊んでいるだけなのでは?
  ②ABハイフレイムを私に出された⇔初級者だと思われている ということではないか?
 すなわち、初級者相手の舐めプではないか、という誤解です。
 これに対して、
  ①初級者相手に全力で勝つためのABハイフレイム、という位置づけです。勝つために真剣に考えた結果です。
  ②同値ではありません。私視点で、相手が初級者⇒ABハイフレイムを出す、は真ですが、その逆は偽です。中級者以上の相手にも条件次第で出します。例えば8節で解説した試合、相手は優勝経験のあるTKCさんです。BBハイグライダー読みでABハイフレイムを出しました。


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