小島俊一

広告業界でデザイナーやプロデューサーをして30余年。小さな会社を経営して8年。50にな…

小島俊一

広告業界でデザイナーやプロデューサーをして30余年。小さな会社を経営して8年。50になり、ずっと気になっていた「人の心に響くものを作りたい」に向き合うべく、脚本の勉強をしつつ、研究会を始めた。ここでは、コンテンツ作りに関するあれこれを扱ったり、たまに作品を載せたりする。

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同じ教室の学友が、作家としてデビューした。 オーディションの原稿を作っているときは、私もデビューを目指して必死だった。考え付く準備はすべてやった。執筆中の原稿を読んで、我ながら涙が出るくらいのものができた。ライバルに負けるもんかとフルスイングした。 でも、私は選ばれなかった。 結果を聞いた時、当然、残念だった。一方で、こんなに簡単なはずない、むしろ順当だと思ったし、まだまだ私が知らない、使えていない武器がある事を思い知った。それに、共に学んでいた人がデビューできたなら、

    • シナリオコンクールのリスト

      コンクールってどんなものがあるのか、ざっくり調べ、リストにしました。 すでに募集が終わったものは、今後の執筆スケジュールを組む際の次回開催時期の目安としてご参照ください。 応募要項は各コンクールのページをご確認ください。 映画・ドラマ・ラジオ脚本NHK名古屋放送局 創作ラジオドラマ脚本募集 https://www.nhk.or.jp/nagoya/sp/station_info/wanted_radiodrama36_detail/index.html 締切 2020年11

      • 【制作方法】つらくても、期待されれば生きていける話をどう設計したか

        つらい目に遭っても、誰かに期待されたら生きていける話、「また乾杯するために。」をどのように制作したか、備忘録と手順の検証のため記します。 制作にあたって、闇雲に作ってまぐれ当たりを待つ余裕はないので、効果的に人の気持ちを動かすセオリーを使って、できるだけ「おもしろかった」に近づけることを目指しました。 面白く観られる作品には、共通する要素があります。 たとえば、三幕構成や物語の型、キャラクターの立て方、感情ラインなど、コンテンツの品質を高めることができる、原則のようなもの

        • また乾杯するために。

          親しい人に「花ちゃん」と呼ばれていた女が、床に突っ伏して動かなくなった。 顔の反対側に落ちたスマホが、催促するように震えている。 その画面にメッセージが表示される。 「これで終わりだと思わないでください」 目がかすみ、何も見えない。ぼんやりと思う。 「どうしてこうなった」  * * * 2019年4月8日。 ビアホールの壁際で、宇田川花は飲み会の参加者を眺めていた。 花が担当する白兎(はくと)が、クラフトビールブランド『ロングアイランド・ブルワリー』を立ち上げた。そ

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