やっぱりクソ映画が好き〜シックス・ヘッド・ジョーズを観た〜
サメ映画は田舎のおじいちゃんおばあちゃんとよく似ている。
実際に遠方に住む祖父母がいるひともいないひとも何となくわかるだろう。
孫が一度好きと言ったものは何年経っても遊びに来るたび出してくるし、ついつい量を作りすぎてしまう。
映画配給会社アサイラムもダブル・ヘッド・ジョーズのヒットから多頭系サメ映画を延々と作り続け、ついにサメの頭が六つになるまでに至った。
〜シックス・ヘッド・ジョーズ〜
多頭系サメ映画はダブル、トリプル、ファイブ、シックスときて4だけがない。
ここも縁起が悪い数字だからと4を嫌う、迷信深い田舎のおばあちゃんっぽい。
ちなみに今作のキャッチコピーは「その恐怖、地獄の番犬≪ケルベロス≫2匹分」。
サメの頭より製作陣の知能指数をもう少し多くしてほしい。
舞台は海上に浮かぶ孤島。ここでは倦怠期のカップルの関係を綺麗な海を見ながら楽しくキャンプをして修復しようというセラピーが行われている。要は格好のサメの餌置き場。
ちなみにキャンプセラピーを企画したインストラクターは常に喧嘩腰な上、妻とも経営を巡ってギスギスしているので、ライ○ップのトレーナーがクソデブだったくらいに信用ならない。
無意味な人間関係のいざこざを散々見せられた後で、ようやく六つ頭のサメが登場する。
こいつは冷戦下で秘密裏に作られた生物兵器らしく、心臓を止めないと無限に再生する厄介な性能に加え、なぜか頭部が着脱可能で放り投げると爆弾として利用できる。なんかチェンソーマンで観たことあるな。
サメのスタイリッシュなフォルムは完全に死に絶え、もみじ饅頭みたいな頭を駆使して上陸してきたりと、動きは相当気持ち悪い。
というか、頭を歩行に使うんなら、六つあるうちの四つを普通に脚とかに回した方がいいんじゃないか?
六つ頭を活かした攻撃は特になかった。
台風が来るかもしれないと大騒ぎした割に何も関係なかったり、グラフィックのコピーアンドペーストが上手くいかなかったのか、サメが伸びたり縮んだりと、プロットと演出の破綻はよくあるサメ映画だ。
シックス・ヘッド・ジョーズというタイトルで視聴を決めるような観客には絶えられる範囲だと思う。
次はセブンヘッドになるのかなぁ。
それなら、無意味に欠番している4を補ってほしい気もするけど、いっそサメの頭を減らして……それ普通にジョーズだ。
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