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「カモのネギには毒がある」読書メモ

漫画好きです。大好きです。iPadに入っている漫画アプリは5個ほど。
幅広く読みます。アフロ田中はバイブルです。大好きです。

最近買った漫画で面白かったのが「カモのネギには毒がある」です。

2巻がなかなか大作で面白かったので、そのメモです。ネタバレ含みます。

上京してきた大学生がマルチ商法にハマるまでのストーリーと、マルチ商法の売り方、背景にある行動経済学、そして、そのマルチ組織を行動経済学で壊滅させていく加茂教授、、、勉強にもなるし面白い。

福島の田舎から上京してきた僕は、東京の大学でのキャンパスライフを楽しみました。特にマルチ商法の勧誘なども受けなかったので、そういったものを何も知らないまま社会人になり、友達経由でのフットサルに行き、新たな友人が増えました。そしてその友人宅に招かれてのおウチご飯パーティー。

わーい、楽しみー。と浮かれて行きましたが、ん?と最初から違和感がありました。5−6人ぐらいだったのだけど、みんなマイボトルを持ってる、、、飲みなのに?水を入れて置いている、、、、

その後も料理などが出てくる際には、鍋がいかにすごいかをアピールする、、、なぜか世間話からシャワーヘッドの話になり、その水がいかに大事かを言われる、、、

違和感だらけで帰った僕は、ネット検索をしました。アム、、、、。
あ、なるほど、そういったネットワークビジネスというのものがあるのね、、、と、20代後半で初めて知るぐらいの世間知らず、そして単なる友達だと思っていたからこそのショック、、、

幸い大学時代の友達、彼女、会社の同僚など友人に恵まれていたので、距離を取って終わりでしたが、もし孤独だったら、、、と思うと、漫画に出てくる主人公(マルチにはまる青年)に若き日の自分を重ねて読みました。

漫画では、大学生の春木くんの不安な大学生活からスタートです。

アンケートからのサークル勧誘、そこで仲間との楽しい時間を過ごしていく中で充実感を得て行きます。
そして、打ち解けてバイトを探し始めたタイミングでの、化粧品のネットワークビジネスのお誘い。

これってマルチでは?と思った春木くん。他のサークルメンバーにも相談しますが、みんなそれをやっていて、さらに巧みな言葉で誘います。

「大切な人だから」「人と人との繋がりを大事に」「大量消費大量生産ではない、ムダの少ない時代に戻そう」「仲間じゃん」

そのサークルメンバーも先月20万稼いだとか47万を楽に稼いだなどの言葉もあり、、、

そういった言葉で15万の商品を仕入れますが、さっぱり売れず、、、

商品仕入れの時に、経済学の課題の答えに気づきます。

課題「1万円の商品を2万円に値上げして、なおかつ売上個数を倍以上にするにはどういう方法があるか考えてみよう」

春木くんが気づいた答え「1万円の値打ちしかないものに『楽して儲かる』の甘いコーティングをかけて、2万円で大量に売り捌く、、、これがマルチ商法であり、課題の答えでは、、、?」と。

そんな春木くんが入ったネットワークビジネスのパーティーに加茂教授も潜入します。

パーティーは豪華で、一流ホテルで、お笑い芸人やミュージシャンのパフォーマンスがあり、豪華なお酒や料理、しかも招待されてるかたタダ!そして、主催者(代表)のスピーチが始まります。

いつものように愛車のフェラーリで来たという代表。

まだネットワークに入っていない非会員の人たちに向けて「なんでこのビジネスに興味を持ちましたか?」理由は「今の生活に満足できていないから、ですよね?」と。

では満足できない理由は何か?代表は続けます。

悩みは「お金」「人間関係」で解決できる。と。

嫌われる勇気を書いたアドラーも言っていますね、人の悩みのほとんどは人間関係だ、と。

「もし今あなたの手元に1億円転がり込んできたら、悩み解決しませんか?」
「もし気に食わないやつを消し去れる能力があれば、悩みは解決しませんか?」と。もう入ってしまいそうだ、、、

そんな人はこのネットワークビジネスをやれば良い、と代表は続けます。

これは、「人とのネットワークを構築するビジネスです
自由です。「誰とつながるか」はあなた自身が好きに選べます。
嫌な先輩や上司は必要ない、心地よい人間関係だけの世界が生まれ、その広がりに応じて報酬を受け取れます。

「自由になって世界を広げましょうよ」
幸せのネットワークを繋いで、みんなで幸せになろうじゃありませんか!」と。そしてみんな熱狂、僕も入ってますね、ここにいたら。

と、ここでパーティーは終わりますが、後日、加茂教授はこの仕組みの嘘を喝破していきます。

特に「信頼できる人とだけ繋がる」というのは全くのウソで、それに応じて入ってくるお金が変わるから自分のラインに入ってもらうように勧誘する、つまりカネが全ての関係だ。と。

「ネットワークを繋げば皆幸せになる」も完全な嘘で、その後末端会員にアンケートを取ったら、末端会員の92%がお金に困っていて、94%が入ったことを後悔している。と。

まあ、そういった仕組みなので、上澄みの人たちが美味しい思いをして、末端が苦労して、という構図ですが、これまた資本主義社会も似たようなものなので、なんともな、、、、と思いますね。

トリクルダウンなんて起きてないし、資産がある金持ちはもっと金持ちに、貧困層は厳しいまま、、、

で、ここから加茂教授はこのマルチ組織を潰すべく、いろいろ仕掛けていくのですが、非常に勉強になる、かつ面白いのでオススメ漫画です!

他にもマルチをやめにくい理由としての、サンクコスト効果の説明があったり、アドラーの言葉があったり、勉強になります。

サンクコスト効果
人間は投資した時間やカネが多いほど途中でそれをやめることができない。

なので、一度入ると取り戻すまでなかなか辞めない。

高すぎる目標は意欲をそぎ、見える目標は勇気を与える。アドラー

なので、良い成功者が身近にいて、そこに憧れてみんな頑張る。


そして最後は春木くんはネットワークビジネスに失望します。
「信頼できる人とだけつながる世界を作る」のがネットワークビジネスかと一瞬期待するけど、その中での関係性はお金で繋がっている関係で「どうでもいい人だけでつながる世界なんですね」と、なってしまう。

そして、ここでチャンチャン、となるのですが、まだ続きがあって、この代表も実はマルチ組織のカリスマから教わっていて、そこからまた話が展開していく、、、3巻に続く、、、

めちゃ面白い!しかも本当にタメになる。なんなら、自分が軽く経験しそうになったことなので、共感できる。

ネットワークビジネス自体は違法でもないし、商品も良いもの多いだろうし、全然否定はしないのだけど、その仕組み自体が一部の成功者と大勢の苦労する人を生み出すもの(ある意味資本主義と似てる)なので、好きじゃないなー。。。

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とか、やり始めたら、あ、お前もそっちにいったのね、と思って静かにブロックしていただければと思います。


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