【経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える】読書メモ

これも昨年読んだ本のメモです。

少し古い本なのですが、あまり時代などは関係ないような本なので、面白いです。気になった言葉のメモです。

現代の幸せは経済的な豊かさのレベルに比例するのではなく、経済的な豊かさの出発点がどこであろうと、その増加レベルに比例する。

経済的に成熟してしまった日本よりも、アジアの新興国の方が、絶対的な豊かさは日本でも、増加レベルは圧倒的にアジア新興国です。この「増加している」っていう感じが経済的な幸福につながるのはとても納得です。

幸せとは何か?という根本的な質問について
①経済状態
②家族
③健康

なぜ経済的に豊かになっても幸せになれないのか?
答えは、消費は麻薬のようなものだからだ。
それなしでは暮らせない。
消費は依存を生み出す。
消費がもたらす喜びは儚いが、消費を奪われたときの絶望感は大きい。

この消費をいかに自分でコントロールできるかが幸せコントロールにも繋がりますね。欲望の資本主義という本での歴史家ハラリの言葉がとても納得しました、抜粋します。

資本主義は人々の欲望を前提としています。そのシステムでは、人々は欲望が1つ満たされた瞬間には別の欲望を持つことを推奨されます。例えば広告業界です。広告業界の仕事の99%は、もともと存在していなかった欲望を作り出すことと、すでに存在する欲望をより大きくすることです。広告を見るまでは必要だとも、手に入れたいとも思っていなかった商品やサービスが、広告を見た後には、それを必要と考え始め、ないと惨めだとさえ思ってしまう。広告は人々をそう仕向けています。幸福は商品やサービスを買うことだと思わせるのが、広告の仕事です。ー欲望の資本主義3より抜粋

地球や人にとって本当に必要なもののマーケティングなどもある一方で、大多数は不必要な物をマーケティングという素敵風な言葉で渇望させ消費させようとしている、、、悪の組織ですね。

そういった意味でも、資本主義というものを懐疑的に見たり、世の中を批判的に考えるといったことは必要なのだと思います。流されていった先には、消費という麻薬漬けにされて、幸せを目指しているはずなのに渇望感だけが残り、経済的にも心理的にも疲弊してしまう。。。

経済成長こそが自分の既存の条件から抜け出し、他者に追いつき、自分の期待をかなえるという希望を与えてくれる。

これは今の日本なのでしょうね。経済成長じゃないストーリーを描けないので、それにすがる、、、これに関しては山口周さんの「ビジネスの未来」がめちゃめちゃ良い回答を示してくれているように感じます。

現代社会は経済的な豊かさよりも、経済成長に飢えている。

ということなので、、、

すでに経済的に豊かであるが停滞している国よりも、急速に経済的に豊かになる貧しい国で暮らす方が幸せなのだ。

こうなるわけですね。たぶん、カンボジアとかバングラディシュとかはエネルギーもあるし、日本のような閉塞感もなく、幸せを感じやすいのだと思います。

「我々は、なんとしても他者に注目され考慮される対象となりたいと願う。考慮されて理解されたいのだ。共感と承認をもって注意深く考慮されたいのだ。人間の欲望とは、我々の満足や喜びではなく、虚栄心に関わるものである」アダムスミス「道徳感情論より」

これは本の中でのさらなる抜粋ですが、人間の本能として、他者を気にする、共感と承認が欲しい、というのも理解しておきたいです。その本能を理解した上で、どう理性をもってコントロールしていくのか、ですね。

その理性、リテラシー、自分の考えがないと、SNSなどでもコンプレックスを刺激され、より不幸と思ってしまうような負のスパイラルに陥りますね。

最近はSNSで高級品や高級ホテルなどをこれ見よがしに掲載している人などを見ると、心の中で「いまだにそんなスタイルで生活しててダサい!」と思うようにしています(嫉妬じゃないよ、羨ましくない、、、よ)

富というものは、働かなければいけない時間を減らすためにあるものだ。貧しい人がたくさん働くのは、まさに貧しいからだ。余裕のあるものも同じくらいに働くべきという考えはばかばかしい。

これはなんで当時メモしたのか忘れました。。。心に響いたのでしょうね、昨年は。

幸せっていうのは義理の兄弟よりも十ドルほど多く稼いでいることだよ。という19世紀のユーモア。

わかりやすい!
イーロンマスクやジェフベゾスは全く羨ましいとも思わないけど(世界が別すぎて)、同じコミュニティの似たような人の稼ぎや成功体験はめっちゃ気になるこの気持ちは、、、、こういうことですね。

いかに世の中が、私たちにいろいろ買わせようと策略を仕掛けてきているのかということを認識した上で生き抜いて行く必要がありますね。
その中で、嫉妬、やっかみ、他人との比較、承認欲求などの本能に近いものをどうコントロールしていけるのか、大事ですね。

締めくくりとしてはやはりこの言葉でしょう。

足るを知る者は富む。


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