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「The Three HAPPINESS」読書メモ

こちらの本のサマリーです。
精神科医の方の幸福分析で、わかりやすくまとまっています。

まず、幸福とは感情なので、その人が幸福と感じていれば良いのですが、それを感じるのに適している脳内物質が、3つあり、それを順番に高めていくことが幸福の方程式だ、というような内容です。

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実用書ということも言っており、具体的な説明がもろもろ書いてあります。
いわゆる哲学的なものではなく、どうしたら幸福になりやすいのか?というものです。

そもそも、「幸福」とは感情ですので、その人が「幸福」と感じていれば、幸福なので、どうしたらその感情を得やすいのか?ということです。

重要なのは、ピラミッドの下から積み上げてくことで、そうしないとうまく成立しないということです。ドーパミンの幸福だけでも、それはすぐに効果も消えてしまうので、それだけを求めると中毒者のようになってしまう。
幸福の決定要因も実験で下記のようになっていると、引用しています。

幸福感の決定要因。
「健康」→「人間関係」→「自己決定」→「所得」→「学歴」


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こういうことで、セロトニンとオキシトシンのベースがある上で、ドーパミンをうまくコントロールする、ということになります。

セロトニン的幸福について

ではセロトニンをどう高めるかというと(本書では、セロトニン的、というような言い方で、実際のホルモンのセロトニンをこうしたら上がるまでの細かい化学までの説明ではないです)

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こんな感じで、リラックス系、安らぎといったようなもので、心と体が健康で満たされるような状況がセロトニン的幸福です。

そして、このセロトニン的幸福を高める方法を具体的に紹介しています。

セロトニン的幸福を手に入れる方法睡眠、運動、朝散歩。(マインドフルネス散歩)
「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」
小さな幸せに気づくトレーニング。
過去を考えると後悔し、未来を考えると不安になる、今にフォーカスすると幸せになる。

病気予備軍は可逆的(治りやすく)、病気は不可逆的(治らない、治りにくい)ので、予備軍のうちから健康に気を遣う方が良いとのことです。(わかっちゃいるけどってやつですね)

セルフモニタリング能力を高める(内省する力)
起床瞑想、自分の健康と向き合う。
セルフスキャン。意識的にチェックする。
3行ポジティブ日記(セリグマン博士のワーク)
寝る前に今日あったポジティブなことを3つ書くというもの。
①幸福心理学の研究結果が出ている
②寝る前の15分は最も記憶に残る
③ピークエンドの法則
(終わりよければすべてよし)
フィンランドの研究
1ヶ月に5時間以上自然の中で過ごすだけで、ストレスが大幅に軽減され、脳を活性化し、記憶力、創造力、集中力、計画性が向上する。うつ病の予防効果もある。

よく寝て、よく運動して、リラックスして、自然の中に行ったり、運動したりすることで心身を健やかな状態にしましょう。
ということですね、当たり前にも聞こえますが、それがいかに幸福の土台になっていて、それなしでは幸福は難しいというのを説明しています。

オキシトシン的幸福について

オキシトシンは人間関係(家族、友人など)をベースにする幸福です。

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 人間は社会的な生き物で、人間関係によって幸せにも不幸せにもなりやすいですね。親子関係、家族関係、恋人関係、友人関係などが重要で、ペットやグリーンなどでもオキシトシンは活性化する、と。

人間関係はコントロールしにくい部分なので、難しいところでもありますが、とても重要というのはもちろんわかります。

オキシトシンは別名「親切のホルモン」
人と人のポジティブな「交流」によってオキシトシンが出る。
孤独は喫煙に匹敵するほど健康に悪い。
親切ワーク→1日3回、人に親切をする。
それを日記に書くのが親切日記
親切を数えるだけで、自尊感情が高まる。
自己肯定感が高まる。人間関係が良くなる。
意図的な親切は幸福度を上げ、偶然にする親切では幸福度は上がらないことが心理実験で明らかになっている。
ありがとうと言ったことを書く感謝日記
1.身体的効果
免疫力アップ、痛みの軽減、血圧の低下、運動時間長くなり健康に、睡眠も長くなる
2.心理的効果
よりポジティブ、より集中する、楽しさ喜びを感じやすくなる、楽天的になり、幸福感も高まる
3.社会的効果
他者を助け、寛容で、慈悲深くなる。他者の過ちに寛大になる。外交的になる、孤立感、孤独感の低下
自己開示の返報性の法則。
自分が自己開示をすると、相手も自己開示をしてくれる。
そうした自己開示をキャッチボールのように繰り返していくことで、信頼関係が深まっていく。
アドラー
無条件に人を信頼する。相手次第でコントロールできないのだから、相手がどう思うかを考えてもしょうがない。自分ができるのは信頼すること。
アドラーは「自己受容」→「他者信頼」→「他者貢献」の円環構造のサイクルを推奨。

ドーパミン的幸福について

ドーパミンは自己成長にも繋がりやすい反面、依存性が強くなってしまうという負の側面もとても大きいので、いかにコントロールをするのかが鍵、ですね。

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これは、心身が健康で、さらに人間関係なども充実した上で目指していくとバランスが取れるのに、ここを最初に目指して、人間関係や心身の健康をおざなりにすると結局、幸福にはなりにくい、ということです。

お金によって得られるのは、幸福ではなく、安心。あるいは、快適と楽。

一方で、お金の重要性ももちろん紹介しており、お金ともうまく付き合うのが重要と言っています。例えば、お金に感謝することで、お金のドーパミン的幸福だけではなく、オキシトシン的幸福にも繋がる、とか。

物欲で不幸になる人の特徴
①みんなが持っているから買ってみた。
②流行しているので、とりあえず買ってみた
③衝動的に買ってしまった。
④本当に欲しいものを買っていない。
アドラー
「他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになる」

SNSの承認欲求に振り回されていないか?アドラーの言葉を聞いた方が良さそうです。

その他、お金、遊び、などについてもいろいろ書いていますが、どれも受動的に行うのではなく、能動的に行うことがどれほど重要かというのも書かれています。

自分の人生の主人公は自分しかいない、という当たり前のことを再認識しながら、では自分はどう生きるのかを考えていく必要がありますね。


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