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【MISHIMA祭り】キミと僕。マスカレ配信上演を経て。


SAI × 小屋+kop
 【 MISHIMA祭り 】
早いもので終演から約2週間が経ちました。

本日04/16(金) 23:59で
配信上演のアーカイブ販売も
終了するということで、
少々早いですが振り返り記事をば。

昭和の小説家/劇作家「三島由紀夫」
彼の関連作品 全5作品 6演目を上演した企画

僕が出演させていただいた作品
【 MasqueraDead 】
通称マスカレは
「仮面の告白」をモチーフにした恋物語。

今回は
初演キャスト版(通称:無印)
新キャスト版(通称:シャープ)
2チームにより上演された。

▶︎CMはこちら


生物学上〝女〟でありながら
魂(内面)は〝男〟で
恋愛対象は〝女〟という
一見すると同性愛者に見える「オーミ」
(演:昭和精吾事務所 こもだまりさん)

生物学上〝女〟でありながら
魂(内面)は〝男〟で
恋愛対象は〝男〟という
一見すると異性愛者に見える「キミ」
(演:常盤)

による恋物語。

初演の時、
何とも奇妙な作品に関わったものだなぁと、
非常に苦戦したことを覚えている。

約2年半前、初めてキミと出逢い、
最終的に辿り着いてしまったのが
「虚しさ」だったことが忘れられなかった。

しかし、今回再会してみると、
彼女はあの時以上に凛々しくなっていて、
すんなりと僕の中に居場所を見つけていた。

あれ?こんな子だったっけ?
と、僕自身が驚いたり。笑

倉垣さん(演出)とこもださん(出演)との
クロストークでも話したが、
1,000日にも満たない日々の中で
予想できなかった程に時代は変化し、
当時特殊とされていた
フリーの物書きとしてノマド的な生き方をするオーミと、
当時〝普通〟とされていた
THEバリキャリのような生き方をするキミの働き方は、
特殊と普通が逆転していた。

勿論、僕という人間の変化も
大きく作品に影響していたと思う。

入院している間、
特に発症原因が分からなかった約3ヶ月、
ひたすら自己分析を繰り返していたこと。

一匹狼には共同生活が苦行すぎて
少しでもストレスなく生きる為に
人間という生き物を生物的に理解しようとしていたこと。

いろんなことが活きたなぁと感じた。

初演では「本当は男として男を愛したい」
という想いから
端々に〝男性性〟を表出させていたし、
抑圧からの反発や嫉妬などが大きかったように思う。

一方今回は、
「女性という仮面を被っている」
というイメージが強く、
むしろ〝女性性〟を全面に出して
事実通り〝男性性〟を眠らせた。

その結果、演出のチカラ、
オーミとの化学反応もあり、
キミというひとりの女性が魅力を増したし、
凄く愛嬌のある人間に育った。
(この愛嬌を利用している両性が内面には存在していたけれどね。)

男性に負けないくらい強く生きたい

そう想っても

結局どこまでも女性なので

力では敵わない
体質は勿論違う
思考性も違う
得意分野も違う
社会的/世間的認識も異なる

堪えても大きく感情が動けば涙は溢れる

性転換をしてホルモン治療をしない限り
この事実はきっと変わらないし
それでも変えられない部分もあるし
社会からの認識が完全に変わることはきっとない

物理的に叶わないのだ

だったら

むしろ女性を活用してやろう

という想いが強くなった


僕の中のキミは
〝女性〟という呪縛から
解かれることはなかったという事実が
露骨になった

社会の、キャスト陣の、変化が影響し、
初演と比べて
豊かさの方向性が大きく変わった。


シャープ版と稽古を共にしていたことも
大きく影響している

演出の声や2人の生き方を
客観的に見聞きできることは良い時間だった

小林機械(オーミ)と琴音(キミ)は
初演時の関係性を見ているような景色だった

2人が凄く素直で、愛おしく、見えたんだ。

だから2チーム其々
全く違うような作品に成っていたし
それもまたこの作品のおもしろさでもあった


僕は倉垣さんが何か新しいことをする度に
「3年早い」とよく言う

このひとは
3年先を生きているように感じるのだ

そうして3年経つ頃に時代が巡り、
周りが似たようなことで注目を集めていたり
理解したり受け入れたりしやすい社会になっていたりする。

少し早いけれど、3年近く経った今、
ある意味時代と歩幅が合ったようにも感じてしまったのだ。

また、演出倉垣としての魅力を
今回凄く感じた気がした。

これに関しては、
作品を見ていただければ感じられると思う。

▶︎配信観劇はこちら

◎04/16(金) 23:59迄 アーカイブ販売
◎04/18(日) 23:59迄 視聴可能

まだ間に合うので、是非みてほしいです。

再演により、
漸くマスカレが報われたような気がした。

でもこの作品は
まだまだ変化するようにも感じる。

だからこそ、今回、
こもださんと再び、
この作品の中で生きられてしあわせでした。

もう一度、キミとして、
いきさせてくれて、ありがとう。


おやすみ、キミ。

▶︎公演詳細はこちら


このサポートは、基本的に、僕の、お勉強や、成長の為に、使わせていただきます。 キモチと、キモチが、交われたら、、よしなに。