note見出し写真

これからの学校のあり方とは? 【Vol.2】

先生は自身の成功体験に基づいて授業

品田先生:先生たちは自分の成功体験に基づいて授業をしていることが少なくありません。そうなると、いきなりiPadを使って授業をしてくださいと言われてもパニックになってしまうでしょうね。自分が体験していないものを使って生徒に授業をするのは抵抗があるのも理解できます。
でも、それは変えていく必要があると思います。そうすると、これから先生になる人にはICTを含めた教員養成が必要になります。また、今の現役の先生にもしっかりとICTの研修をやっていく必要があると考えています。なぜなら、いくら新人の先生が頑張っても先輩の先生が理解を示さないと活用できないですからね。いずれにしても、いろいろな問題が複雑に絡んでいるので一筋縄ではいきませんね…笑

それって本当に当たり前?

石井:今まで学校で「当たり前」とされてきたものに、それって「当たり前なのか?」というマインドで「学校」というものを考えていくのが重要な気がしますが…。

品田先生:その通りです。本当に週6回も学校に行く必要があるのか1コマ50分でいいのか。25分学んで5分休憩というのが効率が良いなんて話も聞きますよね。「昔から50分だからそれでいいですよね」というのはもう終わりにしたいですね。でも、学校といえば45分か50分授業みたいな感じが強固だし、単位認定のこともあるので、そこを変えていくのは難しいのです。
学校改革も一つの学校が変わっただけではあまり意味はない。本気でやるなら、学習指導要領、教員養成、教員研修などいろいろ変えていくべきです。

教員養成と教員研修

石井:そうなるといろいろ課題はありますが、教員養成と教員研修が結構重要になってくるのかなと思いますが…。

品田先生新人の先生がICTの活用を頑張るだけでは意味ないですからね。やはり、先輩の先生の理解や協力が必要です。もっと言えば、管理職と現場の先生とで同じ「ビジョン」を共有していないと学校を変えていくのは難しいと思います。公立は先生の異動があるから「ビジョン」の共有がなかなか難しいでしょう。そういうところをどうしていくかが課題です。私学が簡単なのかというと・・・それは私学だと学校によって大きな差があるでしょう。
さらに、教員のキャリア教育も必要でしょう。教員は「授業や教えること」に特化した人が多いので、それ以外のところも大事だとは思いますが、あれもこれもとなるとなかなか難しいですよね。

これからの全日制普通科高校の行方は…

石井:また高校の話になりますが、今後全日制普通科高校はどうしていくべきだと考えていますか?

品田先生:私立、公立にしろなくなる高校は出てきます。高校では公立が人数調整役を担ってたりしますけれど、公立や私立に関係なく消滅する学校は必ず出てくるでしょう。
私学も合併や規模縮小はあり得る。私立で仮にこの先10年どうにか逃げきればいいと思っている先生が多い学校はその後が大変なことになるでしょう。逆に、若い先生が多くて変えないとヤバいとなれば良い方向に向かっていくかもしれない。
何にせよ、今の時代の流れやこれから考えられる未来の景色をきちんと把握していくべきです。
もしかしたら、いずれ学校も今の本屋さんみたいになるかもしれないですね…。

高校で「単位互換制度」ってあり?

品田先生:ちょっと外れた話ですけど「単位互換制度」が仮に高校でOKになったら先生も危ういかもしれません。生徒が好きな先生を選んで授業を受けられる時代になったらどうでしょうか。イメージとしては予備校が近いのかな。例えば、月〜水は聖徳学園で授業を受けるけれど、木金は他の高校で授業を受けますとか。今は実際に教室にいないと学べないので難しいでしょうが、時間や空間の制限がなくなってくれば可能ですよね。そうなれば、本当に教えるのが上手な先生だけが残っていくという未来も考えられます。一人の先生が教える生徒の数は増やせるのですから。

複雑すぎる学校での課題

石井:学校って様々な問題が複雑に絡んでますね…。

品田先生:本当にその通りです。一筋縄じゃないんですよね。
単純に学校改革といっても公立と私立でも異なるし、私立でもそれぞれ異なります。私立A高校はICT導入か改革かもしれないし、私立B高校はICTは導入済でその先の改革かもしれない。このままで未来がないと感じて危機感を持っている学校はどんどん改革していく。でもそうじゃなければ改革なんて本来はしませんよね。
こんな感じで学校によって状況は異なります。だから「改革案」ってのを一般化するのは難しい。学校によってあまりにも差がありすぎます。

みんなが評論家

品田先生:「学校」に関してはみんな全員が一回は必ず経験している。ということは、みんな全員が「学校評論家」それぞれの「学校論」ってのがあるんですよね…。Vol.3に続く。

よろしければサポートお願いいたします。もしサポート頂ければ私自身のボランティア活動をより充実させるために使わせて頂きます。