見出し画像

死ななくてよかったのに、消えた命

16歳。うちの一番年長だった犬を亡くしてしまいました。死因は熱中症。100%人間側に責任がある亡くなり方でした。なぜもっとちゃんと世話をしっかりしてあげられなかったんだろうという後悔ばかりです。突然なにかの拍子に涙のスイッチが入ってしまい、急に声を上げて泣いてしまったりが最初の2週間ぐらいはありましたが、今はグーグルフォトの思い出に出てくる写真にウルウルするぐらいまで回復してきました。

妻はショックと自責の念で最初の3、4日はほとんど何も食べず、さめざめと泣く→写真を見たり、携帯でお悔やみや励ましのメッセージに返事→またさめざめと泣く→少し寝たかと思ったらまた泣く→もうずっと泣く というのを繰り返し。今は泣く頻度は減りましたが、まだ骨壺を枕元に置いて寝ています。

ずーっと多頭飼いをしてきたので、一匹減ったとはいえまだまだ仕事はたくさんあります。でも、一番最初からいて、ずーっと酸いも甘いも嚙み分けてそばにいてくれた子がいなくなるのはやっぱりぽっかり空いた穴のサイズが違うようです。

15歳という高齢にもかかわらず、シンガポールから日本へ飛行機で来るというストレスを乗り越えてくれました。元気に初めての冬を乗り切り、雪を経験し、桜を一緒に見て、そして新鮮であまーいイチゴをたくさん食べました。カビだらけの梅雨がやっと終わって、夏を乗り切ったらみんなでキャンピングカーをレンタルして旅行に行こうねと言っていた矢先に、ほんとに命は儚いです。これから毎年イチゴがスーパーに出るたび、思い出すことでしょう。大好きだったバクア(シンガポール名物のBBQ肉)を食べるたびに、彼のことを思い出して笑って泣くでしょう。2月9日の彼の誕生日は、おそらくこれからもうちの子たちの誕生日をみんなまとめて祝う日として、続いていくと思います。焼いて残った骨は真っ白で、おそらく本当はあと何年かまだ元気に過ごせるはずでした。家の改修工事が終わるのを見せてあげたかったなあ。もっとスイカやメロンや桃を食べさせてあげればよかったのに。

一緒に過ごした時間の思い出はどんどん色あせていき、いつか彼のことを思い出すことも少なくなる日もくるでしょう。僕が死ぬ前に、ちゃんと彼の事を思い出してあげられるかな。僕が殺めてしまった、謝りたい人たち・生き物たちのリストの一番最初に、名前をちゃんと記しておかないと。雄飛、16年も一緒にいてくれて本当にありがとう。君は、まだ死ななくてもよかったのに、パパのせいで死んでしまいました。本当に、本当にごめんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?