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モモタマナの果肉の処理方法をいろいろ試してみた

水生動物学研究室の太田欽也です。以前、このチャンネルでモモタマナを使ったグリーンパスタの作り方を紹介しました。自分で作ってみてとても美味しかったのでまた作りたいのですが…これ、モモタマナの実の前処理がとても大変だったのです。集めた実の果肉を除去して、そのあとで割るわけです。このたいへんな前処理を少しでも楽にしたい。そう考えた私は、ちょっと、モモタマナの前処理の方法を改良してみることにしました。こんかいの動画はモモタマナの果肉を取り除く方法についてのご報告です。

ちなみにこのnoteは私のYouTubeチャンネル@LAQZLの動画「モモタマナの果肉の処理方法をいろいろ試してみた」の台本用に作られたテキストがもとになっております。動画をみるまえにざっくりと内容を確認したい人や文字情報のほうが理解が早いと思われる方はご一読ください。しかし、動画のほうが圧倒的に情報量が多いのでそちらを先にみられることを強くお勧めします。こちらのリンク(https://youtu.be/w_2bFrQUvVY)か以下の画面をクリックしていただけると動画をご覧いただけます。

では、ちょっと、以前の動画をまだ見られていない人向けに簡単なおさらいから始めます。モモタマナは熱帯亜熱帯に分布する植物で私の住む地域ではよく見かけます。この葉には水質を酸性にする成分が含まれているので、熱帯魚愛好家の間では水質調整のために使われています。マジックリーフで検索すると出てくるかと思います。

このモモタマナの樹。私たちの臨海研究場にも7本植えられています。おそらく、昔はこの周辺の養殖池でも水質調整に使われていたのだと思います。毎年、夏から秋にかけてこのような実を落とすので、この実から種を取り出してアーモンドの代わりの食材として使い、グリーンパスタをつくってみました。こんな感じですね。

そして、このモモタマナグリーンパスタは激うまだったのです。しかし、これ、モモタマナの種を集めるのはとてつもない重労働だったのです。一つの実からほんの少しの種しか取れません。なので、大量の実を集めて処理してゆくことになるのですが、集めた後にこの皮や果肉を除去しないといけないのです。そうしないと、ハエやハチがあつまってきたり、後で殻を割る作業の際に邪魔になったりするからです。

できるだけ、実がやわらかいうちに皮や果肉を取り除いてしまいたいというのもありました。なので、最初は一つ一つナイフで剥いていたのです。正直なところ、やり方がよくわからなからず、この方法しか思いつかなかったのです。でも、これだとなかなか大量に処理できないのです。手が疲れてしまいますし。あと、たくさん剥いていると手にマメができたりしてたいへんだったんです。

足で踏んで果肉をとる

そこで今回はできるだけ一気に大量に処理する方法を試してみました。落ちてきた実を集めて足で踏んで果肉を取り除くというものです。これだと、一度に大量に処理できます。いろいろ試してみたので、だんかいを追っていくつか試した方法をお見せします。まずはバケツに集めます。そして、水をはって中の虫たちには出て行ってもらいます。そして、数時間から2週間ほどほっておいて、一か所に集めて足で踏んで果肉を取り外すというやり方です。

あと、バケツに入れずに、一か所に集めておいて、そのあとに足で踏んで果肉をとるやり方も試してみました。これらのやり方はおおむね良い感じで、うまく果肉が外れてくれました。一度に収穫して処理できる量には限りがあるので何回かに分けてこの果肉を除去する作業をおこないます。長靴をはいて足で踏むやり方は依然のナイフでひとつづつ皮を剥くやり方よりも圧倒的に効率が良い感じです。

でも、このやり方で、すべての実から果肉が完全に取り除けるかというと、そうもいかないのです。ちょっと、果肉の一部が残ってしまうんです。特に落ちたばかりのモモタマナのばあい、繊維質の部分と果肉がうまく外れないんです。この部分をどのように取り除くかについてもいろいろ試してみました。

まず、やってみたのは、一つ一つ手にもってコンクリートにこすりつけるというやり方。でも、実を手で一つ一つ握っておかないと行けないので、あんまり効率がよくないのです。あと、なんどかやっているうちに疲れてきて、手元が滑って指をコンクリートにこすりつけてしまいました。これだとナイフで一つ一つ剥いているのとあんまり変わりません。

なので、できるだけ手を使わずにやる方法はないかと考えて、こういう風に足でゴリゴリとコンクリートとこすりつける方法をやってみました。この方法だと手をコンクリートにこすりつけ、すりむく心配もありません。あと、気が付いたのは先にある程度、果肉がじゅくじゅくになるまで腐熟させておいてたほうが処理が楽になるという点です。生のままだとまだまだしっかりと果肉が繊維質とガッチリくっついてしまって離れにくいのようです。

それならばと、果肉の腐熟というか腐敗を促進させるために泥水の中に入れるというのもやってみました。でも、どうもこれをやると、中まで腐ってしまうみたいなのです。

実はちょっと泥水につけてて処理したものを乾燥させていくつか割ってみたのですが、この種の端っこのあたりが黒ずんでしまうのです。なので、あるていど腐らせておいてから、ものすごく黒ずんでしまう前に水を使って果肉を落とし、あとは足で踏んで果肉を落としきる。このやり方がいろいろ試した中で一番効率が良いように感じました。

ちなみに、このやり方は楽とはいえ、一通りやり終えた次の日はふくらはぎや太ももの裏が筋肉痛になります。まあ、でも、機械に頼らず人力でやろうとすると、それは仕方ないことです。良い運動であると納得して黙々とやることにします。

果肉が取れてたのち、足でゴリゴリし続けると、繊維質もある程度取れてきます。そして、そのあとはコルク質も崩れて取れてきます。これ、あしの力だけですべてのコルク質を取り去るところまで頑張ってもいいのですが、そこまでやる必要はないかなあとおもいましたので適当なところでヨシとします。

乾燥させる

さて、きれいに果肉が取れて、繊維質もある程度とれています。しかし、このままおいておくと、あまりよしくないのです。なかのコルク質が水分を含んでいて、雑菌やカビが発生します。そうなると、虫たちも寄ってきます。なので、ざるにのぜて水を切ります。

そして、天気のいい日には太陽の光に充てて乾かします。なかまで乾燥させるには時間がかかります。雨の日には屋根のあるところに取り込んでぬれないようにします。私の住んでいる地域は湿度が高いこともあって、完全に乾燥させるまで一週間以上は絶対にかかります。よく乾いたら、完成です。箱にしまっておきます。あとは、グリーンパスタを食べたいときに割っていきます。その日まで乾燥した部屋に保存しておきます。

まとめ

はい、ということで、2022年に収穫されたモモタマナは無事前処理が終わり、保存されている状態にあります。あとは、これを割ってグリーンパスタの材料にするわけです。このモモタマナシリーズの毎度のことなのですが、まだまだ、食べるのは先になります。なので、もし、料理と実食の動画を見逃したくない方は、チャンネル登録してお待ちください。それでは、また。

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