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ご依頼にあたっての注意事項

金継ぎしたもののお取り扱い

金継ぎをしたうつわは決して特別弱いことはありません。
でも、壊れる前と同じでもありません。
どうぞ、そっと、大切にしてください。
とはいえそんなに神経質にならず、漆器と同じように扱っていただければ問題ありません。 金継ぎには漆を使うため、基本の扱いは漆器と同じです。
以下のことを守って、暮らしの中で楽しく使ってみてください。


①薄めた中性洗剤とスポンジで流水かぬるま湯でさっと洗い乾いた布巾で水分を拭いて 乾かす。

②浸け置き洗いをしない。

③食洗機、電子レンジ、オーブンを使わない。

④クレンザーなどの研磨剤を使わない。

⑤極度に乾燥する場所(冷蔵庫等)での保管は避ける。

⑥直射日光のあたる場所にはなるべく置かない。

⑦重ねる場合は柔らかな布や和紙を挟む。

⑧硬い場所にぶつけない、落とさない。

⑨直火にかけない。

⑩カトラリーやスポンジで強くこすらない。

使用していく上での変化について

金継ぎは漆で接着し、欠けを埋めて、最後に薄く色漆を塗った上に金銀の粉を蒔いて仕上げています。
つまり金や銀は表面をごく薄く覆っている状態です。

そのため、使用していくうちに表面の金粉や銀粉が落ちて、下に塗った漆の色が見えてきます。
また、銀は金や漆と違い経年変化で色が茶色っぽく変わっていきます。
そして漆には時間とともに透明度が高くなる性質があるためベンガラ漆仕上げも経年変化で彩度が高く、少しだけ鮮やかな色になっていきます。

これらの変化は耐水性や耐久性等には影響しませんので、そのままお使いいただけます。変化も味ととらえて、暮らしのなかで育ててみてください。

また、カトラリーが当たってしまったり、スポンジで強く擦ると、金や銀は落ちやすいです。お気をつけいただけたらと思います。
気になる場合には蒔き直しのメンテナンスもいたしますので、ご相談ください。

漆かぶれについて

金継ぎには漆を使います。
しっかりと乾かしてから次の工程に進むようにしているので、お直ししたものでかぶれるということはないと思いますが、万が一、かぶれなどが発生しても、こちらでは医療保障などはできませんので、ご了承ください。
以前、漆にかぶれてしまったことがあるから心配、という方は、お直しした器が到着後、箱から出し、紙に包んだ状態のまま1~2ヶ月くらい、食器棚などにしまっておいてから使用してください。

焼〆や粉引、マット釉のうつわについて

焼〆等の釉薬がしっかりとかかっていないものや、粉引等の化粧土を使用したうつわは、その性質から、漆が染み込みやすいものが多いです。
釉薬のかかっているものでも、底の部分等の釉薬のかかっていない部分も同様です。
そのため、お直し部分の周辺にじんわりとシミができてしまうことがあります。
そのような汚れを防ぐため、マスキングをしたり、シミが目立ちにくいように色漆を使ったりもします。
ほとんどの場合は大丈夫ですが、まれに素材によっては断面から染み込んでしまったり、乾いた漆を研ぐ作業でどうしてもシミになってしまうことがございます。
細心の注意を払ってお直しいたしますが、こればかりはうつわと漆の性質によるものですので、万が一の際は、何卒ご了承くださいませ。
その場合、補償などはいたしかねますので、どうかご容赦くださいませ。

SNSなどへの掲載について

SNSやホームページなどに、作業風景の写真やお直し完了後の写真を掲載しております。
ご依頼品のお写真を掲載してほしくない場合は事前にお知らせくださいませ。

天災による破損について

お預かりしたうつわは細心の注意を払って取り扱っておりますが、地震等の天災によって破損してしまった場合、補償はできません。
大変申し訳ありませんが、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
また修理中、万が一天災以外のこちらの不注意で破損してしまった場合は、お直しで対応させていただきます。
その箇所のお直しは無料でお引き受けいたします。


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