- 運営しているクリエイター
2017年5月の記事一覧
屋根と屋根のあいだに
雨降れば傘のよう、
涙すれば胎内のよう、
渇けば湯屋のよう。
屋根ひとつ、
屋根ふたつ、
屋根みっつと生まれ。その
ちいさく、ちいさくなった空には、
あたらしい星がひとつ。
屋根と屋根のあいだには
望遠鏡など星甲斐も無いなどと、どこかの屋根の
湯桁は唄う。
命の仮住まい
遠く佇む巨大な棲み家。
それを埋め尽くす光の数々は、まるで
夜に集う虫たちの如く。怪態な一塊の如く。
併し、
同様に息衝くわたしたちこそ
虚像であるかもしれず。そうであっても
知る由ないことならば、それは
果てしない。
何処へも往けず、そこが在処となる。
あれらの光が消えるとき、そこには
共同乃至、集合の概念は生まれるのだろうか。