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【きんたろーのリアル臨床】痛みのリハビリを進める時、絶対に守ってほしい3つのこと

皆さん、こんにちは。きんたろーです。

今日は、エビデンスに基づいたガチガチな臨床の話しをします。

具体的には、僕が痛み患者さんのリハビリを行なっていた際に必ず意識していた3つのポイントについてです。

正直、ここを抑えられていないと特に慢性疼痛系の患者さんはまず良くならないと思っていて、それほど僕の中では重要な3項目です。

「なぜこの3つが必要なのか?」

という背景や詳しいメカニズムというのは、脳科学や神経科学の話しが9割で全部説明すると膨大になため、ここでは割愛します。(知りたい方は僕が行なっているセミナーにご参加ください)

ゆえに、(方法論だけをポンと放り投げるのはあまり好きではないんですが)ひとまず理論は後から追い付かせるので、まずは色々考えずに「とにかくこの3つを守る・やる」ということを頭に叩き込んでおいてください。

脳卒中後の痛みなどの例外はありますが、整形外科的な痛み(特に慢性疼痛)においてはこの原則を守って介入できれば大体のケースで成果が出せると思います。

それでは、始めていきましょう!

キーワードは『トップダウン鎮痛』

これからお話しする3つの原則の共通点。

それは、トップダウン鎮痛です。

まず痛みの改善には大きく2つの変数があると思っていて、それが

①侵害刺激を減らす
②痛みに対する耐性を高める(閾値を上げる)

のどちらかで、前者がボトムアップ鎮痛、後者をトップダウン鎮痛と呼びます。

理想は両方同時に進めていくことが好ましいです。

一方、多分現場でフォーカスが当たりがちなのはボトムアップ鎮痛で、物理療法や徒手療法、バイオメカニクスの視点から「侵害刺激をいかに減らすか」のみが議論の的にあがりやすいです。

しかし、実際の臨床を考えると必ずしも「侵害刺激=痛み」とはならないのが現実で、これは国際疼痛学会が2020年に痛みの定義を改変してから学術的にも明文化されました。

痛みとは、侵害刺激のみならず情動や認知、社会的側面によって修飾される特徴があります。

つまり、侵害刺激を減らそうとするボトムアップ鎮痛の方は「再現性が出しにくい」という点があるんです。

解剖学・運動学的になんら問題はなくっても「痛い」と感じる人は間違いなくいるからです。

ちょっと、臨床を想像して欲しいんですが…

  • 姿勢を見ると明らかにメカニカルストレスが加わってそうだが痛みがない

  • メカニカルストレスや筋-関節の問題はなさそうなのに痛みがある

  • 特に身体状況は変わってないのに日によって痛みの強さに違いがある

などなど、「侵害刺激の大きさ=痛み」という方程式が成り立つのだとしたら、まぁまぁ説明がつかない臨床が多いこと多いこと。

そんなご経験ってないですか?

つまり、変数としてコントロールしやすく再現性高く介入できるとしたら『トップダウン鎮痛』の方で、まずはここをグリップしておくことが重要であると僕は考えています。

では、それを踏まえた上で3つの原則をこれからお伝えしていきます。

原則① 運動のやり方は後回し、まずは動け

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きんたろーがビジネス&キャリア戦略やリーダーシップ、マネジメントについて独断と偏見で持論を展開するマガジン。個で生き抜く力を身につけたい医…

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