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男性不妊と診断されたオトコは何を思うのか。

不妊治療で悩んでいて旦那にも検査に行ってほしいのになかなか行ってくれないという女性は多いらしいですね。
私は興味本位で検査をして自分が男性不妊であることを知ってしまったのですが当時は相当なショックを受けました。

男性の気持ちを知ることで、夫婦がお互いを理解しあって不妊治療に望めるのではないかと思い自分の体験を書き記します。

検査結果が悪くても自分以外の何かを疑います。

検査をして精子のデータが悪く男性不妊と告知された男性はこんな考えになります。

病院の検査方法が悪かったんじゃないのか?
もしかしたら運搬途中で熱にやられたんじゃないか?
日光に当たったから死滅したのでは?
すぐに蓋をしなかったから死滅したのでは?
検査員はその辺をちゃんとわかって検査をしているのか?
ケースの中に何かが混入したんじゃないのか?
誰か別の人間の精子と間違えて検査したんじゃないの?

様々な可能性をクリエイティブに考え出します。
自分が悪いなんて1ミリも思いません。絶対にです。

先週あたりの生活を疑います。

仮に本当にデータが悪かったとして直近の生活習慣を疑います。

たまたまコンディションが悪かったのでは?
今週、お酒を飲みすぎたからかな?
寝不足だったからかな?
最近仕事が忙しかったから?

先週あたりの自分の生活が悪かったんだと考えます。
精子は 74日のサイクルで作られるので先週の生活習慣なんて大した影響ないのに直近の生活が悪いと思い込みます。
だってそんな時間をかけて精子が作られるなんて知りませんから。

過去の出来事を遡ります。

小学校の時に女の子に股間を蹴られたから?
いろいろといじくり過ぎたから?
過去に病院に通ったあの出来事が原因?
あの時、股間を圧迫したから?

金玉にまつわる様々なエピソードを思い出し、あれが原因かな?これが原因かな?とあれこれ思い起こします。
人は死にそうになると走馬灯を見るといいます。過去の様々な出来事から現状を打破するための解決策を探すために瞬間的に様々な考えがよぎると言います。
さすがに瞬間的にそれだけの考えが浮かぶわけではありませんが、男性不妊と診断された人に頭にはそれぐらい考えがよぎります。

もう一度検査をしたら絶対に大丈夫なはず!

根拠なんてありません。
もう一度検査をしたら絶対に精子のデータは回復しているはず!
あんなヤブ医者だからダメなんだ!
ちゃんとした病院で精密検査をしたら自分に問題がないことが証明されるはずだ!

こんな風に考えます。
もう一度言います。自分の精子データが悪いなんて絶対に認めません。
ただ強気と同時にとてつもない不安にかられます。

万が一、本当に精子が悪かったとしたら・・・
それは治るものなのか・・・
彼女(嫁)に捨てられるかも・・・
自分には一生結婚する資格なんてないんだ・・・
女性と付き合うことすら許されないかも・・・
思い描いていた未来はどうなるのか・・・
不安すぎて何も考えられない・・・
仕事に身が入らない・・・
自分は欠陥品なんだ・・・

男性はプライドだけの生物

優男に見えたとしても男性である以上、男はプライドが高い生き物です。
猿ですら自分の力を誇示してお山の大将を目指します。なぜなら自分の力を誇示できないと異性に見向きもされないのがオスという動物だと知っているからです。

猿じゃなくて狩猟民族だとしても同じです。強い男が生き残り、強い遺伝子を残すんだと男女共本能的に思っているはずです。

今の時代にそれは時代錯誤だと言われるかもしれませんが人の印象なんてそんなもんです。
精子力が低い ≒ 弱い遺伝子 ≒ 弱い男 ≒ 淘汰される存在
そんな風に思っているはずです。
精子はプライドであり、強さの象徴なんです。

なので男性不妊と診断されると男は心がズタズタになります。

検査なんてするんじゃなかった。

一度はたまたま検査結果が悪かったと思っても、二回検査をして結果が悪いと現実を受け入れざる得ません。精子検査なんてするもんじゃなかったと後悔します。

そりゃ頭ではわかってるんです。
検査をしないと次のステップに進めないことぐらい。
それでも現実を直視できないぐらい人生で味わったことのない種類のショックを受けます。

検査したことを記憶から抹消したくなります。
現実逃避に走るかもしれません。
子作り諦める人もいるかもしれません。
なんとか改善しようと思う人もいますが、医師から「原因は不明です。まずは生活習慣から見直しましょう。」なんて抽象的な話をされます。原因不明の男性不妊だと言われることはとても多いことです。

健康診断で年に一回検査をしていれば別ですが、たまたま検査をしてデータが悪かったら、いつどの出来事がきっかけで男性不妊になったかなんてわかりません。しかもこの分野の研究はまだ15年程度なので十分なエビデンスが出揃っているとはいえないんです。


パートナーとの「心合わせ」がすべて

最近では不妊の責任の50%は男性だと言われていますが、そんな科学的なデータがあったとしても男性不妊というのは男にとってあり得ない事柄です。

オスとしてのプライドがズタズタになり、メスに捨てられるかもしれない恐怖に陥り、一生孤独になるかもしれないないと考える男性を支えるのはパートナーの言葉です。

ヒキタさん!ご懐妊ですよ』でもありましたが、「夫婦の心合わせ」がすべてだと思います。
お互いを思いやり一緒になって目的に進んでいかないと精神的にキツイです。映画の中のセリフにもありましたが「あなたそっくりの子供が欲しいの。」という言葉だけが男性にとって救いなんだと思います。

精子検査に行ってくれないと困っている方は、ぜひそんな言葉で男性を応援してみてください。


今も改善チャレンジ中の僕の男性不妊体験記はマガジンにまとめていますので読んでみてください。不妊治療に悩んでいる夫婦の力になれれば幸いです。
⇒ブログ「絶対に諦めねーぞ!男性不妊の克服を目指すブログ
⇒Twitter:@kintamadaijin

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