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枕崎個展「絵と題名」その3、旅とアートのこと。

現在開催中の鹿児島県枕崎市の美術館「南溟館」の個展「絵と題名」の話、その3です。過去に遡るとそれまでのブログもあります。また、インスタやツイッターで僕の会場ツアーの動画も見られるので僕の名前で探してみてね。

さて、9/15(日)9時。無事に個展が始まりました。東京でのイベントはオープンと同時に何人かきてくれることが多いんだけど、ここでは9時になっても誰もこなくて、最初は本当に来てくれるのかなと思いましたが、その日はイベントが14時からあったので、それに向けてだんだん人が集まってくれました。

ガイドツアーの様子

枕崎や鹿児島の人も来てくれて嬉しかったんだけど、関東からもその日だけで30人くらい来てくれてびっくりしました。僕のイベントによく来てくれる人、お世話になってる人、鹿児島に実家があるのでこのイベントに合わせて帰省して来てくれた人、数年前まで関東に住んでいたけど今はこっちに住んでいる人など、本当にさまざまで嬉しかったです。僕が大好きなふくれ菓子を買いにタイヨー(スーパー)に行ってる時にばったり会ったり、タイヨーから戻って美術館に通じる階段をのぼったら立川のフロム中武でお世話になっている鈴木さんに会ったりしてすごく不思議な感じでした。

方角のない街の説明をしているところ

14時になり、僕は事前に申し込んでくれた40人に絵を描いて題名をつけてもらうというワークショップをしました。その前になんとなく僕の絵と題名のスタイルを知ってもらおうと、会場にいてくれた人も一緒にガイドツアーをしました。
歴史的には絵にはもともと題名がなかったこと、絵は題名なくてもそれだけで相手に語りかけるもの、それを分かった上で題名と絵のギャップのおもしろさの世界を伝えました。

みんなの絵と題名。おもしろい。


ワークショップではみんな夢中で絵を描いて、そのあとの題名をつけることの難しさ、楽しさを学んでくれたようです。ありがとうございました。こういうワークショップはまだ世の中にないんだと思います。手探りの状態でしたが、この絵と題名の関係は本当におもしろいと思うのでこれからもやっていくつもりです。

ワークショップは16時までの予定でしたが、僕は当日の朝に思いついてやりたいことがありました。枕崎駅はJR線の日本最南端の始発・終着駅で、その旅情は素晴らしいものがあります。そして僕が一番好きな駅を望むスポットは南溟館の下にある片平山のグラウンドから階段を降りたところにある歩道橋です。そこからみんなで枕崎駅を出る指宿枕崎線を見たいと思いました。枕崎駅から出る列車は1日6本で、そのうちの15時54分発の鹿児島中央駅行きをみんなで見ようと思い、その時間にあわせてワークショップを終了し、みんなと歩いて見に行きました。

歩道橋から見た指宿枕崎線と枕崎駅

南溟館、グラウンド、階段、歩道橋、そして駅と列車。すべてが感動するロケーションで、美術館を離れてこういうツアーができるのがすごく楽しかったし、「旅とアート」がテーマの僕にとってはすごく僕らしかったと思います。そしてそこに関東から来た人を含むたくさんの人と一緒に行けてよかったし、枕崎の人にとってもまちの再発見になってくれたようでよかったです。

左下に見える白と青のラインが指宿枕崎線です

この階段もその上の歩道橋も、おそらく名前もないんだろうけど僕は本当にこういうところが好きです。まちは知れば知るほど発見があっておもしろいしそれはアートも同じこと、今回の展示は僕が歩いてみつけた枕崎のコーナーもあり、これは今後の僕の展示の方向性にもとても大事な展示になったと思います。南溟館の個展「絵と題名」は10月16日(水)までです。今日から後半、ぜひ行ってくださいね。

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