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drugpapaアルバムセルフライナーノーツ第3弾"覚醒期"


覚醒期 カバーアートワークはGoogle translationのサンプル画像から借用。drugmamaは画像検索

おはようございます。金聖です。ただ今小田急線に乗られながらタイピングしております。暑いので水分補給,塩分摂取を忘れないで下さいね。
さて,今回はサブスク解禁記念3弾,bandcampにて2021年10月14日にリリースされた、"覚醒期"のセルフライナーノーツを、金星と原、そしてボーカルのシロメがお送り致します。
↓リンクをタップすると無料で聴けます

総評

シロメ:drug papa名義で行われた21年夏の初ライブにゲストとして参戦した直後、ほぼ無プロモーションで立て続けに連続リリースされたアルバムで、シロメが正式メンバーとして参加した記念すべき?一枚でもある。
全体の印象は一言で言えばひたすらな混沌、メンバーの金聖、原祥太の音への異常なほどの執着を怖いほど開花させたアルバム。
参加したdrug papaのグループLINEでは毎日新曲が公開され、バンド出身の自分にとっては独特なやり方についていくのがやっとで、結局自分が滑り込みで参加できたのは18曲目の「Fractal figure dragonfly eyes」のみでした笑
こんなやり方でいいんですか?
っていう早さで作られたのに、ものすごい完成度。途中参加のメンバーとしてとにかく感動させられましたし、呆気にとられました笑

金:この頃は受験間近で、色々やることもありつつ趣味として音楽制作も併用してました。その時mulchprizeや、その他変名プロジェクトとかの活動も活発だったりしたので,結構のめり込んでた記憶があります。とんだ親不孝者ですね全く。あと、その時ファンとして聴いて下さってたシロメさんの加入も大きかったですね。誘おうと思ったきっかけはpercect daysのライブ演奏からでしたので、元々曲制作を共同でしたいたこともあり、フィーリングがdrugpapaと合致してるなということで,メンバー加入させてもらいました。私たちが苦手とする告知という役割も,難なくこなしていただき足を向けて寝られません。アルバムも、当時まであまり活発に動いてなかったので,やはりアルバムは聴かせるモノだということで色々な人に聴いてもらおうと、半月くらいかけて制作した記憶があります。内容自体はdrugpapaの中で一番好きなアルバムですね。一つの到達点だと思ってます。


曲解説

1:通 天 閣survival
作金聖
金:曲順は後から考えて制作していたので,まさかこの曲がトップを飾るとは思わなかったですね。この曲も系譜的にはhinerunsunのアシッドidmサウンドを継いでいますね。特筆すべきはシンセの音色。当時、aphex twinの出すアンビエントなリードシンセをガレージバンドでも再現しようと思い、ああでもないこうでもないと画策しながらやっとのことで生まれました。その音色を発見した時は当時いたく感動したものでした。何度も言いますが当時vaporwaveに心酔していたので、アルバム全体をサンプリングが支配していると言っても過言ではないでしょう。
2:肩 甲 骨livelal
作詞作曲:金聖
タイトルが漢字+アルファベットになっているのは,キャプテン翼や椎名林檎のタイトルの美学にあやかられているからだと思います。だからって肩甲骨を選ぶナンセンスさというのは、やはりvaporwaveの影響がモロに出ていると思いますね。行間が空いてるのもそういうことです。
最初はちゃんとした歌モノにしようと思ったのですが,なぜかミニマムにまとまってしまいました。
3:aerials decomposition/Slandering
作曲:金聖
これもガチガチのidmを作ってみんなを驚かそうと思いながら制作した曲です。できた途端「これはやばいのができた!」と思いながらリリースしたのですが,案の定反応がなくガッカリしましたね。mvも鬱になりすぎて全裸でマスク被りながら風呂場で水被ってるショッキングな内容なので見てみてください。

4:フ ル ス イ ン グ な 九 月 下 旬
作曲:原祥太
アレンジ:金
金:これは原くんが作ってくれたデモトラックを大胆にリアレンジしたトラック。最初はハロウィンみたいな雰囲気のある曲にしようと思ったけど,結果的にraveっぽくなった笑。あんまりこういうジャンルは好きじゃないんだけど、たまにはいいよね。今聴くと後半の畳み掛けが尋常じゃないし、この曲のために20トラック数(ガレージバンドで使えるトラック数の最大)も使った怪作。

5:東 京 駅 徒 歩 六 時 間 三 十 五 分
作曲:原祥太
金:あの曲の次にこれかよ笑!ってなる流れ。でもこの曲,単体で聴いても本当に良いし、もしかしたら原くんの最高傑作なんじゃないか,って思えるほど情緒的。映画のサントラみたい。トラックというか雰囲気をぶっちぎる感覚はCorneliusの"fantasma"とかでだいぶ鍛え上げられてますね。夢から覚める感覚に近い。必然的にシームレスに次の曲に繋がる部分は金聖担当。東京駅の人混み、地下鉄の冠水、警告音、そして次曲へと続き…
6:男 子 狂 犬 バ ギ ラ ニ ア ン
作曲:金聖
金:この曲は原くんにタイトルだけ与えられてたから,タイトルからイメージして制作した曲。狂犬がアマゾン川の深海を潜るイメージで製作しています。途中サビっぽくなる部分は,アルバムタイトルにあるように覚醒状態に陥ってるからなんでしょうかね,インストだけで物語性があるアルバムも作りたいですね。
7:原 く ん 退 院 ソ ン グ
作曲:金聖
金:8月くらいに、大宮でライブをした直後,原くんの持病のために入院。なんとか元気つけようと、ほんの数分で制作した曲。なんとなくdeath dynamic shroudのような、デジタル処理が目立つ感じで格好いいですね。

8:earth of birth
作曲:金聖
金:floating pointsに影響を受けて制作。当時ガレバンで出たサンプルパックを全面的にフィーチャーしてますね。このアルバムにある曲はそれぞれ,独立したジャンルでも完成形に近いサウンドが多いから,一曲ごとの、一つの作風の焦点を合わせてアルバムを制作してもよかったですね。でもそれをやると時間がないからなあ。しかも容量がないのでチャンスとか以外は全部データを捨ててます。iCloudってすぐ容量なくなるよね。

9:ス ポ ー ツ と 拡 声 機
作曲:金聖
ミニマルミュージックのようでいて、vaporwaveの雰囲気も併せ持つ曲。アルバムの中だと、ジャンル的にラウンジに近いかな。

10:FLYING ( 空 飛 ぶ 男 )
作曲:原
作詞そして歌:金
金:イントロのオリエンタルな感じがいいね原くん。これならgroup_inouにも負けないレベル。でもそれに順応するやつにもうちょっと歌をちゃんと録音すればよかった。ごめんなさい。でも全体的に誤魔化せてるからいいか。

11:世 田 谷 区 に て
作曲:原
金:原くんの、エレクトロミュージックに対するアプローチの深化が止まらなかった時期にできた曲。アシッドベースの音色が心地いい。
12:覚 醒 前 夜 ,13.覚 醒 期 
この2曲は2つでセット。この中のアルバムだと一番好きな曲。mvも原点回帰みたいで良き。ボーカルは、de de mouseが生声をカットしてボーカルにする手法をどこかで読んで、それならレパートリが尽きないなということで真似。最終的に何故か美空ひばりの初期曲から拝借した。ドラムの音が弱いけど、まあいいでしょ。

シロメ:これ一曲目にしろよ、というどえらいインパクトが第一印象。まさかの昭和の超大物歌姫を切り刻んで音として使うというある種の狂気、金聖君のボーカルに対するアプローチの冷徹なまでの「音」という認識に改めて気付かされた衝撃的な表題曲(問題作?)。
MVもスリリングでサイケデリック、金聖君のさすがのリズム感と編集の上手さを感じさせる圧巻の仕上がり。13曲目ですが、これは本当にぜひ聴いてみてほしいです!私が個人的に好きな曲です。

14:entranceゲ ー ト 入 口
作曲:金
金:9曲目でラウンジは飽きたんじゃ、と思っていた矢先にまだあった。イージーリスニングとして聴ける感じ。
15:N O W A X
作曲:金
金:金聖なりのアンビエント。ジャケがヒプナゴシアのジャケっぽいので必然的に入れた。ていうかこのアルバムのほとんどが金聖で占められてるから、ほとんど金星のソロアルバム状態っていう笑。
16.labyrinth 鈴 木 
作曲:金
金:学校に行く20分間、支度もせずにデモトラックだけでも作ろうと、YouTubeにある洋楽やギターソロ、果てにはベトナム語のアナウンスなど、縦横無尽なまでのサンプリング行為的衝動に駆られ,一気に製作。途中で渋い声のボーカルが入る所は,あのjoy divisionからIan Curtisの参加だ。

タイトルは原くんが先に命名。なぜラビリンスなのか,鈴木なのかもわからず終盤へ突入。

17.渡 辺 ◯ 平
作曲:原
金:タイトルは自分の親友から。この人を喰ったような内容もさることながら,最後まできてこれかよ。肩透かしを食らう展開が狂気的。

18.さ よ な ら 藤 川 さ ん
作曲:原
人名シリーズに終止符打たれり。これもセンチでメロウな佳曲。藤川さんって誰なんだろう。

19.Менамиштин чоң энесинин фракталдык!(サブスクではFractal figure dragonfly eyesと表記)
作曲:原 アレンジ:金 歌:シロメ
シロメ:iphone対応のコンデンサーマイクを買って初のdrug papaの完全リモートレコーディング楽曲でした。原翔太君の用意してくれたトラックはとても澄んだ音色で、導かれるままに歌詞を書きレコーディングしたのですが、まさか失敗テイクまで全て採用され、ゴリゴリに加工されるとは笑
drug papaの洗礼を浴びまくった、色んな意味で私の心に残る、忘れられない一曲です笑
今歌詞を読むと、2人の世界に連れてこられてとまどうような感じが見受けられるのも面白いです。

金:アルバム唯一のシロメさん参加曲。最初はビョークっぽいイメージで!みたいなことを言っていたので、自分が思うビョーク像を描きながらアレンジしました。そもそもの話あまりビョークを聴いたことがないので、ビョークに対する勝手なイメージが出来上がってしまってますね笑。ギターとかドラムは全部サンプル音源です。アコースティックな音ってガレバンで出すとダメなんですよね。
20.bonus track: dj栗山
作曲:金
金:ボーナストラック。ボイスサンプリングは、ニコニコ動画で出てきたopから。途中のメロディが気合い入ってて、さっきまでの調子とのギャップが笑いを誘う。

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