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祇園祭後祭山鉾巡行〜大船鉾『大金幣』

大船鉾(おおふねほこ)は祇園祭後祭の山鉾巡行で最後尾を飾る船鉾です。
凱旋鉾とも言われ長い歴史のある祇園祭に2014年約150年ぶりに復活しました。
菊水鉾が昭和の名工が結集して作られた鉾と言われていますが、言うならば大船鉾は平成そして令和の職人が結集し現在も再興されている最中の鉾と言えるでしょう。

今年は屋根唐破風流れ部分、そして新たに新調された大金幣が鉾先の先頭を飾りました。
文化10年(1813年)に制作された初代大金幣は禁門の変の火災の折にも守られ、鉾先を飾ってましたが金箔の剥がれや破損箇所が多く、歴史的にも貴重なことから、保存されることになりました。
これを未来に引き継いだのが二代目大金幣です。

初代大金幣の技術をしっかり守り文化10年に制作されたように仏具職人の技術で引き継がれています。

金幣は厚和紙を貼り合わせ、仏壇仏具に用いられる漆箔(しっぱく)技術で施されました。和紙に厚みのある黒漆を塗ると曲げる時に漆が割れてしまいます。

そのため、金箔を押す際に用いる生漆(きうるし)を使います。生漆は水っぽく薄く伸ばせるため伸縮に強い漆です。塗師屋(ぬしや)と呼ばれる職人が生漆を2度刷毛でのばしながら塗られたそうです。その上からさらに接着させる生漆を塗り拭きし、タイミングをとりながら金箔を押していくそうです。

なんとこれを2回繰り返す『2度押し』をしているというからすごい贅沢ですね!
金箔め古来からの技術で制作された『縁付き箔』を使い徹底的に初代の大金幣の技術を継承されました。

金箔は約7000枚使用されたそうです。

金箔は古来から仏教では天上の世界、そして神道では神の導きの色として重宝されてきました。
2023年巡行当日は快晴。

太陽に照らしだされる大金幣を見ると本当に神に導くような神秘的な雰囲気に見えてきます。

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