シャイン_オン_キッズ

重い病気とたたかう子ども達を癒すファシリティドッグ

 日付が変わってしまいましたが、2月15日は国際小児がんデーでした。
CCI(Childhood Cancer International/国際小児がんの会)及びSIOP(The International Society ofPaediatric Oncology/国際小児がん学会)から出されたステートメントの和訳を認定特定非営利活動法人シャイン・オン!キッズがFacebookで投稿されていました。ぜひ目を通していただきたいので少し長いんですが以下まるっと転載します。

「共に歩もう - 治癒率の向上と治療環境の改善、そして希望を与えるために」
毎年2月15日は、世界中で国際小児がんの日(ICCD=International Childhood Cancer Day)とされています。この国際小児がんの日は、2002年に国際小児がんの会(CCI=Childhood Cancer International)によって提唱されたことに始まります。
 (中略) 
 残念なことに、小児がんは世界中の子どもの非伝染性疾病による死因の筆頭であり続けています。世界中で、毎年30万人以上の子どもたちが小児がんと診断されています。そして、世界の子どもたちの約8割が低・中所得の国々で生活しており、こうした子どもたちの約8割以上が、小児がんで命を落としています。一方、米国、カナダ、英国、日本及びその他の先進国では、8割以上の子どもたちが小児がんを乗り越え、前向きなそして実りある人生を送る希望をもって生きているのです。
 2017年12月13日、WHO(世界保健機構)と世界銀行は新たな報告書を公表しました。それによって明らかになったのは、子どもを含む世界の人口の約半数が最低限必要な医療の恩恵を受けられていないこと、また約8億人の人々が健康にかかわる支出に世帯収入のわずか10%しか当てていないということでした。小児がんは治る病気になりつつあるにもかかわらず、余りにも多くの子どもや若年層が、単に貧困から抜け出せない国々に生まれたという理由だけで、診断の遅れや、命を救うために必須な薬剤の入手が困難である、或いは適切な治療が受けられない、などの理由で病気を克服する希望を持つことができないのです。
 小児がんに関わる組織として、私たちは、余りにも多くの家族が小児がんと診断された子どもを治療するために必要な費用負担の重さに耐えられないということを十分に理解しており、世界中で小児がんと診断された子どもたちの誰でもが、必須な薬剤を入手でき治療を受けられることの必要性を訴えています。そして、このことを実現させるために、国際小児がんの会と国際小児がん学会は、小児がんを各国の、更には国際的なレベルでの子どもの健康に関する優先的な対応事項とすることが、治療を受けられる道を拡げ、小児がんの死亡率を引き下げる第一歩であるという共通認識を持っています。
 世界の全ての子どもたちは、どこの国に生まれようとも小児がんの克服に希望を持つ資格があります。もう言い訳はできません。私たちは、もうこの問題を押し入れの奥に隠しておく訳にはいかないのです。子どもたちは、全ての国の、そして世界の未来なのです。彼らの生命力は、世界の心臓の鼓動であり、私たちを結びつける共通の情熱でもあります。なぜならば、地球社会の未来は、彼らによって決められるからです。
 (中略)
 もはや、“しかしながら”は有り得ません。手をたずさえてビジョンを共有することで、私たちは治癒率を向上させ療養環境を改善し、子どもたちに将来への希望を持たせることができるのです。手をたずさえて、小児がんの死亡率に低下に向けて活動をしなければなりません。
(シャイン・オン!キッズFB記事より抜粋 ※中略・太字筆者)

 先日、ゲイツ財団の記事を書きましたが、ゲイツ財団の理念は「すべての生命の価値は等しい」でした。生まれた国や地域で助かる命と助からない命の違いがあってはならないとするこの声明文と非常にリンクしています。この理念はUHC、ユニバーサルヘルスカバレッジという言葉でも言い換えられ、世界が2030年までに目指す17のゴール「SDGs」においても目標3に掲げられています。SDGsもいずれ取り上げたいキーワードですね。

 さて、話を小児がんに戻しますと、冒頭でFB記事を引用させていただいたシャイン・オン!キッズという団体はお子様を小児がんで亡くされたご夫婦が立ち上げた基金を前身として作られた団体で、小児がんや重い病気に苦しむ子どもやその家族の苦しみを和らげたいという思いで活動されています。昨日紹介したファミリーハウスと同じですね。
 シャイン・オン!キッズの活動の中でもユニークなのが、ファシリティドッグプログラムです。

 ファシリティドッグは、ストレスを抱えた人々に愛情と安らぎを与えるよう専門的なトレーニングをつんだ犬です。
 ファシリティドッグの主な仕事は、知らない人に自分の体を触ってもらい、それを楽しんでもらうことです。特に子どもは動物を抱きしめることが大好きで、このスキンシップには子ども達のストレスを減らし元気づける効果があることが、研究により明らかにされています。
(シャイン・オン!キッズHPより抜粋)

 日本にはまだ3頭しかおらず、神奈川と静岡の小児病院にしか導入されていません。 

 これを話すとお世話になっている病院がかなり絞られてしまいますが、私たち家族もこのファシリティドッグのお世話になってるんです。うちの子はまだ小さすぎるせいか、癒される以前に若干おびえ、警戒しているようなんですが、親の私たちはかなり癒してもらってます。特に先月の手術の時にはほぼ丸一日を家族控え室で過ごさねばならず、待ちくたびれて憔悴し始めた夕方にハンドラーさんとファシリティドッグが来てくれました。その時、雑談しながらファシリティドッグの毛並みをなでなでさせてもらうだけで緊張感がほぐれ、疲れが和らいだことを覚えています。
 世の中には本当にいろいろな形でそれぞれの特性を生かして人の役に立っている人(犬)たちがいるんだなぁと感心させられます。自分も頑張らんとなぁと励まされます。

 今回は2月15日の国際小児がんデーというタイミングで是非とも紹介したいと思っていたのでファシリティドッグを取り上げました。現在東京国際フォーラムで「ファシリティドッグ写真展2018 こども病院で働くしっぽの仲間」が絶賛開催中(2月18日まで!)ですので興味を持たれた方は是非足を運んでみてください。

もしサポートいただけたらファンドレイザーとしてのスキルアップに活用させていただきます。