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大学生の頃の話。初めての一人暮らしをする場所に私が選んだのは、ひなびた商店街の一角に建…
ある日、空から薄ピンク色の雪が降ってきた。 雪に当たった人々は「綺麗だねぇ」「寒くなった…
故郷の町が『新しいゆるキャラ』のコンペティションを開催すると知ったのは、締め切り日の3…
3丁目にある小さな喫茶店で、マグカップはいつも妄想していた。 自分もいつか、コーヒー豆たち…
「つまり、この数え歌は、まだ真の姿ではないんですよ……」 殺風景な岬の上で、黒いコート…
桜が舞い散る。おぞましい獣の唸り声は、全く似つかわしくない。河川敷に川の流れは静かで、…
── 推しの姿をかたどったぬいぐるみを作る。 そんな人間の文化を、どこからどう知ったかは定かではない。 だが先日から針1本、糸1本、生地1枚と枕元に謎に増えてきた理由が分かった。今日になって狐の耳のページに付箋が張られた「推しぬいの作り方」という本も置いてある。 これは我が家の庭にある、お稲荷様が送ってきたらしい。お稲荷様も、自分のぬいぐるみが欲しいみたいだ。 私はもらった針と糸、そして生地を使って狐のぬいぐるみを作った。 「お稲荷様、お納めください」 次