落語ベストナイン④
落語の演目で野球チームのベストオーダーを組む「落語ベストナイン」。クリンナップの後を任せるバッターは、「死神」としましょう。
【 6番 ショート 死神 】
6番は、5番「らくだ」の後を受けて、相手チームを突き放す追加点を取りに行く、重要な打順です。「らくだ」との死人つながりで、最近、米津元帥の楽曲でも知られる「死神」としましょう。「死神」が打席に入る時、お馴染みのルーティンがあります。先ずは呪文を唱えます。「あじゃらかもくれん、きゅうらいす、てけれっつのパー」。そして手をパン!パン!。
「死神」の守備位置はロウソクの明かりにちなんでライトと言いたいところですが、ショートを守ってもらいたいです。「死神」は、雲に乗ってすうっと移動するような軽いフットワークですので、守備範囲の広い名ショートです。
サードを守る4番「文七元結」は明治の大名人 三遊亭圓朝の作ですが、この「死神」も三遊亭圓朝がヨーロッパの童話から創作した噺です。サードの「文七元結」と、遊撃手「死神」の二人で、これが本当の「三遊間」と洒落たいところです。
さて、ここで改めて、1番から6番までを並べてみましょう。
1番 ライト 大工調べ
2番 セカンド 時そば
3番 ファースト 芝浜
4番 サード 文七元結
5番 レフト らくだ
6番 ショート 死神
残るは下位打線の、7・8・9番です。落語がお好きなかたなら、このへんで、この企画が結構難しいことがおわかりでしょうか。落語の大ネタはまだまだあるのに、このベストナインに選べる噺はあと3つしかないのです。